このように、「GeForce 8800 GTXにはかなわず、定格動作のGeForce 8800 GTにははっきりとした差をつけているけど、オーバークロック設定のGeForce 8800 GTと互角の戦い」という結果をゲームタイトルのベンチマークテストで見せたGeForce 8800 GTS 512Mだが、オーバークロック設定では、その立ち位置がどのように変わるだろうか。XFXのPV-T88G-YDDで、そのあたりを検証してみる。
3DMark06では、定格動作でもGeForce 8800 GTXを上回っていた軽負荷状態で差を広げ、重負荷状態でもほぼ拮抗した状態から一部の条件では逆転する結果も確認された。ゲームタイトルのベンチマークテストでも、総じて定格動作からパフォーマンスが向上しており、Unreal Tornament 3のDM-ShangriLa-FPS-PCでは、GeForce 8800 GTXを逆転する場面も見られた。ただ、そのほかのゲームタイトルにおいては、オーバークロック分の結果向上が見られたものの、GeForce 8800 GTXを上回るほどの結果は出せていない。
今回は、ベンダーが異なるもののGeForce 8800 GTS 512M搭載のグラフィックスカードを2枚用意することができた。そこで、変則的で、かつ、ベンダーがサポートしない条件ではあるが、ELSAとXFXの製品を組み合わせてNVIDIA SLIを構築して、ベンチマークテストを動かした結果を参考記録として掲載する。
ここでは、単体構成とNVIDIA SLI構成における相対性能に注目してみたい。GeForce 8800 GTのレビューで、ForceWare 169.01βを適用したときと、今回のForceWare 169.06を適用したときの傾向の違いをチェックすると、F.E.A.R.とEnemy Territory-QUAKE Warsにおいて、相対性能がForceWare 169.01βよりも下回るのに対して、Unreal Tornament 3では、1.5から1.7だったDM-ShangriLa-FPS-PCで1.7から2.0へ、同じく1.6から1.8程度だったvCTF-Suspense FlyThrough-PCで1.8から1.9へと、それぞれNVIDIA SLI構成の効率がアップしている。注目のCrysisでは依然としてNVIDIA SLIへの対応が実現していないが、ForceWareのバージョンアップによって、Windows Vista環境におけるNVIDIA SLIのチューニングが進んでいることを示すケーススタディと見ることができる。
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