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» 2008年03月16日 11時33分 UPDATE

Vistaの普及は進むのか:Windows Vista SP1を検証してみた (1/3)

SP1適用済みのWindows Vistaが発売された。DSP版ではあるものの、自作派にとっては事実上の標準製品。Windows Vista SP1で何が変わるのか。その違いを実際の画面やベンチマークテストで紹介していく。

[瓜生聖,ITmedia]

Windows Vista SP1の位置付け

 3月15日から秋葉原の各PCショップで、「Windows Vista SP1 Σ」や「Windows Vista Ultimate SP1版」のキャンペーンが始まった。SP1によって何が変わるのだろうか(関連記事:アキバでVista SP1記念イベント――XP SP3との比較ベンチも)。

 Windows Vista Service Pack 1(以下、SP1)に関する情報はマイクロソフトのサイトから入手できる。SP1についてのドキュメントは複数提供されているが、ベースは英語であり、日本語の文書は基本的にはその翻訳だ。ただし、必ずしも英語文書と日本語文書が1対1に対応しているわけではなく、複数の英語文書をまとめて日本語に翻訳したものや、そもそも訳されていないものもある。また、日本語の文書には記述が抜けていたり、誤訳らしきものが含まれていることもあるので、情報収集の際には両方のチェックが必要だ。

 マイクロソフトによると、Windows Vista SP1は信頼性とパフォーマンスの強化、管理エクスペリエンスの強化、新しいハードウェアと標準のサポートの3つのカテゴリに分類される。また、

「顧客に重大な影響を与える既存の機能の強化や拡張を提供しますが、オペレーティング システムの新機能は提供しません。例えば、サービス パックによってデスクトップ シェルのパフォーマンスは向上しますが、検索機能の新しいユーザー インタフェースや Windows Media Center の新しいバージョンなどは提供されません(Windows Vista Service Pack 1 の概要)」

としており、基本的にはWindows Vistaの改善という位置付けということのようだ。ただし、何が機能強化で何が新機能かは微妙なところ。人によっては新しい標準のサポートを新機能ととらえるかもしれない。

 Windows Vista Service Pack 1(SP1)における主要な変更内容では、「Windows Vista SP1 には、Windows Vista に影響を及ぼす、これまでにリリースされたセキュリティ情報の修正プログラムがすべて含まれています。」と書かれているが、Overview of Windows Vista Service Pack 1には、「SP1リリース前2カ月分の更新は含まれていない」という記述がある。SP1適用済みのWindows Vistaを購入しても利用開始直後のWindows Updateは必要なようだ。

SP1の提供方法

 SP1は3つの方法で提供される。1つ目はWindows Updateだ。この提供方法は各環境に合わせて必要なファイルのみがダウンロードされるため、トータルファイルサイズが最も小さい(約65Mバイト)。

 2つ目はCDからインストールするスタンドアロン型。最小でも5言語分のファイルが入っているため、サイズは450Mバイト、36言語対応だと550Mバイトと、かなり大きなサイズになる。もっとも、いちいちダウンロードする必要がなく、1枚であらゆるエディションと言語に対応できるというメリットもある。

 3つ目はSP1適用済みのWindows VistaインストールDVDから新規インストールする方法。こちらは既存のVistaへの適用はできないが、VistaをインストールしてからSP1を適用するよりも時間の短縮ができる。


 それでは、Windows Vista SP1による主な変更点を見ていくことにしよう。ここでは、セキュリティの問題を解決するための修正や、特定環境でのエラーの対処などは省略し、一般ユーザーが体感可能なものに限って紹介する。詳細な情報については「Hotfixes and Security Updates included in Windows Vista Service Pack 1」などを参照してほしい。

検索機能の変更

og_sp1_001.jpg SEARCHプロトコルに対応しているのは現在のところエクスプローラのみ

 検索機能はSEARCHプロトコルに対応するプログラム、という形で提供されるようになった。これは2006年末にGoogleから米国司法省に提出された「Windows Vistaのデスクトップ検索機能はサードパーティ製の検索ソフトの参入を阻害している」という告発書を受けた変更で、検索用のプロトコル「SEARCH」を介することでデスクトップシェルと切り離し、サードパーティ製が参入しやすくしたものだ。SEARCHプロトコルに関してはここ(http://msdn2.microsoft.com/en-us/library/bb776808)に詳細が解説されている。

 そのほか、インデックス作成の一時停止、スタートメニューからの検索オプションの廃止など、プロトコル制定にともなうとみられる修正が行われている。

og_sp1_002.jpgog_sp1_003.jpg 左がSP1適用前、右が適用後。SEARCHプロトコルが追加されている

og_sp1_004.jpgog_sp1_005.jpg 左がSP1適用前、右が適用後。インデックスのオプションに一時停止が追加された。SEARCHプロトコルを用いて処理を分離した結果だと思われる

og_sp1_006.jpgog_sp1_007.jpg 左がSP1適用前、右が適用後。「検索結果をすべて表示」となっていたオプションが「すべての場所の検索」に変更された。また、右側のメニューから「検索」が消えている。

言語パックが使用不可能に

 VistaのWindows Updateでは多くの言語パックがオプションとして配布されている。だが、SP1適用後はこれらの言語パックは表示されなくなる。

 実はSP1は2回に分けてリリースされることになっている。最初の1回で日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の5言語に対応し、2008年後半に予定されている2回目でそのほかの31言語が利用可能になる。現時点のSP1はすべての言語に対応していないため、言語パックの提供は全言語対応のSP1が配布されるまで行われない。

og_sp1_008.jpgog_sp1_009.jpgog_sp1_010.jpg Vistaでは更新可能な項目として言語パックが表示されていたが(画面=左/中央)、今回のSP1を適用すると表示されなくなる(画面=右)

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