イベント中盤には、“紳士”こと森本竜英氏が壇上に立ち、RADEON HD 4800の優秀ぶりをアピールした。エントリーからハイエンドまで、あらゆる価格帯でライバルのGeForceを超える性能を持つことをベンチマーク結果で伝え、「従来のハイエンド先行型ではなく、ミドルクラスのGPUを先に開発することで、全体のコストパフォーマンスが高められたうえ、ローエンドやハイエンドの開発もすばやく行えるようになりました」と語る。
注目を集めたのは「GPGPU」のメリットを端的に示した「3000匹のカエル」シミュレーションデモだ。GPGPUとは、データ解析や認識処理といったグラフィックス処理以外の作業にもGPUを利用するもの。複雑な処理をCPUとGPUで手分けすることで、効率的に進めていけるという。
デモに使った3000匹のカエルはそれぞれが自由意志を持って行動するため、描画処理と同時に3000個のキャラクター制御をこなさなければならない。これをCPUにまかせると、ほとんどまともに動かないという。しかし、これらに複数並列処理が得意なRADEON HD 4800にまかせることで、非常になめらかな動作を実現してみせた。
また、RADEON HD 4800搭載のサーバーでリアルタイムレンダリングを施すことにより、非常に精密な3DCGが別の端末でも見られるという「1匹のサソリ」デモも、ユーザーを驚かせた。司会の佐藤氏は「これがCGと言っても信じられないくらいのリアルさです。こんなことができてしまうんですね」と成果を強調。
また、GPGPUの目下の利用法として、Cyberlink製のトランスコードソフト「Power Director」を使った、動画変換デモも披露した。動画変換をひんぱんに行う観客は「1時間の動画で5時間かかる」と語っていたが、デモでは2分の動画を41秒で処理し、その高速さを知らしめる結果に。なお、市販の「Power Director」に、近日同社からリリースされる無料パッチをあてて、マシンにRADEON HD 4800を搭載すれば、誰でもGPGPUが利用できるようになるという。
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