自分にピッタリなワイド液晶ディスプレイはこうして選ぼう!EIZOワイド液晶ディスプレイ '08(1/2 ページ)

液晶ディスプレイのワイド化が鮮明になり、ナナオ製ワイド液晶ディスプレイのラインアップも出そろった。そこで、現在のラインアップを整理するとともに、ワイド液晶ディスプレイを選ぶときのチェックポイントを簡単に解説しよう。

» 2008年03月25日 10時00分 公開
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ナナオのワイド液晶ディスプレイラインアップを整理する

 ナナオのワイド液晶ディスプレイは、大きく5つのシリーズに分けられる。各シリーズの概要と主な用途下の表にまとめたので、ご覧いただきたい。

ColorEdge/FlexScanシリーズの概要

シリーズ名概要
ColorEdgeカラーマネジメントと厳密な色再現性を求めるユーザー向け――ハードウェアキャリブレーション機能を搭載し、キャリブレータ(測色器)と組み合わせて使うことで正確な色を再現できるカラーマネジメントモデル
FlexScan HDPCもAVも両方楽しむフルHDディスプレイ――「デスクトップ・ハイビジョン」という新コンセプトを提案し、AV入力を備えたハイクラスのモデル
FlexScan SX高色域、色再現性の高いモデル――内部多階調ガンマ補正やデジタルユニフォミティ補正回路など、ColorEdgeシリーズに迫る高画質化機能を備えた画質重視の高解像度モデル
FlexScan S2x31動画も縦表示も高画質モデル――高品位なVA系の液晶パネルとオーバードライブ回路を搭載した、ワイド液晶ディスプレイのスタンダードモデル
FlexScan S2x01ワイド大画面の便利さを低コストで――TN系の液晶パネルを採用し、ワイド液晶ディスプレイを低コストで導入できるエントリーモデル

ColorEdge/FlexScanシリーズの主な活用例

シリーズ名AV表示PC表示
AV機器、家庭用ゲーム機PCゲーム、映画デジカメ出版、印刷(カラーマッチング)グラフィックスCADオフィス
ColorEdge×
FlexScan HD
FlexScan SX×
FlexScan S2x31×
FlexScan S2x01×

 5つのシリーズのうち、ColorEdgeシリーズはターゲット層を明確にしている。ハードウェアキャリブレーション機能を搭載し、別売のキャリブレータ(測色器)と組み合わせて使うことで、高精度なカラーマネジメント環境の構築が可能だ。つまり、フォトレタッチや映像編集、カラー印刷といった業務用途で、正確な色再現性を求めるユーザー向けのシリーズである。今回の記事はより一般的なユーザーを想定しているので、ColorEdgeシリーズは軽く触れるにとどめておく。

 一般的なユーザー向けのワイド液晶ディスプレイはFlexScanシリーズだ。型番の詳細は上記の表を参照してもらうとして、FlexScanに属する4シリーズとも特徴が比較的はっきりしているので、欲しい製品を見つけやすいだろう。

 以降、ワイド液晶ディスプレイを選ぶうえで事前にチェックしておきたいポイントをまとめたあと、ラインアップの整理へと進めていく。各モデルについては別ページで概要と主要スペックを紹介しているが、詳細な内容はレビュー記事で確認してほしい。各モデルの「MORE INFORMATION」欄に該当記事へのリンクを用意した。

 また、いささか古い記事になるが、過去に掲載した「ITmedia流液晶ディスプレイ講座」も参考にしてほしい。


画面サイズ/解像度

 2008年2月現在、FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイは、画面サイズは大きく4通り、解像度は3通りに分類できる。画面サイズは、20〜22インチクラス、24.1インチ、27インチ、29.8インチの4通り、解像度は1680×1050ドット(WSXGA+)、1920×1200ドット(WUXGA)、2560×1600ドット(WQXGA)の3通りだ。画面サイズが20〜22インチクラスの製品は解像度が1680×1050ドットで、24.1インチと27インチが1920×1200ドット、29.8インチが2560×1600ドットとなる。

1280×1024ドット(SXGA)、1680×1050ドット(WSXGA+)、1920×1200ドット(WUXGA)、2560×1600ドット(WQXGA)の画面サイズの比較

 製品選びでは、やはり解像度が大きなポイントだろう。2560×1600ドットは別格として、予算や設置スペースの問題もあるだろうが、できるなら1920×1200ドットのモデルを選びたい。1680×1050ドットよりも広いデスクトップが使いやすいのはもちろん、映像のフルHD解像度といわれる1920×1080ドットをドットバイドットで表示できるからだ。

 ちなみにFlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイは、全モデルがフルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、ドットバイドットの3通りのスケーリング機能を備えている。液晶パネルの実解像度よりも低い画面解像度を設定した場合でも、用途に合わせてスケーリングを切り替えられるので安心だ。

 オフィスアプリケーションやインターネット用途がメインなら、1680×1050ドットでも十分に快適だ。1920×1200ドットの製品と比べて、設置スペースや価格でメリットがある。フルHD解像度の映像はドットを間引いて表示されるが、不満を感じることは少ないはずだ。

 なお、画面サイズと解像度に加えて、ドットピッチにも注目しておくとよいだろう。ドットピッチとは、液晶パネルの物理的な1ドットの大きさだ。解像度が同じとすると、画面サイズが大きいほうがドットピッチも大きくなり、細かい文字やアイコン等の視認性が高くなる。17インチSXGA(1280×1024ドット)と19インチSXGAの画面表示を思い浮かべれば、イメージしやすいだろう。

液晶パネルの駆動方式とオーバードライブ回路

 FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイは、VA系かTN系の液晶パネルを採用している。画質的に優れているのはVA系で、TN系と比べて視野角による色の変化が少なく、コントラスト比が高い点が特徴だ。

 オーバードライブ回路は、中間階調の応答速度を高速化する機能だ。応答速度が速い(応答速度の数字が小さい)と、動画やゲームといった動きの激しい画面を表示したときに、輪郭や背景のブレ(残像感)が減って見やすくなる。

 VA系/TN系の液晶パネルは、画面が「黒→白→黒」(白→黒→白)と変化するときの応答速度は高いが、中間階調の応答速度が低い。そこで、オーバードライブ回路を用いて中間階調の応答速度を高速化するわけである。

 オーバードライブ回路があると動画やゲーム画面の表示品質が飛躍的にアップするので、個人用途ならオーバードライブ回路を搭載したモデルを選んでほしい。業務分野でもCGやCAD、映像編集などの用途では、オーバードライブ回路搭載モデルを選ぼう。ちなみにFlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイでは、VA系の液晶パネルを採用したモデルはすべてオーバードライブ回路を搭載、TN系のモデルは非搭載となる。

 液晶パネルの駆動方式、およびオーバードライブ回路の詳細は、「ITmedia流液晶ディスプレイ講座:第3回」と「ITmedia流液晶ディスプレイ講座:第4回」を参照してほしい。

輝度/コントラスト比

 輝度とコントラスト比は「ITmedia流液晶ディスプレイ講座:第2回」が詳しいが、両者とも基本的には高いほうがよい。ただ、画像や動画の鑑賞/編集、ゲームといった用途でなければ、液晶ディスプレイの最大輝度で使用するケースは少ない。逆に、オフィスアプリケーションやインターネット用途では、輝度をかなり低く設定することになるだろう。輝度を下げた方が、目が疲れにくくなるからである。純粋な個人用途なら、スペック上の最大輝度は250〜300カンデラ/平方メートルもあれば十分だ。

 ちなみに、EIZOの液晶ディスプレイは輝度の調整レンジが広く、輝度を下げても階調性を含めた画質が安定している。また、周囲の明るさに合わせて最適な輝度に自動調整する「BrightRegulator機能」を搭載しているのも特徴だ。

 コントラスト比が高いと、画面のメリハリが強調される。ただし個人的な好みが大きい部分でもあり、画面のコントラストは控え目のほうがいいという人も多い。輝度と同じく、用途に応じて設定を変更するのがベターだ。

 「FlexScan HD2451W/HD2441W」の2モデルは、コントラスト比を3000:1相当まで高める拡張機能を持っている。動画やゲーム画面で有効な機能で、画面の要素を時間軸の方向でリアルタイムに解析し、トータルとして3000:1相当のコントラスト比を実現する仕組みだ(液晶パネル自体のコントラスト比が高まるわけではない)。

入力インタフェース

「FlexScan HD2451W」の入力インタフェース。AV系ではHDMI×2、D4×1、コンポジット/Sビデオ×1、PC系ではDVI-D×1系統+D-Sub15ピン×1系統を備えている

