それではパフォーマンスを見ていこう。評価機は、CPUにCeleron 530、メモリ1Gバイト、80GバイトHDD、DVD-ROMドライブに、1280×800ドット表示のディスプレイを選択している。メモリ容量だけ見れば、Windows XPでもVistaでも快適に動作する、いかにもベーシックノートPCらしいスペックだ。今回はWindows XP Home Editionプリインストールモデルだが、NJ2050との比較の意味も込めて、Windows Vista Home Premiumをインストールし直した構成でのベンチマークテストも行っている。
結果を見ると、PCMark05はWindows XPで2000を超え、Windows Vistaでも1900台となった。オンボードグラフィックスのノートPCとしては悪くないスコアだし、これはPCMark05でも3D描画性能の評価が含まれているからであって、2D描画に関しては必要十分なパフォーマンスだ。一方、3D描画は3DMark06やFFベンチのスコアを見る限り、最近の3Dゲームに適したパフォーマンスではなく、この点に関してはあまり期待を持たないほうがよいだろう。
Windows Vistaのエクスペリエンス インデックスでは、最低のサブスコアが3.1となり、Aero Glassを快適に利用可能な指標となる3.0は超えている。NJ2050のレビューではグラフィックスの2.3が気になったが(ちなみにNJ2050をレビューした際のメモリのスコアは、512Mバイトメモリ+オンボードグラフィックスでの評価なので比較できない)、これが3.1となった点は大きい。これならばWindows Vistaを選択する場合にもAero Glassが利用できるエディションを安心して選択できるだろう。
また、実際にWinoows XPとVistaでブラウザやオフィススイートを使用してみたが、これといって処理を待たされる印象はなく、快適に利用できた。動画再生に関しても、SD解像度であれば(YouTubeやニコニコ動画のFLVも含めて)まったく問題はない。HD映像もWMV HDであればWindows XPでは1080pまで、Windows Vistaでは720pまでコマ落ちなく再生が可能だったし、Windows VistaではWMV HDを再生したままでのフリップ3Dもストレスなく動作した。BTOで最も低速なCPUでこれなのだから、日常的な利用においてストレスを感じるようなことはまずなさそうだ。
NJ2100は、低価格なエントリーモデルということもあり、さすがに機能面で特筆すべき部分は多くない。しかし、使い勝手の部分は洗練されているし、上位機種である「NJ3000」シリーズとも共通のシャシーは強度にも不安がなく、例えばディスプレイを開いたまま持ち上げた場合などでもたわみなどは一切感じなかった。この基本に忠実な作りのよさは、低価格ノートPCでも長く使いたい人には魅力だろう。
すでに冒頭でも触れたが、BTOによって自分好みのマシンを仕立てられる自由度の高さも健在だ。高解像度な1440×900ドットディスプレイを選択するとCPUの選択肢が狭まるといったこともなく、用途に応じたむだのない構成で購入できる点も低価格ノートだからこそ重要なポイントとも言える。
ノートPCの買い替えを機にWindows Vistaの導入を考慮している人はもちろんのこと、将来的なWindows Vistaの導入を踏まえながら、そろそろ期限の迫りつつあるWindows XP搭載ノートPCを探している人にとって、エプソンダイレクトのEndeavor NJ2100は魅力的な選択肢の1つだ。
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