一昔前まで、アキバの年末年始はシャッター通りに近い状況になったが、最近は三が日に店を開けるのが常識になり、無休で営業するショップも増えている。これにともなって客足も伸びてきており、取材時も店員さんに話しかけるのが申し訳ないほど大勢の人がつめかけたショップが多かった。元日から営業しているツートップ秋葉原本店は「3日まではもっと多かったですよ。アキバの初売りがお客さんに定着した結果だと思います。もう今後は元旦、休めないですね」とうれしそうに語る。
“アキバの初売り”で象徴的な存在といえば、PCパーツを詰め込んだ福袋だ。先のツートップ秋葉原本店では、5万円からのPC組み立てキット福袋などを用意していたが、初日からストックを追加で作るほどの好評を博したとのことで、3日までに完売。クレバリーの“不幸袋”も営業開始の2日から飛ぶように売れた。3日に営業初日を迎えたパソコンショップ・アークも、ジャンク品を詰め込んだ“パンドラの箱”が「開店から30分で売り切れました。昨年までとは勢いが違いましたね」という。
福袋こそ用意していないものの、2日から営業しているT-ZONE.PC DIY SHOPも「三が日は予想以上にお客さんに来ていただきました。今年は例年になく好調ですね。よいスタートダッシュが切れたと思います」と語っている。このように、PCパーツショップ密集地付近のショップは、「例年以上に好調」という感触を持っているようだ。
一方、中心地から多少離れた場所にある高速電脳が「いつもと同じかな。昨年はGeForce 8800 GTが大ヒットしましたが、その勢いが年末年始まで続かなかった印象です。不調というわけではないですけどね」と語り、TSUKUMO eX.も「例年どおりです」と評価するなど、エリアによって多少の温度差が感じられた。
なお、福袋を買うには出遅れ感があるものの、今年のPC USERを占う意味も込めて、PCパーツの中古品とジャンク品で有名なアキバ パレットタウンの3000円福袋を購入してみた。「今年で3年目になります。あまり宣伝していないので、分かる人が買っていく感じですね。運試しにどうぞ」と店員さん。
さっそく中身を開けると、有線マウスや外付けのDVD-RAMドライブ、無線LANルーターなど、比較的実用性の高いアイテムが入っていた。個人的には、Windows XPを使い続けているため、XPチューニングソフト「XP turbo II」が一番の収穫。一方、PCと関係ないのに袋の中で場所をとっていた「魔法陣グルグル」などのお面が一番の廃棄候補となる。
当たり外れが激しいという点は無視し、トータルでヒットの多い一年になる、と受け取っておきたい。
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