 入力インタフェースでは、AV入力の有無をチェックしよう。ユーザーによって必要性が分かれると思うが、FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイでAV入力を搭載するのは、「FlexScan HD2451W/HD2441W」の2モデルとなる。FlexScan HD2451Wは、HDMI×2、D4×1、コンポジット/Sビデオ×1というAV入力を持つ。FlexScan HD2441WはHDMI×2のみで、D4端子とコンポジット/Sビデオ端子は持たない。

 PC入力は、デジタル接続のDVI-D端子、アナログ接続のD-Sub 15ピン端子、デジタル/アナログ両対応のDVI-I端子という3種類がある。DVI-I端子の場合、PC側の出力端子と使用するケーブルによってデジタル/アナログ接続が変わる。ワイド液晶ディスプレイは解像度が高いため、DVI-DやDVI-Iでデジタル接続したほうが画質的に有利だ。アナログ接続でも大きな不都合はないが、フォントやアイコンの輪郭が微妙にぼやける場合がある。ちなみに、「FlexScan SX3031W-H」の2560×1600ドットを表示するには、デュアルリンクDVI対応のグラフィックスカードが必須となる点を覚えておきたい。

 FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイは、すべてのモデルが2系統のPC入力を備えている。インタフェースの組み合わせとして、DVI-I×2系統、DVI-D×2系統、DVI-IまたはDVI-D×1系統+D-Sub15ピン×1系統に分かれるので、この点は確認しておきたい。

 また、FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイにおいて、DVI-D端子、およびDVI-I端子でデジタル接続した場合は、著作権保護技術のHDCPが機能する(「FlexScan SX3031W-H」は2系統のDVI-Dのうち1系統は非対応)。PCでBlu-ray Discなどの映像タイトルを鑑賞したいときは、液晶ディスプレイ側のHDCP対応が必須だ(PC側のOS、グラフィックスカード、ディスプレイドライバ、再生ソフトの対応も必要)。Blu-ray Discに限らず、今後はHDCP対応を要求するDRMがかかった映像コンテンツが増えていくと思われるので、旧型の液晶ディスプレイから買い替えるにも現在は最適なタイミングだろう。

スタンド機能

 FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイは、モデルによって3種類のスタンドがある。「ArcSwing 2」「ハイトアジャスタブルスタンド」「EZ-UPスタンド」という3種類だ。いずれも、高さ調節、チルト、スイベルを備えているので(稼働範囲は異なる)、使いやすいスタンドと言えるだろう。スタンドの背面にはケーブルホルダーを備えているため、電源やPC入力、USBなどのケーブル類をスマートに収束できる。

 さらに、ハイトアジャスタブルスタンドとEZ-UPスタンドは、画面の縦回転機構も持っている。画像やWebページの閲覧、縦長の書類を作成/編集といったシーンには、縦回転機構があると何かと重宝する。

高画質化機能

 FlexScanシリーズのワイド液晶ディスプレイには、いくつかの高画質化機能が投入されている。すべてのモデルが搭載するのは、内部多階調ガンマ補正だ。PCからのRGB各色8ビットの信号を液晶ディスプレイの内部で10ビット以上に多階調化し、再び8ビットにマッピングして出力する。これによりガンマカーブが整い、シャドウからハイライトまで階調の表現能力が大幅に向上する。モデルによって演算精度のビット数に違いがあり、「FlexScan SX」シリーズなどは16ビットといった高い精度で内部演算処理を行う。やや語弊はあるが、演算精度のビット数が大きいと、シャドウ側の階調表現能力が高いと思ってよい。

 もう1つ覚えておきたいのは、画面全体の輝度ムラや色度ムラを低減する「デジタルユニフォミティ補正回路」だ。この回路は、ColorEdgeシリーズとFlexScan SXシリーズが搭載している。ワイド液晶ディスプレイは画面サイズが大きいため、画面の中央と四隅などでどうしても輝度ムラや色度ムラが発生しやすいのだが、デジタルユニフォミティ補正回路によってほぼ均一な輝度・色度レベルで使用できる。

 デジカメユーザーやデザイナー、映像編集者は、正確な色を再現するためのこれらの高画質化機能を重視してほしい。

画面全域の表示ムラのイメージ。「デジタルユニフォミティ補正回路」を搭載した場合(写真=左)と非搭載の場合(写真=右)
※上の2枚の写真は表示ムラを強調するために同一のレベル補正を行っており、実際にはこれほどムラが目立つことはない

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提供:株式会社ナナオ
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日