新世代CPUとGPUで新生活もゲームもハッピーに――ドスパラ「Prime Galleria HG」E8500×8800 GTの魅力(1/2 ページ)

» 2008年02月06日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

 「Prime Galleria」は、全国にPCパーツショップ「ドスパラ」を展開するサードウェーブのオリジナルPCブランド「Prime」シリーズのゲーム向けラインアップだ。ゲーマーが喜ぶポイントを押さえつつ、最新パーツをいち早く搭載するなど、市場のトレンドを反映したパーツ構成とカスタマイズにも対応する柔軟性が特徴だ。今回は、WolfdaleコアのCore 2 Duoと同時に販売が開始された最新モデルの「Galleria HG」を取り上げる。CPU、グラフィックスカードなどが異なる基本モデルを用意しているが、ここでは最上位のCore 2 Duo E8500搭載モデルを評価機に用いた。

45ナノメートルプロセスルールを採用した最新の人気CPUを搭載

ドスパラ「Prime Galleria HG」

 本製品の最大の特徴は、インテルから発売されたばかりの最新Core 2 Duo E8000シリーズの最上位モデル、Core 2 Duo E8500(動作クロック3.16GHz)を搭載していることだ。このCore 2 Duo E8000シリーズは、開発コード名「Wolfdale」の名で呼ばれていたもので、これまでのE6000シリーズ(開発コード名「Conroe」)からマイクロアーキテクチャのマイナーチェンジによって浮動小数点演算およびSSE系命令の実行性能が若干改善されているほか、新しい45ナノメートルプロセスルールで製造されているという大きな特徴を持つ。

 プロセスルールは、製造技術の世代をも表す。値は単に半導体の配線幅やゲート長を表すが、多くの場合は微細化とともに新素材や配線技術の改良なども一緒に行なわれていることが多く、インテルでも製造技術全般の世代を示す言葉としても使っている。同社の45ナノメートルプロセスルールでは、High-k(高誘電率)ゲート絶縁膜とメタルゲート電極を採用することで、リーク電流の大幅な低減に成功しているのが特徴だ。電力効率が上昇しており、消費電力を据え置いたまま、これまで以上の高クロック化の余裕ができた。もちろん、配線幅/ゲート長の縮小によって同一面積により多くのトランジスタを集積できるようになっており、キャッシュの大容量化なども容易に行える。

CPU-Z 1.43の情報表示画面(画面=左)。45ナノメートルの製造プロセスルール、Wolfdaleコア、6Mバイトの2次キャッシュ、SSE4.1のサポートなどが確認できる。右の画面はGPU-Zで、定格動作のGeForce 8800 GTを採用しているのが分かる

 さて、Core 2 Duo E8500が従来のCore 2 Duo最上位モデルであるE6850から進化した点としては、動作クロックが3.0GHzから3.16GHzに向上したほか、2次キャッシュがE6000シリーズの4Mバイトから6Mバイトに増えている。消費電力の目安となるTDPは65ワットのままだ。キャッシュ容量の増加とマイクロアーキテクチャのアップデートとあわせて「クロックの差よりも、さらに少し高速になった」程度の認識でいいだろう。

 SSE4.1を新たにサポートしており、SSE4.1に対応したアプリケーションでは大幅な性能向上も期待できるが、現状でその対応アプリケーションは少ないので、おまけ程度に考えておいたほうがよい。いずれにしても、Core 2 Duo E8500は現行最速のデュアルコアCPUであることには違いない。現状のゲームアプリケーションはクアッドコアCPUへの最適化が進んでおらず、クアッドコアCPUよりも高クロックのデュアルコアCPUのほうが性能、コストパフォーマンスの両面で有利だ。デュアルコアCPU最速のCore 2 Duo E8500は、ゲーム向けPCとしてはよい選択だろう。

評価機が備えていた3.16GHzで駆動するCore 2 Duo E8500の表(写真=左)と裏面(写真=中央)。インテル純正ではなくザワード製の冷却ファンを実装し、高負荷時は風切り音がやや耳に付いた(写真=右)。メモリはPC2-6400対応の1Gバイトが2枚でデュアルチャネル動作をしていた

 ただ、少し気になったのはCPUクーラーだ。ザワードの組み込み向け製品を採用しており、CPU温度に応じて回転速度が可変する(4ピンPWM)。アイドル時は風切り音がほとんど分からないくらいだが、システムに負荷をかけていくと風切り音が大きくなり、気になってくる。高負荷時の騒音は、最近のPCとしては大きめという印象を受ける。カスタマイズメニューには静音CPUクーラーの導入を含めた静音化対策を行ってくれる「静音パック」が用意されているので、予算が許す限り追加することをお勧めしたい。ちなみに、この静音パックには「とことん」と「まんぞく」という2つのコースから選べる。前者は静音CPUクーラー+静音ケースファン+HDDのノイズを低減するSMART DRIVEで+1万3800円、後者の「まんぞく」は静音CPUクーラーと静音ケースファンという構成で+6800円となる。

GPUも人気の高いGeForce 8800 GTを搭載

評価機はInnoVISION製のGeForce 8800 GT搭載カードを内蔵していた

 CPU以上にゲームアプリケーションの快適性を左右するグラフィックスカードは、512Mバイトのグラフィックスメモリを備えたNVIDIA GeForce 8800 GT搭載カード(評価機ではInnoVISION製だった)を採用している。GeForce 8800 GTは、NVIDIAのミドルハイに位置付けられるGPUだが、新しい65ナノメートルプロセスルールで製造されコストパフォーマンスが抜群だ。今最も人気のあるGPUといっても過言ではないだろう。Crysisのような超ヘビー級のタイトルの場合は高画質設定だと快適にプレイするというわけにはいかないが、それらを除けば大半の最新ゲームタイトルは快適といえるレベルでプレイできるだろう。

 ただ、評価機に搭載されていたInnoVISION製のグラフィックスカードは、冷却装置が1スロットと薄型なぶんだけ2スロットに比べて騒音が大きめで、3D系のベンチマークやゲームを実行してカードに負荷をかけるとそれなりに風切り音が発生するが、本機の場合はむしろCPUファンの風切り音の方が気になった。なお、カスタマイズメニューでは上位のGeForce 8800 GTS(512Mバイト)、GeForce 8800 GTXのほか、ATI Radeon HD 3870を搭載したグラフィックスカードも選べる。

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