逆に第1世代から引き継ぐのは、本機の要となる「タッチ」だ。もちろん、第2世代のモデルではさまざまな強化が行われているが、指1本でスマートにPCを操作するという考え方に揺らぎはない。新モデルでは2本の指でのマルチタッチに対応したほか、手書きメモ(TouchSmart Notes)で書き込める領域が広がったり、写真、音楽再生、動画再生、カレンダー機能などもがらりと作り替えられたりと、ソフトウェアの改良も著しい。また、液晶ディスプレイの上部に内蔵されたWebカメラで撮影した動画を、ワンタッチでYouTubeにアップロードできる「TouchSmart Video」も新たにプリインストールされている。
展示機に触れた感想を述べれば、ともすれば従来機はチマチマと扱っていた印象のあるアプリケーションが、画面が大型化してインタフェースが改善されたことにより、気軽に扱えるようになったのが新鮮だった。まるで指揮棒(人さし指)でPCを指揮するように操作できるようになったと言ったら言い過ぎだろうか。加えて、操作のレスポンスが向上したのも見逃せないところだ。
これらの成果を、ウォーカー氏は「わたしの子供は、今までのHP製品は絶対にクールといわず、実機に興味も示さなかったが(苦笑)、第2世代のTouchSmart PCはかなりクールだといって実際に使っており、この点だけをとっても絶対の自信がある(笑)」と断言し、「現時点の市場の中で、PCを使う上で最もストレスが少ないモデルだと思っている」と自信を示した。
今後のTouchSmart PCの展開については、「コンシューマー市場だけでなく、B to Bや病院など専門的な市場やにもアプローチをする予定」とし、「2009年の春ぐらいには、さらなる機能を追加したモデルが登場するだろう」と早くも次期モデルについて語ったのが印象的だ。
なお、発表会場では新TouchSmart PCのテーマとしてジョーン・ジェット(Joan Jett)のカバー曲「Do You Wanna Touch Me?(Oh Yeah)」が爆音で流された。ゲイリー・グリッター(Gary Glitter)の原曲にある、ばかばかしさやわい雑さも捨てがたいところだが、まさに本機のためにあるテーマソングといえそうだ(ちなみに、テレビCMにはクラシック曲が採用されるとのこと……残念)。
洗練されたボディに生まれ変わり、タッチ技術も向上した第2世代TouchSmart PCだが、内蔵のTV機能はアナログ放送のみ対応で、地上デジタル放送対応モデルは仕込み中(HP関係者談)と第1世代を踏襲(初代モデルから約2カ月後に地上デジタル放送に対応)していたり、Blu-ray Discの読み出しや書き込みにも現時点では非対応と若干ちぐはぐな側面も見られる。画面サイズや解像度も意見が分かれるところではあるが、より高解像度で高機能化したモデルや、小型の液晶ディスプレイを採用したバリエーションモデルの登場にも期待が持てる。
世界各地で7月から発売される(当然、日本も含まれているようだ)とのことなので、ターゲット層の変化や新モデルのコンセプトが日本でどのように受け入れられるのか、今から興味深いところだ。
HP TouchSmart PCの主なスペック | ||
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モデル名 | IQ506 | IQ504 |
CPU | Core 2 Duo T5850(2.16GHz) | Core 2 Duo T5750(2.0GHz) |
メモリ | 4096MB(PC2-5300) | |
HDD | 500GB(7200rpm) | 320GB(7200rpm) |
液晶ディスプレイ | 22インチワイド光沢液晶 | |
解像度 | 1680×1050ドット | |
GPU | GeForce 9300M GS | チップセット内蔵(Intel X3100) |
グラフィックスメモリ | 256Mバイト | メインメモリと共有 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ(スロットイン) | |
TV機能 | ○ | − |
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | |
Bluetooth | Bluetooth 2.0+EDR | |
IEEE1394 | 4ピン×1 | |
OS | 64ビット版Windows Vista Home Premium(SP1) | |
価格(USドル) | 1449ドル | 1249ドル |
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