E8500×8800 GTSの次世代ゲーミングPC──ツクモ「Aero Stream」45ナノ×G92が放つ魔力(1/2 ページ)

» 2008年02月26日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

 「eX.COMPUTER」は、秋葉原をはじめ全国にパーツショップを展開する九十九電機のオリジナルPCシリーズだ。液冷システムを採用したハイエンドモデル「GIGABYTE EAGLES」をはじめ、省スペースなミニPCから特定ゲームタイトルにフォーカスしたゲーマーズモデルといったものまで、さまざまなスタイルを取りそろえているが、ここでは最もスタンダードなタワー型シリーズ「Aero Stream」の最新モデル「B30J-6750E2/CP2」を紹介しよう。

45ナノプロセスルール採用の大人気CPUを搭載

スタンダードなメインストリームPC「Aero Stream」シリーズ

 Aero Streamシリーズの特徴は、品質を重視したオーソドックスな基本構成をベースにしつつ、最新CPUの採用などトレンドをいち早く反映していることだ。もちろん、店頭や同社の直販サイトで注文する際には、搭載パーツのカスタマイズも行える。

 ではスペックを順に見ていこう。まずCPUはインテルのCore 2 Duo E8500を採用する。E8000シリーズは、2008年1月に登場したばかりの45ナノメートルプロセスルールで製造される最新のデュアルコアCPUだ(開発コード名は「Wolfdale」)。従来のCore 2 Duo E6000シリーズに比べて2次キャッシュが1.5倍の6Mバイトに増加し、新命令のSSE4.1にも対応している。3.16GHzで動作するE8500は、現在発売されているCore 2 Duoのなかでは最上位のモデルで、デュアルコアCPUとしても最速になる。

 現行のインテルCPUでは、クアッドコアのCore 2 Quad Q6600(2.4GHz)とともに高い人気を集めているが、一部のクリエイティブ系アプリケーション以外はクアッドコアCPUへの最適化があまり進んでいないため、ゲームやビジネスアプリケーションでは動作クロックが低めのCore 2 Quadよりも高クロックのCore 2 Duoのほうがよいパフォーマンスを発揮する。特にターゲットを定めないスタンダードPC向けとしてならば、Core 2 Duoのほうが適していると言えるだろう。

 本機のCPUクーラーには、インテルのリテールボックスに付属する背の低いタイプが使われている。マザーボードのファンコントロール機能で制御されており、アイドル時は非常に静粛だ。ケースの冷却性能がしっかりしているためか、ベンチマークテストの最中でも風切り音が大幅に上昇するようなことはなかった。BTOオプションではザルマンのCNPS-8000Tが選べる。

3.16GHzで動作するCore 2 Duo E8500(写真=左)。評価機は背の低いインテル純正の冷却ファンを搭載していた。CPU-Z 1.44の情報表示画面(画面=右)。45ナノメートルの製造プロセスルール、開発コードネームの「Wolfdale」、6Mバイトの2次キャッシュ、SSE4.1、Intel 64のサポートなどが確認できる

ワンランク上のグラフィックスカードを搭載し高い性能を獲得

 CPU以外で注目したいのが、新世代のNVIDIA GeForce 8800 GTS(通称、GeForce 8800 GTS 512)を搭載したグラフィックスカードを備えている点だ。これは2007年末に発表されたばかりの65ナノメートルプロセスルールで製造される「G92」コアを採用した新リビジョンで、従来のGeForce 8800 GTS(G80コア)とはまったくの別物に進化している。650MHzのコアクロック、970MHzのメモリクロック、シェーダ数128といった主要なスペックは、今最も人気のあるGeForce 8800 GTよりもワンランク上で、ほとんどの最新ゲームタイトルを快適にプレイできる。GeForce 8800 GTでは定番すぎて物足りない、他人に少しでも差をつけたいといったユーザーには最適な選択肢だろう。

 また、H.264のデコード過程のすべてを肩代わりすることでHDムービー再生時のCPU負荷を減らす第2世代のPureVideo HDも内蔵している。冷却装置は2スロット分のスペースを占有するタイプで、大型のぶんだけ冷却能力には余裕がある。3DMarkなどのベンチマークテストの起動時などに一瞬回転数が上がることがあるものの、それ以外は重負荷時でもファンが高速回転し続けるようなことはなかった。

GeForce 8800 GTS 512を搭載したグラフィックスカードで、評価機はリードテック製を採用していた(写真=左)。GPU-Z 0.1.6の情報表示画面(画面=右)。65ナノメートルのプロセスルール、「G92」コア、コアクロック650MHz、メモリクロック972MHz、シェーダ数128などが確認できる

品質へのこだわりを感じさせるパーツ構成

Intel P35 Expressチップセットを備えたMSI P35Neo-F

 マザーボードはMSIのP35Neo-Fを採用している。Intel P35/ICH9チップセットを搭載したシンプルなマザーボードだ。サウスブリッジがICH9RでないためAHCIモードによるシリアルATAのNCQ機能が使えないなど、バリバリの自作ユーザーにとっては少々物足りないかもしれないが、OEMの採用実績も多く安心感の高い製品だ。

 評価機のメモリは、センチュリーマイクロ製のPC2-6400 DIMMを2Gバイト搭載。1Gバイトのモジュール2枚で構成され、容量と速度規格だけでなく、国内生産で品質に定評のあるメーカー名を明記している点にこだわりが感じられる。DVDスーパーマルチドライブも同様で、品質面で評価の高い国内メーカーであるプレクスターのPX-800Aが使われている。BTOでBlu-ray Discドライブなどは選べないが(DVD-ROMドライブへの変更は可)、ケースにあわせて黒/白ベゼルの選択、Serial ATA/Parallel ATA接続をチョイスできる点がユニークだ。

 HDDもシーゲイトの高速モデル「Barracuda 7200.11」を採用していた。評価機は容量500Gバイトのドライブだったが、BTOメニューでは320Gバイトや750Gバイト、1Tバイトに変更可能だ(いずれも7200rpm)。

 次のページでは、ケースの拡張性やメンテナンス性、ベンチマークテストの結果を見ていく。

メモリは品質に定評のあるセンチュリーマイクロ製のPC2-6400 DIMMモジュール2枚(1Gバイト×2)を搭載する(写真=左)。カスタマイズメニューでは4Gバイト(2Gバイト×2または1Gバイト×4)の構成も選択可能だ。光学ドライブはプレクスターのPX-800Aを備える(写真=中央)。評価機はParallel ATA接続のドライブだった。HDDのBarracuda 7200.11(ST3500320AS)は、公称サステインド転送速度105Mバイト/秒と非常に優秀なシーケンシャルアクセス性能を誇る(写真=右)

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