Vistaのファイル検索をカスタマイズするサクッとおいしいVistaチップス 30枚め

» 2007年12月11日 11時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
今回のチップスが使えるエディションは?
エディション Home Basic Home Premium Business Ultimate
対応状況

 前回はWindows Vistaの検索機能を取り上げたが、中には「より多くのインデックスを作成して効率よく検索したい」という人や、「もっと自分好みに検索の設定を絞り込みたい」という人もいるだろう。そこで今回は、ファイル検索の設定をカスタマイズする手順を紹介したい。

ファイル検索の設定変更はフォルダオプションから

 ファイル検索の設定は、フォルダオプションの「検索」タブからカスタマイズできる。フォルダオプションを起動するには、任意のフォルダを前面に出した状態でAltキーを押すとメニューバーが表示されるので、「ツール」から「フォルダオプション」を選べばよい。フォルダオプションの「検索」タブは、「検索項目」「検索方法」「インデックスが作成されていない場所の検索」の3種類のメニューに分かれている。

フォルダオプション

 「検索項目」のメニューには、「インデックスが作成されている場所で、ファイル名と内容を検索する。インデックスが作成されていない場所では、ファイル名だけを検索する」のほか、「ファイル名と内容を常に検索する」と「ファイルの名前だけを常に検索する」といった3つの選択肢が用意されている。基本的には、インデックスが作成されている場所で、ファイル名と内容を検索するデフォルトの設定がベターだ。

 インデックスとは、ファイル名やファイルの内容を索引化したファイルのこと。PCでメインのストレージとなるHDDは、メモリなどに比べてアクセスが低速なことに加えて、記録容量が大きいため、検索するたびにファイルをすべて読み込んでチェックしていたら、膨大な時間がかかってしまう。そこでVistaでは検索を高速化するため、必要な情報だけをまとめて索引化してインデックスとして保存している。逆に、インデックスを使わない検索では、同じファイルを探すのに時間がかかることになるので注意してほしい。

 Vistaがファイルやタグの内容を使って高速に検索を行えるのは、サービス(Windows Search Service)がバックグラウンドでインデックスを作成し続けているからだ。インデックスはほぼリアルタイムに生成されるため、HDDへのアクセスが頻繁に発生し、システムに負荷がかかる要因になるが、システムへの負荷が低くなるようにVistaの新しいファイルシステムの機能を利用している。

 「検索方法」メニューでは、「検索ボックスで入力するときにサブフォルダも含める」「部分一致の検索をする」「自然言語検索を使用する」「ファイルシステムを検索するとき、インデックスを使用しない」といった設定を有効もしくは無効にできる。このうち、後者の2つはデフォルトで無効の設定だ。

 「自然言語検索を使用する」のチェックボックスをオンにすると、プロパティ名やフィルタを用いた検索方法と比較して、コロンを使ったりANDやORを大文字で入力する必要がなくなり、自然な感覚で検索が行えるようになる。

 例えば、pcuserが作成したファイルだけを探したい場合、プロパティによる検索では「作成者:pcuser」と入力していたのが、自然言語検索では「作者 pcuser」と入力しても同じような結果が得られる。もちろん、自然言語検索とプロパティ名、フィルタを組み合わせた高度な絞り込み検索も可能だ。

 そして「インデックスが作成されていない場所の検索」メニューでは、インデックスが作られていない場所を検索する場合に、「システムディレクトリを含める」や「圧縮ファイル(ZIP、CAB...)を含める」といった指定が可能だ。初心者が不用意にシステムファイルや中身を把握していない圧縮ファイルに触れないようにするためか、デフォルトでは2つとも無効になっている。

インデックスの設定を自分仕様にする

 インデックス機能のカスタマイズは、コントロールパネルの「システムとメンテナンス」にある「インデックスのオプション」から行う。

 通常、インデックスは「オンラインファイル」「スタートメニュー」「ユーザー名」のフォルダに対して作成される設定になっている。インデックスを作成するフォルダを変更するには、「変更」ボタンを押して「インデックスが作成された場所」ウィンドウで「すべての場所の表示」ボタンをクリックし、インデックスを作成したいフォルダを選択すればよい。

