FMV-LIFEBOOKやTOUGHBOOKなどMIDの新作がズラリ――Centrino AtomショウケースCOMPUTEX TAIPEI 2008(1/2 ページ)

» 2008年06月08日 16時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

小さなMIDが大きなビジネスチャンスを生む

開発中のWiMAXとIEEE802.11n/a/g/b無線LANのコンボモジュールを右手に、Moorestownのサンプルボードを左手に持ったアナンド・チャンドラシーカー氏

 IntelはCOMPUTEX TAIPEI 2008の開催中、会場の近くでCentrino Atomの説明会を開催した。ここで取り上げられたAtomは、いわゆるNetbook/Nettop向けの「Diamondville」ではなく、MID(Mobile Internet Device)向けに小型化と省電力化をより押し進めた「Silverthorne」のほうだ。

 同説明会では、米Intel上席副社長兼ウルトラ・モビリティー事業部長のアナンド・チャンドラシーカー氏が登壇。「Small Devices Unleash BIG Opportunities」(小さなデバイスが大きなチャンスを解き放つ)をテーマに、Celeron Atom搭載MIDのパフォーマンスやユーザーメリット、メーカー各社との協力によるエコシステムの構築について、講演を行った。

 Centrino Atom自体は4月に発表ずみなので、同氏の講演もIDF上海日本での発表会と重複する内容が多かったが、今回はゲストとしてBenQのピーター・チェン氏(テクノロジープロダクトセンター ジェネラルマネージャー)と日立製作所の篠崎雅継氏(カーインフォメーションシステム事業部 副社長兼事業部長)が招かれ、それぞれのMIDのデモを行うなどの趣向を用意していた。

BenQが発売するMIDの「S6」のデモでは、ピーター・チェン氏が“Search Intel Go”とマイクに向かって話すと、音声認識機能によってGoogleで“Intel”を検索した結果が表示される様子や、本体を上下左右に傾けて画面をスクロールさせる様子がスクリーンに映し出された(写真=左、中央)。日立製作所の篠崎雅継氏は、同社の子会社であるクラリオンのMID「MiND」でカーナビゲーションを行う様子を紹介した(写真=右)

 またアナンド氏は、新しいパートナーシップとしてWind Riverと協業してオープンソースの車載デバイス向けプラットフォームを開発中であることや、P2Pを使った無料動画配信サービス「Joost」をはじめ、50以上のソフトウェアベンダーがAtomに最適化されたアプリケーションやサービスを開発していることを説明。さらには、SianoがMobile TV技術、Gemtek、Samsung、USIが3in1通信モジュール(無線LAN/Bluetooth/GPS)、Optionが3G技術を提供しているほか、NTTドコモやウィルコムを含む通信事業者のサポートも進んでいることを述べ、MIDは立ち上がったばかりだがエコシステムが成長していることを強調した。

いつでもどこでも“つながる”MIDを実現するために協業しているメーカーと各社の技術(写真=左)。Atomのサポートをうたうサービスプロバイダ(写真=中央)。MIDのエコシステムの概要(写真=右)

 講演の最後には、次世代Centrino Atomとして2009〜2010年に投入予定の「Moorestown」について言及。IDF北京での説明と同様、CPU、グラフィックス、メモリコントローラをシングルチップに統合したSoC(system on chip)設計により、現行のCentrino Atomと比較して10分の1以下のアイドル時消費電力を目指すことを改めてアピールした。

Moorestownはコイン大のSOC「Lincroft」とI/Oハブ「Langwell」を採用(写真=左)。冒頭でのアナンド氏の写真でも紹介した通り、Moorestownのサンプルボードはクレジットカードより小さいサイズになる(写真=中央)。Intelが開発しているWiMAXとIEEE802.11n/a/g/b無線LANのコンボモジュール「Intel WiMAX/WiFi Link 5050」も展示された(写真=右)

 次のページでは講演後のショウケースで展示されたCentrino Atom搭載MIDをまとめて紹介する。

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