富士通は6月12日、HDMIでTVに接続して利用するリビングPC「FMV-TEO」の新モデルを発表した。同社は4月にFMVシリーズの夏モデルをいっせいに発表したが、FMV-TEOは新製品が登場せず、春モデルが継続販売されていた。今回、ほかの夏モデルより遅れて追加投入された形だ。
製品ラインアップは春モデルと同じように2モデルからなる。発売日は6月28日の予定だ。価格はオープン、実売価格は上位の「TEO/A90D」が20万円前後、下位の「TEO/A70D」が15万円前後と予想される。プリインストールOSはいずれもWindows Vista Home Premium(SP1)で、オフィススイートは備えていない。
新モデルはボディのデザインを一新。カラーをシルバーからブラックに変更するとともに、ハーフミラー処理のクリアパネルを前面に装着し、その中央に情報通知用のイルミネーションLEDを配置するなどの工夫をしている。イルミネーションLEDは、TV録画中に赤色の光がスクロール、通常時に青色の光がグラデーションで表示されるといった光の色と動きのパターンで、PCの情報を通知する仕組みだ。通常時の光のパターンはユーザーが変更することもできる。
本体サイズは従来モデルとほとんど変わらず、フットを含む状態で340(幅)×357.5(奥行き)×75(高さ)ミリ、重量は約6.6キロだ。オプションには、本体を設置しつつキーボードもコンパクトに収納できる縦置き用スタンドが用意されている。
外装の変更とともに内部も一新された。従来モデルは、インテルのノートPC向けCore 2 DuoのT5500(1.66GHz/2次キャッシュ2Mバイト)にATI Radeon Xpress 1250チップセットを組み合わせた構成だったが、新たにAMDのノートPC向け新プラットフォーム“Puma”を採用している。
CPUこそ最新のTurion X2 Ultraではなく、Turion X2のRM-70(2.0GHz/2次キャッシュ1Mバイト)だが、チップセットにはDirect3D 10対応のGPUであるATI Radeon HD 3200が統合された最新のAMD M780Gを搭載。チップセットに内蔵された動画再生支援エンジンのUVD(Unified Video Decoder)により、CPUに負荷をかけずにMPEG-4 AVC/H.264の再生が可能だ。グラフィックスメモリは64Mバイトのローカルメモリを装備し、ATI HyperMemoryによってメインメモリと共用で最大256Mバイトを使用できる。
2つのモデルはHDD容量と光学ドライブのみが異なっており、上位のTEO/A90Dは750GバイトHDDと2層BD-R/REに1倍速、1層BD-R/REに2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを、下位のTEO/A70Dは500GバイトHDDとDVD±R DL書き込み対応のDVDスーパーマルチドライブを備えている。メインメモリはいずれも2Gバイト(PC2-5300/1Gバイト×2)で、最大4Gバイトまで拡張可能だ。
本体には地上/BS/110度CSデジタル放送に対応したデジタルTVチューナーを2基内蔵し、HDMIもしくはDVI-D(HDCP対応)でTVやPC向け液晶ディスプレイに映像を出力して利用する。シャープのファミリンク対応「AQUOS」シリーズやパナソニックのビエラリンク対応「VIERA」シリーズの対応機種と接続する場合は、独自ソフトの「TEO Utility」が初回起動時に自動的にTVを認識し、ドットバイドット表示に設定する機能を持つ。また、これらの対応TVと接続すると、TVのリモコンでFMV-TEOに取り込んだ映像や音楽のコンテンツを視聴できるようになる。
インタフェースは6基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、光デジタル音声出力(角形)などを搭載。カードスロットはSDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPROに対応する。通信機能は、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11g/bの無線LAN、FAXモデムを備えている。
コンパクトなキーボードと光学式マウスはいずれもワイヤレス仕様で、キーボードは10キーを省く代わりにタッチパッドを搭載しているため、マウスなしでも操作可能だ。また、リモコンも同梱され、十字キーでマウスカーソルの移動やクリックといった基本操作、専用ボタンで画面のズーム表示などが行える。
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