「インデックスのオプション」で「変更」ボタンを押す(写真=左)。「インデックスが作成された場所」ウィンドウで「すべての場所の表示」ボタンをクリック(写真=中央)。「選択された場所の変更」から、追加でインデックスを作成したいフォルダをチェックする(写真=右)

 インデックス作成の対象とするファイル形式を変更するには、インデックスのオプションで「詳細設定」ボタンを押して「詳細オプション」を開き、「ファイルの種類」タブにアクセス。ここから、ファイルの拡張子ごとに「プロパティのみインデックスを作成する」もしくは「プロパティとファイルのコンテンツのインデックスを作成する」を選択できる。

 「詳細オプション」の「インデックスの設定」タブからは、暗号化されたファイルのインデックス作成、区分発音符付きの同様の単語を別の単語として処理、インデックスの再構築もしくは規定値への復帰、インデックスを作成する場所の変更といった細かい設定がまとめて行える。インデックス検索にトラブルが発生した場合には、ここで再構築できる仕組みだ。

「インデックスのオプション」で「詳細設定」ボタンを押す(写真=左)。表示された「詳細オプション」の「インデックスの設定」タブでは、インデックスを作成する場所などの設定が可能(写真=中央)。「ファイルの種類」タブでは、インデックスを作成するファイルの種類などを指定できる(写真=右)

ディスクのプロパティ

 なお、特定のディスクのインデックスを作成しないように設定することも可能だ。スタートメニューで「コンピュータ」を選び、任意のディスクを右クリックして表示されたメニューから「プロパティ」をクリック。ディスクのプロパティで「検索を速くするため、このドライブにインデックスを付ける」のチェックボックスをオフにしておくと、無駄なインデックスを作らずにすむ。

 例えば、サイズの大きな特定のファイルだけを格納しており、ファイル名以外で検索する必要のないディスクなどは、前述のチェックボックスをオフにしても、検索時に困ることはないだろう。

過去に紹介したVistaチップスと各エディションの対応状況
内容 Home Basic Home Premium Business Ultimate
29枚め:Vistaのファイル検索をマスターする
28枚め:Vistaの視覚効果を変更してスピードアップ
27枚め:VistaのWindowsサイドバーとガジェットを使いこなす
26枚め:Internet Explorer 7の同時ダウンロード数を増やす
25枚め:Vistaの電源ボタンを交換する
24枚め:Windows Media Player 11の共有機能を利用する
23枚め:Vistaの「プログラムと機能」をカスタマイズする
22枚め:VistaでDHCPサーバからIPアドレスを取得できない場合に対処する
21枚め:Vistaの「Windows転送ツール」を活用する
20枚め:VistaでHDDのパーティションを結合/分割する
19枚め:Vistaで接続できないNASに対処する
18枚め:VistaのWindows Updateを使いこなす
17枚め:VistaとWindows XP間の文字化けを解消する
16枚め:Internet Explorer 7のタブ機能をカスタマイズする
15枚め:Internet Explorer 7のユーザーインタフェースを改造する
14枚め:Vistaのジャンクションを理解する
13枚め:Vistaでユーザー用フォルダの参照先を変更する
12枚め:Vistaでファイルやプリンタを共有する
11枚め:Vistaの詳細ブートオプションを利用する
10枚め:Vistaの便利な機能を有効に、不要な機能を無効にする
9枚め:VistaにXP用ドライバを手動でインストールする
8枚め:ファイルとレジストリの仮想化を理解する
7枚め:「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更する
6枚め:WindowsメールにOutlook Expressの環境を取り込む
5枚め:非対応のWindowsヘルプを利用可能にする
4枚め:間違って削除したファイルを復元する
3枚め:「ファイル名を指定して実行」をスタートメニューに加える
2枚め:アプリケーションを管理者として実行する
1枚め:ユーザーアカウント制御を使いこなす

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