第7回 小型軽量ノート6台のスタミナを競わせるモバイルノート08年春モデル徹底検証(2/3 ページ)

» 2008年03月14日 16時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

省電力設定によって消費電力はどう変わる?

 各モデルの消費電力は設定によってどのように変わるのか、フリーソフトの「YbInfo」でバッテリー駆動時におけるシステム全体の消費電力を計測してみた。

 計測したのは、アイドル状態で放置した場合、アイドル状態で無線LAN機能をオンにした場合、そこからDVD-Videoを再生した場合、DVD-Videoの再生をやめてWMVファイルのエンコードを実施した場合の全4段階だ。システムにかかる負荷を段階的に増やしていき、消費電力の推移を見ていく。計測時の室温は約25度だ。

 電源管理の設定については、消費電力が高くなる「高パフォーマンス」電源プランを採用し、液晶ディスプレイの輝度は最大にした状態と、消費電力が低くなる電源プランにメーカー独自の省電力機能を組み合わせつつ、液晶ディスプレイの輝度は140カンデラ/平方メートル程度に調整した状態の2パターンで検証を行った(輝度の実測値はこちら)。

 後者の計測では、液晶ディスプレイの輝度をもっと下げることで省電力化が図れるが、今回はできるだけテスト環境をそろえるために輝度も均一化している。実のところ、輝度は100カンデラ/平方メートル程度にそろえたかったのだが、製品によっては約70カンデラ/平方メートルの次が一気に約135カンデラ/平方メートルまで上がってしまうなど、輝度の調整幅とうまく合わなかったため、140カンデラ/平方メートル程度まで上げている。各モデルのテスト環境は、下表を参照してほしい。

各モデルのテスト環境
製品名 メーカー 消費電力が高い電源プラン 消費電力が低い電源プラン
LaVie J LJ750/LH NEC 高パフォーマンス、輝度最大 LaVie省電力、輝度-4
VAIO type G VGN-G2KAN ソニー 高パフォーマンス、輝度最大 VAIOスーパースタミナ設定、輝度-2
VAIO type T VGN-TZ72B
dynabook SS RX1/T7E 東芝 高パフォーマンス、輝度最大 省電力、輝度-2
Let'snote LIGHT CF-W7 パナソニック 高パフォーマンス、輝度最大 パナソニックの電源管理(高)、輝度-7
FMV-BIBLO LOOX R70Y 富士通 高パフォーマンス、輝度最大 省電力、輝度-3

 消費電力の計測結果は以下のグラフに示した通りだ。

バッテリー駆動時の消費電力(高パフォーマンス設定+輝度最大)
バッテリー駆動時の消費電力(省電力設定+輝度140カンデラ/平方メートル前後)

 計測結果を見ると、多くの場合で設定の変更による大幅な消費電力の低下が確認できた。高パフォーマンスの設定と比較して、消費電力を50%以上カットできるケースもあり、省電力機能の適用はバッテリー駆動時間の延長に大きく影響を与えるものと再認識させられた。

 突出して消費電力が低い機種はなかったが、強いて言えば、VAIO type G VGN-G2KANとVAIO type T VGN-TZ72Bは全体的に消費電力が抑えめだった。これは省電力設定のきめ細かさだけでなく、液晶パネルのサイズが比較的小さいことや、Intel 945GMS Expressチップセットと1.8インチHDDという消費電力の低いパーツを組み合わせた基本設計も有利に働いているに違いない。

 一方、dynabook SS RX1/T7Eは消費電力が比較的高い結果となった。アイドル時にもファンが回ることが多く、薄型軽量のボディで放熱処理に苦労している様子がうかがえる。6台の中で唯一、低電圧版Core 2 Duoを採用しているFMV-BIBLO LOOX R70Yは、小型パッケージのCPUとチップセットが省エネに貢献したのか、システム全体の消費電力が超低電圧版Core 2 Duo搭載の他機種に見劣りしていない。

 次のページでは、実際に各モデルのバッテリー駆動時間を計測する。

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