さまざまな角度から6台の小型軽量モバイルノートPCを比較検証する本特集もいよいよ終盤戦だ。前回は、各モデルのパフォーマンスと、システムに負荷をかけた場合の発熱や騒音レベルについてチェックした。
今回はモバイルノートPCでとりわけ重視されるポイントの1つ、バッテリー駆動時間について掘り下げていく。バッテリー駆動が可能な時間が長ければ長いほど、外出先でバッテリー残量を気にせずにバリバリ使えるうえ、予備のバッテリーやACアダプタを本体とともに持ち歩かずに済むことが多くなるため、モバイルノートPCの携帯性がぐんと高まる。6台のモバイルノートPCを同条件で比較した場合、バッテリー駆動時間にどれくらいの差が出るのかに注目してほしい。
なお、LaVie J LJ750/LHとLet'snote LIGHT CF-W7は試作機での評価となるため、実際の製品と異なる可能性があることをお断りしておく。
バッテリー性能を検証する前に、まずはバッテリー駆動時間を左右する省電力機能について触れておきたい。各モデルともWindows Vista標準の電源管理機能として、用途に応じた複数の「電源プラン」を備えているうえ、メーカー独自の省電力機能も組み合わせている。ユーザーがカスタマイズした省電力設定を新しい電源プランとして登録することも可能だ。これらをうまく使いこなせば、状況によってパフォーマンスとバッテリー駆動時間のバランスを最適化できるだろう。
それでは以下に各モデルの省電力機能を写真とともに確認していこう。
いずれもメーカー独自の省電力機能を付加しているが、特に詳細な電源管理が可能なのは、VAIO type G VGN-G2KAN、VAIO type T VGN-TZ72B、Let'snote LIGHT CF-W7の3台だ。Windows Vistaが標準で用意している電源管理機能に加えて、カードスロットや有線LANなど各デバイスの電源管理ができ、画面のリフレッシュレートや表示色数までを省電力設定に組み込める。ただし、設定できる項目や電源関連のユーティリティが複数に分かれているので、操作は少々煩雑になりがちだ。
LaVie J LJ750/LHは特に細かい省電力設定ができるわけではないが、「DVD/ゲーム」「プレゼンテーション」「ワープロ」「音楽鑑賞」といった用途別の電源プランがプリセットされている点が親切だ。FMV-BIBLO LOOX R70Yはキーボード上部の省電力ボタンを押すだけで、省電力モードへ移行できるのが重宝する。
dynabook SS RX1/T7Eについては、メーカー独自の省電力機能をWindows Vista標準の電源管理設定ウィンドウ内に組み込んでいる。東芝はWindows XP世代のdynabook SSシリーズに詳細な設定が可能な省電力ユーティリティを搭載していたが、これが一覧性の悪いWindows Vista標準の電源管理設定に統合された点は賛否両論だろう。もっとも、統合化のおかげで操作は明快になったので、この辺りは好みの問題と言える。ショートカットキーで電力プランを切り替えられるのは便利だ。
次のページでは省電力設定の変更によって、消費電力がどのように変わるのかを検証する。
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