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» 2008年03月19日 00時00分 UPDATE

イマドキのイタモノ:NVIDIAはやっぱりダブルデッカー──GeForce 9800 GX2は1枚で2枚分おいしいのか (1/2)

NVIDIAのデュアルGPUといえば、GeForce 7900/7950 “GX2”の「2階建て」構造が印象的。NVIDIAのデュアルGPUは世代が変わっても伝統を重んじたようだ。

[長浜和也,ITmedia]

見た目はまさに「筆箱」な、GeForce 9800 GX2

kn_gf98gx2_05.jpg GeForce 7950 GX2以来のデュアルGPU構成となる「GeForce 9800 GX2」を搭載したXFXの「PV-T98U-ZHF9」を今回の評価作業で試用した

 GeFroce 9800 GX2は、1枚のグラフィックスカードに2つのGPUを搭載したデュアルGPU構成で、すでに登場しているAMD(ATI Technologies)のRadeon HD 3870 X2と仕掛けは同じとなる。Radeon HD 3870 X2のときにも紹介したが、このようなデュアルGPUカードはパーツベンダーが独自に開発したものも含めて、これまで少なからず登場しているが、いずれも成功を収めたとはいいがたい。

 Radeon HD 3870 X2は、デュアルGPUカードとしては、単体GPUとほぼ同じ実売価格が設定されていたため、CrossFireXが有効になるゲームタイトルを利用するユーザーには優れたコストパフォーマンスを示してくれたが、GeForce 9800 GX2はどうだろうか。

 GeForce 9800 GX2は65ナノメートルプロセスルールを採用している。構成トランジスタ数は15億80万個とNVIDIAが示した資料にはあるが、これは2つのGPUをあわせた数だから、GPU単体で見ると7億540万個になる。プロセスルールからするとGeForce 8800 GTS 512Mと同じでG92世代のGPUにほぼ相当するものと思われる(記事掲載時、構成トランジスタ数を間違えて記述していました。お詫びして訂正いたします)。以下、NVIDIAのデータシートに掲げられているスペックを挙げると、実装するシェーダユニットの数は256個、グラフィックスメモリの容量は1024Mバイト。これらも、2つあるGPUの合計なので、GPU単体としてはそれぞれ128個、512Mバイトとなる。

 そのほか、パフォーマンスに影響するスペックとしては、コアクロックが600MHz、メモリクロックが1000MHz(DDRのデータ転送レートで2000MHz相当)、シェーダクロックが1500MHz。グラフィックスメモリのバス幅は256ビットになる。

 NVIDIAの資料にある、GeForce 9800 GX2のリファレンスデザインには、外部電源のコネクタとして8ピン+6ピンが用意されている。グラフィックスカードの最大消費電力は197ワットとされているが、リファレンスデザインで搭載されているクーラーユニットは基板全体を覆う巨大な「ボックス」形状になっていて、カード長が同じGeForce 8800 GTXやRadeon HD 3870 X2より、さらにいっそう、大きく見えてしまうのは否めない。

kn_gf98gx2_06.jpg 出力インタフェースには、GeForceのリファレンスデザインとして初めてHDMIを搭載した
kn_gf98gx2_07.jpg 外部電源でも8ピン+6ピンの組み合わせが初めて採用された

kn_gf98gx2_08.jpg NVIDIA SLIコネクタは取り外し式のカバーで隠されている。コネクタの数は1つで2枚差しのNVIDIA SLIに対応する。2枚のGeForce 9800 GX2でQuad SLIを構成できるが、そのパフォーマンスと詳細は後日改めて紹介したい
kn_gf98gx2_09.jpg 上からRadeon HD 3870 X2、GeForce 9800 GX2、GeForce 8800 GTX。GeForce 8800 GTXとほぼ同じカード長だが、全面を箱状のフードで覆ったGeForce 9800 GX2はどうしても大柄に見えてしまう

1枚のカードとしてみるか。2つのGPUとして考えるか。

 表だけでなく裏もフードで全体が囲われたリファレンスデザインは2スロットを占有する厚さがある。その内部は、厚手のクーラーユニットを表と裏から2枚のグラフィックスカードではさみ、その両側をフードパネルで覆った構造になってる。複雑さからいえば、1枚の基板に2つのGPUを載せたRadeon HD 3870 X2以上だが、基板レイアウトの自由度から言えばGeForce 9800 GX2のほうが無理のないデザインである可能性は高い。

 NVIDIA SLIのコネクタは、カバーで覆われていて通常の状態では隠されている。このカバーは、ヒンジなどで本体(クーラーユニットのフード)と連結していない取り外し式なので、NVIDIA SLI構成にしたとき、どこかになくしてしまう可能性は高い(ただ、なくなってもそれほど困るものではないようにも思える)。

 GeForce 9800 GX2は、GeForce 8800 GTS 512M相当のGPUを2つ搭載し、NVIDIA SLIを構築した状態で1枚のグラフィックスカードを構成している。見た目は1枚のグラフィックスカード(にしては大きすぎるが)だが、実売価格は8万円から9万円とハイエンドGPUを2つ載せているだけの設定になる見込みだ。

 その価格に見合ったパフォーマンスを発揮して、高い買い物をしたユーザーを満足させることはできるのだろうか。そのあたりをベンチマークテストの結果から占ってみたい。NVIDIAとしては、GeForce 9800 GX2と一緒に発表した最新の「GeForce 790i SLI」シリーズとともに、現時点で発揮しうる最高のパフォーマンスを紹介して欲しいところかもしれないが、ここでは、過去のレビュー記事で測定したデータを比較ができるように、評価用システムをこれまでと同じ「nForce 680i SLI」をベースにした構成でそろえている。

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