「不満の解消から、新しい価値の創造へ」――Vista時代を考える1周年記念イベント古田雄介のアキバPickUp!(1/2 ページ)

» 2008年01月28日 12時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「Phenom 9900/9700は4〜6月に」さまざまなサプライズ

JR秋葉原駅前に掲げられたイベント告知の大ポスター

 1月26日、カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店で、マイクロソフトが主催する「Windows Vista発売1周年記念アニバーサリー特別イベント」が開かれた。“64ビット時代到来!!”と銘打ち、64ビット環境へ移行するメリットをアピールするさまざまなトークセッションを立て続けに行った。当日は、イベントが終了する19時まで常に会場内がすし詰め状態になる盛況ぶりだった。

 多数の観衆を集めるなか、13時からはマイクロソフトがWindows VistaやMicrosoft Liveの解説などを行なった。2007年末から2008年初頭の登場がウワサされていたWindows Vista SP1の登場時期については、同社の三橋氏が2008年第1四半期と明言している(関連記事:Windows Vista SP1は2008年第1四半期後半にリリース予定)。

会場の様子。常に室外までギャラリーがいる状態だった(写真=左)。展示スペースの中央にはアイ・オー・データ機器のDDR3メモリや、ローランドの音楽制作ソフト「SONAR 7」のデモ機などが並んでいた(写真=中央/右)

 協賛メーカーによるセッションで、最も注目を集めたのは日本AMDだ。同社のCPUは64ビットOS環境を早くからサポートしており、現行モデルならメモリコントローラをCPUに内蔵していることもあって、チップセットの対応を気にせずに64ビット環境に移行できる。

 この日壇上に立ったのは“兄貴”こと土居憲太郎氏。「Spider PCで実現するx64の世界」というテーマで、64ビット環境のメリットについて語り、近々のCPUロードマップも公開した。ここで、2008年第1四半期の投入を予定していたPhenom 9900/9700が第2四半期にずれこみ、代わりにトリプルコアのPhemon 8000シリーズと、TDP65ワットのクアッドコアCPUであるPhenom 9000eシリーズを投入するという。

 土居氏は「トリプルコアでもAthlon X2 6000+よりハイパフォーマンスです。楽しみにしていてください」と語る。なお、日本AMDは同日に行われた「DIY PC Expo 2008」にも参加しており、兄貴一行は2拠点を何回も往復していた。

 夕方には、著名PCライター3氏によるセッションを3連発で開催した。先陣を切った高橋敏也氏は、メモリの選び方について、実体験に基づいたトークで場をわかせた。「(メモリは)すごく安くなっているので、これを機にVistaマシンは2Gバイト以上を基本にしましょう。でも、メモリの本数が増えるほどトラブルが発生する可能性は増える。基本ですが、2本同時に買うとか相性保証をつけるのがいいですよ」と語る。トーク中にゲストとして、メモリ診断ツールを提供するウルトラXの渡辺氏を招き、メモリのエラーを調べるデモも行った。

Phemon 9000eシリーズの投入を発表する土居氏(写真=左)。「高いメモリがいいというものでもない」と語る高橋氏(写真=中央)。ウルトラXのメモリ診断ツールは、会場内中央でもデモを行っており、自作上級者に注目されていた。しかし、1台14万円はするため、個人で買うにはちょっと厳しい(写真=右)

 続いて行われた、テクニカルライターの笠原一輝氏によるセッション「8GB積んだら仮想OS」では、64ビット環境のメリットをアピール。「現状では64ビットアプリが少ないですが、仮想OSソフトを使えば2台のPCを1台のハードだけで動かせるので、電気代がお得です」と、値上げが発表された電気代にかけて実生活での優位性も解説していた。なお、今後はWindows Vista Home PremiunとVista Home BasicもクライアントOSとして利用できるようになる。

 最後はテクニカルジャーナリストの後藤弘茂氏が、2014年までのメモリのロードマップを解説。DDR3が普及しきったあと、2012年以降、すでにJEDECによる標準化作業が進められているDDR4が台頭するとの見方を示した。

笠原氏は、64ビット環境上で32ビットアプリを動かしたベンチマーク結果も公開。ほとんど差がないことに言及した(写真=左)。後藤氏によるメモリの動向予測(写真=中央/右)

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