Bluetoothを全面採用した「MX5500 Revolution」を試す新搭載のLCDはどうか(4/4 ページ)

» 2008年05月30日 18時30分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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v2.0+EDRに対応したBluetoothレシーバ

 本製品に付属するBluetoothレシーバは、通常はMX5500/MX Revolution Bluetooth専用レシーバとして動作しているが、Bluetooth Hubモードに切り替えることで、v2.0+EDRに対応した汎用のBluetoothレシーバとしても利用できる。対応しているプロファイルはOBEX、SYNC、DUN、HCRP、SPP、PAN、FTPで、A2DPには対応していないようだ。なお、Bluetooth HubモードでもMX5500/MX Revolution Bluetoothは利用可能だが、突然切断されるなど動作はやや不安定だった。

Bluetooth Hubモードへの切り替えはBluetooth接続アシスタントから行う。「この手順では何もする必要があります」と意味不明な日本語が表示されるが、何もする必要はないようだ(画面=左)。Bluetooth Hubモードに切り替えた場合にはキーボード/マウスは再接続が必要(画面=右)

Bluetooth追加ウィザード。いったんBluetooth Hubモードに切り替われば、あとは通常のBluetoothレシーバと同様だ

SPP(シリアルポート)やPANプロファイルなどに対応している(画面=左/中央)。Bluetooth Hubモードはやや不安定だった。トラブルシューティングにもBluetooth Hubモードをオフにすることが推奨されている(画面=右)

フラッグシップマウスと“多機能っぽい”キーボード

 ロジクールのマウスは、一般向けからゲーム用まで、マイクロソフトとともに業界をリードしてきた実績がある。ユーザーによって好みはあるだろうが、とりあえずロジクールのマウスを買っておけば間違いないという安定感があり、PC初心者がステップアップする際には、こだわりの一品としてまずおすすめしたいブランドの1つだ。その中でもMX Revolutionは、傑作と言っても言い過ぎではないフラッグシップマウスである。

 一方、同社のキーボードはというと、悪くはないものの、キーボード本来の資質とは少し外れたところに価値を求めているような感が強い。つまり、打鍵感のよさで高い評価を得ているのではなく、高級感だとか多機能化といったところで商品価値を高める戦略のように見受けられる。

 今回のMX5500では、ダイナミックキーボードディスプレイの搭載がその差別化の1つだと思われるが、正直に言ってしまうと、これで商品価値が高まるかといえばやや疑問だ。LCDとはいえドットピッチは非常に荒く、日本語表記は無理矢理感が強い。また、バックライトが搭載されておらず、ディスプレイが傾斜しているため、ユーザーの姿勢によっては視認性に欠ける。真上に近いところから見るとディスプレイ全体が暗く見えるし、低い位置から見るとライティングにもよるが、カバー面の影がちょうど日付表示に重なってしまうのだ。

 そもそもキーボードは、上級者になればタッチタイピングが基本であり、PC画面上の情報とキーボード上の情報のどちらが目に入りやすいかは一目りょう然だ。そのため、時計やメールの着信通知といった機能は、物めずらしさ以外に有用性があるとは思えない。気温の表示に至っては、そのためだけに温度センサを内蔵したのかとやや理解に苦しむところだし、キーカウンタに関しても実用性は低い。まるでディスプレイを付けることだけが先に決まり、後から活用方法をなんとかひねりだした、というような印象だ。メディアファイルの情報表示に関しては、最小表示状態のプレーヤーで音楽を再生しているときなど、曲の情報をぱっと見るときに便利そうだが、日本語タイトルの曲では、たどたどしいスクロールですぐに把握することができないため、その利便性も半減してしまう。

 とはいえ、MX5500 Revolutionの実売価格は1万5000円程度だ。MX Revolutionが1万円、Bluetooth 2.0+EDR対応レシーバが2000〜3000円で販売されていることを考えると、MX5500の価格は2000〜3000円ということになる。セットで見ると割高に感じられるが、3000円のキーボードとして見れば決して悪い製品ではない。MX Revolution Bluetoothの“格”に釣り合うキーボードでないのは惜しまれるところだが、コストパフォーマンスは非常によいと言っていいだろう。

 MX5500 Revolutionの購入動機としては、現在Bluetooth版MX Revolutionを入手する唯一の手段であること、Bluetoothレシーバ1つでキーボードとマウスの両方をハンドルできること、Bluetooth搭載PCでの接続性に優れていることなどだろう。結局のところ、今の時点では、Bluetoothであることが最も大きな判断材料になりそうだ。

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