Phenom X3が発売された4月26日、AMDはカフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店にて「X3登場 ! ゴールデンウィーク"nagara" スペシャルイベント」を開催した。その主役はPhenom X3。新CPUのハイパフォーマンスを伝えるセッションを多数用意したほか、もう1つの目玉として、各社からまもなく登場する地デジチューナーカードの展示やセッションも組まれた。
AMDイベントはなぜか悪天候に見舞われることが多く、この日も小雨が振る曇天に。しかし、会場にはPhenom X3や地デジチューナーカードに関心を寄せるユーザーが多数つめかけた。
発売当日のPhenom X3は、複数のショップで「いまいち盛り上がっていません……」という状況。ある店員さんは「ハイスペックをめざすならクアッドコアにいくでしょう。数1000円しか安くないトリプルコアのPhenom X3を買うメリットが浮かばない」と手厳しいコメントを残していた。そういった販売側のニーズもあってか、当イベントではトリプルコアCPUのメリットを伝えるデモを多数そろえていた。
イベントの最後に行われた“兄貴”こと土居憲太郎氏と、“紳士”こと森本竜英氏、そして司会の佐藤氏による“3メガネ”のセッションでは、新しいPhenomシリーズを使った“ながら”デモを3連発で披露。
最初に行ったのは、4月29日11時に発売を予定している、日本限定の省電力版クアッドコア「Phenom X4 9100e」の電力チェック。マルチコアに対応する市川ラボラトリーの「SILKYPIX」でRAW現像し“ながら”HD映像を再生するというデモで、Phenom X4 9100eとAMD 780Gチップセットの省電力性能により、アイドル時65ワットからピーク時88ワットという非常に低い値を示した。
土居氏は「AMD 780とPhenom X4 9100eの組み合わせは、非常にエコであることがおわかりいただけたと思います」と満足げに語る。
以降の2つはPhenom X3を使ったデモ。まずは「フルHD映像を再生し“ながら”、Nero recode EssenrialsでフルHD映像をiPod用に変換し“ながら”、iTunesで5曲のwavデータをMP3に変換する」という、3つのヘビーな処理を同時に行い、Phenom X3 8450マシンとAthlon X2 4400+マシンで性能差を見比べた。明確な数値は出ないものの、明らかにPhenom X3 8450マシンのほうが快適に動作し、それぞれの処理を滞りなく進めた。なお、複数処理を行う際に、タスクマネージャで処理を行うコアをアプリケーションごとに振り分けるテクニックも披露している。
最後は「大画面TVで地デジを楽しみ“ながら”、PCモニタでWindows Vista」を使った。PC側でRAW現像とMP3変換を行い、地デジチューナーで受信したフルHD映像を併設した大画面TVで鑑賞する。ここでもコアの振り分けを行い、地デジ再生側に専用の1コアをあてがい、残りを2つのコアで処理する設定に。重い処理がPC上で行われるかたわら、地デジ映像は乱れることなく、なめらかに映し出されていた。
土居氏は「3コアをそのまま振り分けても快適に動きますが、重い処理を行った瞬間に地デジ映像がコマ落ちすることがありました。これから追加する地デジチューナー用に1コア使って、あとは従来どおりのデュアルコアで処理するという使い方だと、バックグラウンドで録画する場合も安心できるわけです」と、トリプルコアCPUの便利な使い方をアピールした。
なお、コアの振り分けはタスクマネージャ上では、毎回手動で設定する必要があるが、「Process Lasso」というフリーソフトで自動化することもできるという。「英語版ですが、日本語化パッチもあるようなので、誰でも使いこなせると思います」(土居氏)。
デモの合間にAthlon X2とPhenom X3/X4の“nagara”パフォーマンス比較として、「動画エンコードし“ながら”HD動画を再生中に、MP3エンコードを行った」際の処理速度グラフも公開。ここではやはりクアッドコアのPhenom X4が最高の処理性能を示していた。
そのほか、オンボードのグラフィックスメモリを活用するAMD 780Gの「LFB」機能について、「ノートPCの省電力機能として開発しましたが、3D Mark 05で20%ほどスコアがアップするなど、予想以上の効果があったのでデスクトップPC用にも組み込みました」と、開発の経緯が竜英氏から語られ、土居氏から「AMD HD! Experiance」のロゴが発表されるなど、小ネタも散りばめられていた。
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