3Dゲームからモバイルまでこなせるスリムノート――エプソンダイレクト「Endeavor NA801」妥協なきモバイルへ前進(3/3 ページ)

» 2008年05月14日 18時24分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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最新プラットフォーム+GeForce 8600M GTで一気に引き上げられた総合性能

最も低いサブスコアでもメモリの5.0。グラフィックスのデスクトップパフォーマンスが上限の5.9、ゲームが5.5と極めて高い

 それではベンチマークテストで性能を検証していこう。なお、評価機はメモリを2Gバイト(1Gバイト×2)、200Gバイト/7200rpmのHDD、Intel Turbo Memoryを搭載し、Windows Vista Home Premium SP1がプリインストールされた構成だ。Windowsエクスペリエンスインデックスはすべてのサブスコアが5を超えており、体感でもWindows Vistaの動作に関しては申し分ないパフォーマンスである。

 以前レビューしたNA702と比較すると、すべてのサブスコアが向上しているのはもちろんだが、やはりグラフィックスのスコアの向上が非常に大きい。PCMark05ではPCMarkがIntel Turbo Memoryをオフにした状態で5522、オンでは6012と6000を超えた。これは同社の現行ハイエンドノートPCであるNJ5100Proのレビュー時のスコアにほぼ匹敵する。

 一方、3DMark06では、3Dmarksのスコアで4447を記録。レビュー時のNA702が487だったことを考えると(CPUや画面解像度も異なるなど横並びでは比較できない部分もあるとはいえ)、3Dパフォーマンスに関して言えば比較にならないレベルで向上しているのは間違いない。少なくともメインPCとしての基本性能は格段に向上したと言える。

 ただ、パフォーマンスが向上していても、やはりA4スリムノートPCとしてはバッテリー動作時間が気になるところだろう。評価機は標準バッテリーを搭載しており、カタログスペックでは約4.2時間の動作が可能となっている。実際に動作モードを省電力にして(ディスプレイ輝度はほぼ50%)WMVの動画ファイルを再生させたところ、2時間20分ほどでバッテリー残量が5%に達した。これはHDDがずっと動作している状態なので、これよりもバッテリー動作時間が短くなるケースはまずないだろう。本機をどのようなスタイルで使うかはユーザー次第だが、持ち歩きも可能なメインPCといった位置付けであればバッテリー動作時間も及第点と言える。

 若干パフォーマンスとのトレードオフと感じたのは、発熱とファンノイズだ。ファンの動作音自体はベンチマーク実行中などでもそれほど大きくはないのだが、常時熱を帯びた空気を左側面から排気しており、数分程度放置した程度ではファンの回転数が落ちることはなかった。どうやら熱を帯びやすいのはボディ中央のキーボード部分で、気になりやすいパームレスト部分などはあまり熱を帯びなかったが、左側面はできるだけ空間を確保するといった注意は必要になりそうだ。

所有する喜びも大きい高性能スリムノートPC

 Endeavor NA801は、同社のA4スリムノートPCとしては小型、軽量化も進み、トレンドもしっかり押さえた製品となっている。パフォーマンス面の向上も大きく、モバイルにも対応できるメインPCとしての素養はさらに向上した。

 また、キズの自己修復を行う天板をはじめ、ボディの質感も確実に上がっており、全体の剛性感にも不安がない。デザイン面も含めて、旧モデルのNA702と比較すると所有した時の満足感は確実に上だろう。少なくとも個人ユーザーにとってこの点は重要なはずだ。

 その半面、NA702にあった独特の存在感は少し失われた感もある。モバイル向けにあえてA4スリムノートを選択する理由に、扱いやすいユーザーインタフェースや画面サイズとともに、高解像度ディスプレイの存在があるのは事実だろうし、NA702はそういった層が好んで選択していた製品でもあったはず。ワイドパネル化は世の流れとしても、個人的には1440×900ドットでノングレアタイプの液晶パネルが選択できればよかった。それならばNA702の購入層も一気に取り込めると思うので、是非検討してほしい。

 モバイルノートPCとしては、NA801の1.8〜1.9キロという重量は、おおむねぎりぎり許容できるどうかという範囲だと思うが、ユーザビリティに妥協しなくて済むという点では、やはりA4スリムノートには変えがたい魅力がある。そして今回のNA801では、従来欠けていた高い3D描画性能が加わった。3Dゲームも楽しめるメインPCとしての利用から、モバイルユースにいたるまで、極めて幅広い用途に対応するノートPCとして非常に魅力的な1台だ。

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