インテルは2008年も「革新」

» 2008年01月16日 18時47分 公開
[長浜和也,ITmedia]
満面の笑みで2007年の決算を報告する吉田和正インテル代表取締役共同社長

 インテルが年頭の記者会見を行い、吉田和正代表取締役共同社長が、2008年の事業展開について述べた。会場では、先日発表されたばかりのメインストリーム向けとモバイル向けの45ナノメートルプロセスルールCPUを搭載したメーカー製PCと、2008 International CESで披露されたMenlowマシンやSOC技術を導入したCPU「Canmore」を搭載したプロトタイプが展示され、それぞれに説明スタッフから詳細について説明がなされた。

 吉田氏は、「過去最高」となる2007年の決算内容を紹介したのちに、2008年の事業展開に言及した。まず、2007年にリリースした45ナノプロセスCPUについては、すでに発表しているように、ハイエンドモデルからメインストリーム、ノートPC、バリュークラスのサーバといったすべてのレンジで移行を進めるほか、新しいアーキテクチャを採用する「Nehalem」の投入で「2008年も革新を起こしたい」と、引き続きCPUの開発で業界をリードしていく意気込みを示した。

 IT機器の動向としては、一般家電が進化してモバイルコンピューティングと融合するという見通しを述べ、それに伴なって、インターネットのパーソナル化やHDコンテンツの普及、そのHDコンテンツをいつでもどこでも利用できる環境を実現させる、高速ワイヤレスネットワークインフラとなるWiMAXの整備、そして、その利用を促進する使い勝手のよい革新的なユーザーインタフェースが出現する年になると「インテルがなすべき使命」を語った。

 ただ、その基本インフラとなるWiMAXのサービスインの時期について、ワイヤレスブロードバンド企画を設立するなど、日本におけるWiMAX事業の立ち上げに大きく関与しているインテルの予測は「今から1年後」と、今しばらく時間がかかるとしている。

 また、吉田氏は2008年に新しく投入するプラットフォームとして、デジタル家電機器をターゲットにしたSOCプロセッサの「Canmore」と、モバイルコンピューティングプラットフォームの「Menlow」を紹介した。どちらも、2008 International CESで動くデモ機が披露されたプラットフォームだが(Canmoreについてはこちら、Menlowについてはこちらこちらを参照)、Menlowについては、2008年前半に投入すると明言し、従来の10倍という電力効率によって「世界中にオープンインターネットを実現する」と述べるなど、インテルがMenlowにかける期待の大きさを表した。

CESのインテルキーノートスピーチでも紹介されたCanmore搭載デモ機
会場には吉田氏が自作したという“新作”PCが飾られていた

ハイエンドゲーミングPCプラットフォームとなる「Skulltrail」マザー(開発コード名、写真=左)と、その1CPUプラットフォームの「Bone Trail 2」(開発コード名、写真=右)が展示されていた。Skulltrailのスペック表には「NVIDIA SLI/ATI CrossFire」と記載されている(Bone Trail 2は“CrossFire”のみ)

 会場では、国内の関係者には初めてとなるCanmoreの実動デモ機や、Menlowのモックアップ(一部実動サンプルあり)、また、2009年のモバイルプラットフォームといわれている「Moorestown」のモックアップなどが展示され、来場者の注目を集めていた。正式発表前ということで、スペックに関する具体的な値は「Canmoreに統合されているグラフィックスコアやビデオプロセッサの世代、対応するDirectXのバーション、ドライバの対応状況は言えない」というように明らかにならなかった。

 それでも、Moorestownのモックアップでは「実際の大きさと重さを想定している」とのことで、具体的な値についても「Menlowが300から400グラム台を目指しているので、Moorestownはそれより当然軽くなる。200グラム台前半とか」と説明し、バッテリー駆動時間についても「同じバッテリー重量なら倍程度」と述べてくれた。ただし、これは「デバイスの重さを軽くするだろうから、そのとおりにはならない可能性もある」という見方も同時に示している。

「2009:Moorestownプラットフォーム」とだけ説明されていたモックアップ。2009年に登場する見込みのモバイルプラットフォームで、Menlowより軽く、Menlowより長い時間バッテリーで動作するデバイスを目指す

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