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» 2007年12月25日 10時30分 公開

究極の色再現を目指したキャリブレーションソフト――「ColorNavigator 5.0」 (1/4)

ナナオの「ColorEdge」シリーズに付属するカラーキャリブレーションソフトウェア「ColorNavigator」が5.0にバージョンアップした。インタフェースを刷新しつつ、ユーザーによる詳細なカスタマイズを可能にするなど、ColorEdgeシリーズの潜在能力をさらに引き出すための改良が随所に施されている。今回は実際に「ColorEdge CG241W」と組み合わせて使用し、その魅力に迫ってみた。

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ワークフローの効率化を実現するColorEdgeシリーズ

ColorEdgeの最新モデル「ColorEdge CG241W」

 ナナオの「ColorEdge」シリーズは、プロフェッショナルおよびハイアマチュア層に向けたカラーマネジメント対応液晶ディスプレイだ。工場出荷の前に、1台ずつRGBのガンマカーブや表示ムラをすべての表示階調で調整するなど、正確な色再現にこだわり抜いて生産されている。特に出版や印刷業界ではワークフローの効率化を図るために幅広く導入され、その実力が高く評価されていることは、もはや説明不要だろう。

 カラーマネジメントとは、異なるカラーイメージング機器間で色の情報を正しく伝え、同じデータを扱う場合に同じ色が再現できるように調整することだ。ColorEdgeシリーズが「カラーマネジメント対応」をうたう理由の1つには、ハードウェアキャリブレーションに対応していることが挙げられる。まずは、そのアドバンテージについて改めて紹介しよう。

ソフトウェアとハードウェアによるキャリブレーション

 ディスプレイやプリンタといったカラーイメージング機器において、使用環境や用途に合わせて一定の色表示が行える状態に整えることをキャリブレーションと呼ぶ。ディスプレイの場合は、市販のキャリブレーションセンサとソフトウェアを組み合わせて、表示の目標値となる白色点(色温度)、ガンマ、輝度を設定し、ディスプレイをキャリブレーションセンサで測色したうえで目標値に一致するように調整を行う。調整結果はICCプロファイルとして書き出し、ディスプレイの設定に登録することで色再現性を向上させる仕組みだ。

 ディスプレイのキャリブレーションはソフトウェアで行う場合とハードウェアで行う場合の2種類があるが、作業者の手間や精度が大きく異なる点に注意したい。

 ソフトウェアキャリブレーションは、ユーザーによる手作業も含めて調整値を追い込んでいくもので、内部的にはグラフィックスカードのドライバやキャリブレーション用ソフトでRGBの出力レベルを間引くことで、表示の帳尻を合わせている。ユーザーは目視でディスプレイの表示を確認しながら、明るさやコントラスト、色調が最適になるように手動で調整するのが一般的なやり方だ。

 この方法は導入コストが低く、すべてのディスプレイで実施できるという利点がある半面、ユーザースキルによって調整精度にバラツキが出るほか、RGBの階調バランスが崩れることもあるなど、欠点は少なくない。

 これに対してColorEdgeシリーズのハードウェアキャリブレーションは、ナナオ独自のソフトウェア「ColorNavigator」で市販のキャリブレーションセンサをコントロールし、手軽に正確なキャリブレーションが実行できるというものだ。ユーザーがColorNavigatorで目標値を指定するだけで、あとは測色から調整、ICCプロファイルの作成までが自動的に行える。

 ソフトウェアキャリブレーションと比較して導入コストがかかるものの、目標値に対してPCからの出力ではなく、ディスプレイ内部の出力を自動で最適化するため、ユーザーによる調整精度のバラツキが発生せず、RGBの階調バランスが滑らかに再現できるというメリットがある。ColorEdgeに搭載された独自の映像プロセッサが実現する12ビット(一部は10ビット)のルックアップテーブルも、キャリブレーションの精度を高めているポイントだ。

キャリブレーションによるガンマカーブとディスプレイ表示のイメージ。左がソフトウェア処理、右がハードウェア処理の例だ。実際にはソフトウェア処理でもこれほど階調が崩れることはないが、PC側の出力を調整して色合わせをすることから、原理的に中間階調のトーンジャンプや色かぶりが発生しやすい

 このように、独自のハードウェアキャリブレーション機能を備えることが、ColorEdgeシリーズが高い支持を集めてきた大きな要因の1つとなっている。

ColorNavigatorのフル機能をすべてのColorEdgeへ

ColorNavigator 5.0

 さて、前置きが少々長くなったが、ColorEdgeシリーズの「誰でも簡単に、正確かつ高速なハードウェアキャリブレーションが可能」というアドバンテージを実現するのに不可欠なのが、ColorEdge専用のカラーキャリブレーションソフトウェア「ColorNavigator」だ。ナナオは12月に入り、最新版となる「ColorNavigator 5.0」の無償配布を自社のWebサイトで開始した。今回はこのColorNavigator 5.0にフォーカスする。

 バージョンアップで注目すべきポイントは、ソフトウェアの統一を果たしたことだ。従来は、フル機能版の「ColorNavigator」と簡易版の「ColorNavigator CE」に分かれていたが、バージョンアップにともないColorNavigator 5.0に統合されている。これにより、ColorNavigator CEが付属していた「ColorEdge CG241W/CE240W/CE210W」でもフル機能版が利用可能になったのはうれしい(CE240W/CE210Wでは一部機能制限あり)。もちろん、新バージョンならではの新機能も追加されているので、後ほど紹介しよう。

 組み合わせる市販のキャリブレーションセンサは、X-Riteの「i1(Eye-One)」シリーズおよび「Monaco OPTIX」シリーズ、ColorVisionの「Spyder2」シリーズに対応している。ColorNavigator 5.0側の工夫によって、これらフィルター方式のセンサでも広色域ディスプレイのキャリブレーションが可能となったため、広色域環境でも高額なスペクトル方式のセンサが必須ではなくなった。

 サポートするOSは、Mac OS X 10.3.9〜10.4もしくはWindows XP/Vista(64ビット版含む)で、Mac OS X 10.5(Leapard)は2008年1月以降の対応予定だ。今回からIntel Macにネイティブ対応し、最新Macとの親和性を高めている。

 それでは、次のページからはColorNavigator 5.0を実際に使用し、その機能や使い勝手に迫ってみたい。

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