新禧新禧!中国の初売りで白物家電“+α”を入手せよ山谷剛史の「アジアン・アイティー」(3/3 ページ)

» 2008年01月22日 11時14分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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“おみやげ”の質も量も交渉次第の中国家電量販店

 筆者は「携帯電話」「炊飯器」「ヒーター」という、ごくごく普通の買い物をするつもりだった。知人である地元の中国人を助っ人に、筆者が滞在する地方都市の国美や蘇寧、そして、それらと比べるとややマイナーな「五星電器」を訪れてみた。

 店内で商品を物色しつつ、助っ人の中国人は価格とともに「おみやげは何がある?」(中国語で「有没有活動」、ヨウメイヨーホートンと発音する。正確には“何かキャンペーンをやっていますか”)と聞いている。助っ人中国人がいうには、意外にも「家電量販店で値引き交渉はやるだけ無駄」とのこと。その代わりに「店員からできるだけ“おみやげ”を引き出す」ことになるのだそうだ。

 助っ人は、日本ではありえないくらいしぶとく交渉し、次から次へと店員からおみやげを引き出している。その内容をダイジェストで紹介するとこんな感じだ。

助っ人 おみやげとしてなにがもらえますか?

店員 1000元以上の商品であれば“これ”か“あれ”がもらえます。

助っ人 アイヤー、そんなこといわずに“これ”と“あれ”の両方をくださいよ。

店員 アイヤー、それは無理な相談ですよ。

助っ人 アイヤー、いまキャンペーン中なんでしょ?

店員 それじゃ、ちょっとマネージャーに聞いてみますね。マネージャー!

マネージャー ちょっとそれは無理な話ですよ、お客さん。

助っ人 あ〜分かりました、おみやげに“これ”と”あれ”がもらえるならここで買うのに。無理ならほかをあたりますよ。

マネージャー しょ、しょうがないなー、分かりましたよ。


 かくして、助っ人中国人の活躍で大量の“おみやげ”を獲得した。レノボの1380元(これでも、一般的な中国人の月給に相当する)の携帯電話、930元の中国メーカー製電気ヒーター、699元の中国メーカー製炊飯器の合計3000元ちょい(4万5000円強)の買い物となった。この土地の電器店で扱っているラインアップとしてはハイエンドな白物家電とボリュームゾーンの携帯電話を選んだわけだが、それでも、一般的な中国人にしてみれば2カ月分の給料に相当する。家電といえども、いかに高い買い物であるかが分かってもらえるだろうか。

購入した炊飯器と携帯電話、ヒーター、そして、助っ人の力を得て獲得した“おみやげ”の数々

 今回獲得できた“おみやげ”はこんなことになった。

  • 携帯電話についてきた“おみやげ”

 50元(750円強)の通話料が入った携帯電話のSIMカード、雑誌入れ、掛け布団

  • 炊飯器についてきた“おみやげ”

 炊飯器用のスペア釜、鍋、(鍋は交渉後、最初に提示された鍋よりもいいものにアップグレード)

  • 電気ヒーターについてきた“おみやげ”

 電気土鍋(もともとは鍋だったが、「もう鍋はもらっている」という理由で電気土鍋にアップグレード)

 雑誌入れは、家電量販店のロゴが入っている“粗品”であるが、そのほかは、中国でも名の通ったメーカーの製品である。クオリティも信用できるものだし、そう安いものではない。実売価格にしてそれぞれ1000〜2000円ぐらいの価値のものを入手できたわけで、なるほど、この時期のおみやげはお得だと感じた。

 かくして、新春のお買い物は一応の成果を収めた。大量の“おみやげ”でほくほくしていた筆者のもとに助っ人から連絡がはいった。「オークションサイトの淘宝網で買ったら、合計で400元ほど安かったよ。えええぃ、悔しい! もう家電量販店では買わないっ!」たかが400元、されど400元なのだ。これは、助っ人の彼が手にする月給の4分の1に相当する。自分の月給にあてはめれば、彼の悔しさも分かるだろうか。

 こういう商習慣で盛り上がっている中国から、アキバを訪れる観光客が年々増えていると聞く。アキバの店頭で「おみやげねぇ〜か〜」と交渉してくる中国人がけっこういるのではないかと、あれからちょっとばかり気にかかっていたりする。

最後に「いかにも中国!」な白物家電を。中華鍋に合わせて“平面”ではなく“曲面”になっているクッキングヒーター

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