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「ATOK」と「Just Right!3」で文章のクオリティを向上するプロの品質(3/3 ページ)

» 2008年07月04日 20時00分 公開
[松井幹彦,ITmedia]
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オプション辞書で文章の品質を向上する――記者ハンドブック辞書

「文章校正支援ツール」ボタンをクリックする手軽さで校正チェックが実行される

 Just Right!3をセットアップすると、「ATOKパレット」に「文書校正支援ツール」ボタンが追加される。ATOKで文字入力中にこのボタンをクリックすると、Just Right!3が起動して対応アプリケーションからテキストが抽出される。「アドイン設定ツール」で組み込んでおかなくても手軽に利用できるので便利だ(画面20)。

 最後に、Just Right!3の話題から離れて、ATOKを利用するときに便利なオプション辞書の話題をいくつか取り上げよう。

パッケージの「記者ハンドブック辞書」には、3つの辞書が含まれている。通常版の記者ハンドブック辞書と、表記ゆれ指摘の含まれていないもの、用字用語辞書のみという3種類から希望のものを選択してセットアップするようになっている

 まず、先ほど述べた、共同通信社記者ハンドブックのルールにそった情報をATOKから利用するための「共同通信社記者ハンドブック辞書第11版for ATOK」(以下、「記者ハンドブック辞書」と表記)を紹介しよう。ATOKのオプション辞書としてWindows版とMac版が提供されている。

 この記者ハンドブック辞書を組み込むことで、ひとりよがりの判断ではなく、報道関係者などのプロが指標としている基準に基づいた、簡潔で分かりやすい文章を作成できる。しかも、ATOKの辞書として組み込むのだから、文章の入力、変換作業の段階で、難解語の書き換え候補や、同音異義語の使い分け、略語の正式名称などについての適切な情報を得ることができるのだ(画面22〜画面24)。

情報はこのように表示される。[記]のマークがついているのが記者ハンドブック辞書の情報だ。ここでは同音異義語の使い分けを具体例とともに解説している。用字用語の説明や用例を、幅広く確認することができる(画面22)。このように変換中に《記:注意》と表示された場合には、 記者ハンドブック辞書のガイドラインにそった書き換え(ここでは仮名書きにすること)が必要な場合だ。提示された書き換え候補を活用すると読みやすい文書を作成できる(画面23)。そのほか、表記ゆれの可能性のある単語や、正式名称に置き換えたほうがよい略語、一般名称に置き換えた方がよい特定商品名なども指摘される

日本語の理解を深めるなら――広辞苑 第六版 for ATOK

 日本語の意味をきちんと知りたいというのなら、「広辞苑 第六版 for ATOK」がおすすめだ。権威ある標準的な辞書として誰もが認めているのが広辞苑。その最新版の「広辞苑 第六版」をATOKから利用することができる(画面25)。単語の意味や使い方を調べるだけでなく百科事典としての利用も可能だ(画面26)。

 一般の変換辞書と同列で組み込んで、変換キーで表示することができる。複数の辞書を接続しているときは、Endキーで辞書を切り替えて閲覧するようになる。

「ゴミ」の変換候補で「塵」を表示して、そこからEndキーで「広辞苑」に切り替えた様子。広辞苑ならではの解説を見ることができる(画面25)。広辞苑には図版、表組約2800点、画像約4500点、鳥の鳴き声84種、民謡47曲、クラシック音楽100曲など、豊富な図版や画像、音声データが収録されている。百科事典としての利用も可能だ(画面26)

ぴったりの表現を探す――角川類語新辞典 for ATOK

 角川類語新辞典は、現代日本語約4万9000語を意味別にまとめた類語辞典だ。その内容をATOKから連想変換辞書として利用することができる。分かりやすく読みやすい文章を書くだけではなく、視野を広げ、語いを広げ、説得力のあるドキュメントを作成することができるようになるだろう。

 連想変換は、ひとことでいえば、ATOKで文字入力中に、的確な表現を探すためのユーザー支援機能だ。角川類語辞典を組み込み、連鎖的に類語をたどることによって、表現の内容を広げたり、目的にぴったりの単語を探すことができる。例えば「塵」という文字から、連想変換辞書を表示してみよう。

ATOKに連想変換辞書として角川類語辞典を組み込む。セットアップするとCtrl+Tabキー(Mac版はcontrol+Aキー)で解説を表示することができるようになる(画面27)。「塵」と入力してCtrl+Tabで連想変換を行う。角川類語辞典の候補を次々と表示してみよう。新しい発想や広い視野で考え方を発展させることができるはずだ(画面28)

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