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» 2008年07月01日 17時15分 UPDATE

小さくてもA4が出せる:“脱”据え置き印刷機のススメ――最新A4モバイルプリンタ徹底比較(前編) (1/3)

「モバイルプリンタなんて無関係」と思う人は多いだろうが、最新モデルは仕事でも家庭でもメインプリンタとして使える実力を持つ。注目の2台を比べた。

[林利明(リアクション),ITmedia]

プリンタは小さいほうがいい、しかしA4は印刷したい……

tm_0806mopri01.jpg 複合機でもない、A4単機能プリンタでもない、小型フォトプリンタでもない、これらのプリンタの実力は?

 近年、個人向けインクジェットプリンタの主流は、完全に複合機へと移行している。シンプルな単機能プリンタのニーズも依然としてあるが、各メーカーの主力製品が複合機になった結果、個人向けの単機能プリンタは高性能なA3ノビ対応機と低価格路線のA4対応機に分かれ、A4対応機はラインアップが大幅に減っているのが実状だ。

 一方、複合機は多機能ゆえに設置面積が大きいため、ホームユースで複合機を避けている人も意外といるようだ。数年前に売れ筋だったA4単機能プリンタを購入したユーザーが買い替えを考えると、たいていは複合機に移行することになるのだが、「プリンタの設置スペースがこれ以上広がってしまうのは困る」といった声も聞く。とはいえ、A4単機能プリンタは選択肢が少なく、廉価モデルが中心なので、少々面白みに欠けるのではないだろうか。

 こうしたユーザーの間で、密かにコンパクトなプリンタが注目されている。「コンパクトなプリンタ」というと各社の小型フォトプリンタが思い浮かぶ。実際、小型フォトプリンタの出荷台数は伸びているが、汎用性はあまり高くない。標準的な小型フォトプリンタの最大用紙サイズは、2L判やはがき大なので、L判写真印刷やはがき印刷に用途が限られるのだ。実際の印刷シーンを考えると、趣味や仕事の資料、Webページなど、A4用紙に出力したい場合が多々あるため、やはり1台は最大用紙サイズがA4のプリンタを持っておきたい。

 そこで購入候補として浮上してくるのが、携帯利用を想定したA4対応のコンパクトなモバイルプリンタだ。製品数は少ないものの、設置面積を最小限に抑えつつ、A4までの印刷が可能な汎用性の高さも兼ね備えている。未使用時は本棚やデスクの引き出しなどに無理なくしまえる収納性の高さも見逃せない。

個人向けインクジェットプリンタの種類と主な機能
種類 複合機 A4単機能 小型フォト A4モバイル
プリント
スキャン
コピー
ダイレクトプリント 一部対応 一部対応
最大用紙サイズ A4 A4 L判/2L判/はがき大 A4
本体サイズ 大きめ まずまず 小さい 小さい
バッテリー駆動 一部対応 一部対応

ビジネスだけじゃないA4モバイルプリンタの利用価値

 さて、今回取り上げるキヤノンの「PIXUS iP100」(以下、iP100)と、日本ヒューレット・パッカードの「HP Officejet H470」(以下、H470)は、そんなA4対応のコンパクトなモバイルプリンタだ。A4プリンタとしては非常に小型で軽量なボディに加えて、オプションでバッテリー駆動に対応しているため、場所を選ばずに利用できる。

tm_0806mopri02.jpgtm_0806mopri03.jpg 左がキヤノンの「PIXUS iP100」で直販価格は2万7980円。右が日本HPの「HP Officejet H470」で直販価格は1万9950円

 これらはバッテリー駆動のニーズが高いビジネス用途がメインの製品だが、前述したように、できるだけ小型のA4プリンタを求める個人ユーザーにも最適だ。プリンタをあまり利用しないユーザーにとっては、普段は片付けておき、必要なときだけPCに接続するという使い方ができるのも大きなメリットだろう。もちろん、リビングなどの共用スペースに複合機を設置しているが、自室用に小型のA4対応セカンドプリンタが欲しいといった場合にも重宝する。

 A4対応の小型軽量モバイルプリンタはこれまでキヤノン製品くらいしか選択肢がなかったが、同社が5月14日にスペックを大幅に強化したiP100を発表すると、それに呼応するように日本HPが5月16日にH470を発表し、選択の幅が広がった。ここでは、iP100とH470のスペックや特徴を整理し、両者をさまざまな角度から比較していく。iP100とH470の両方に魅力を感じる人も少なくないと思うので、本記事が選択の一助となれば幸いだ。

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