このところのPC USERは「EeePC」だ「Wind Notebook U100」だ「Aspier one」だ「HP 2133 Mini-note PC」だと、バリュークラスミニノートPCの記事がずらりと並んでいる。読者からの反応も上々で、その勢いは、先日インテルから発表された新世代ノートPCプラットフォームの「Centrino 2」を採用した、ソニーのVAIOやレノボのThinkPadと肩を並べるほどだ。2007年までなら、国内大手PCメーカーの新製品ノートPCが登場したら、その話題でほかのニュースがかすんでしまうほどのインパクトを持っていたのに、2008年は台湾製(おっと一部は米国メーカーだけど)のノートPCが日本のノートPC市場を席巻しているような状況だ。
これらのノートPCの使い勝手やパフォーマンスについては、こちらやこちらやこちら、そして、こちらとこちらとこちらとこちらと……、ええええええぃ、切りがないわっ。とにかく、多数紹介しているが、ノートPCユーザーの注目を集めている理由は、インテルの新世代バリューPC向けCPUであるAtom N2xxのパフォーマンスというよりは、いずれの製品も5万円を切るというコストパフォーマンスのバランスにあるといっていい。
2007年の「Eee PCショック!」以来、ノートPCを購入したいというユーザーの1つの指標となっているのがこの5万円以下という価格だ。しかし、現状でこのラインをクリアできるのは、台湾製のNetbookかHPのVIAモバイルプラットフォームノートPCしかない。これらの製品に共通しているのは「価格を抑えるとともに、性能も控えめ、そして、バッテリーの長時間駆動はあきらめ」というスペックバランスだ。
これまでに登場した5万円以下級ノートPCは、偶然にも1キロをちょっと超える程度の軽量ボディに収まっている。となると、当然携帯利用を重視するユーザーも注目することになるが、残念なことに、軽量を実現するためにどのモデルもバッテリーを3セルといった軽量パックを搭載しているため、バッテリー駆動時間もせいぜい2時間以下というレベルにとどまっている。
ええぃ、なまじっか軽量小型だから悔しいぜ。5万円以下で長時間バッテリー駆動ができるノートPCはないものか。と、歯をギリギリいわせているユーザーに紹介したいのが「Let'snote LIGHT R3」だ。ええっ、Let'snote LIGHT R7じゃないんですか? ほう、R3で間違いないと。だとしたら、最終モデルが2005年の寒い季節に登場した昔の製品ですよね。もう売っていないでしょう。という指摘は正しい。確かに新品として店頭で入手することはほぼ不可能に近い。ここで紹介するのは「中古の再生品」だ。
「中古の再生品」とくれば、有名なのがGENOだろう。PC USERでも「3万円でも買えるThinkPad X40」を紹介して、読者からどえらい反響があったが、そのGENOからLet'snote LIGHT R3が中古再生品として登場する。価格は4万6990円。ThinkPad X40のときもそうだったが、今回も“びっくり”させられるGENOの価格設定なのだ。
Let'snote LIGHT Rシリーズとして第3世代となるCF-R3は、それまでの“R2”から、バッテリーセルを4セルから6セルに増やし、バッテリー駆動時間がR2の約5時間から約9時間に増えている。携帯性能を画期的に向上させたモデルであったが、ここで注意しておきたいのが型番の“FC5AXS”だ。
中古品を購入する場合、そのスペックをもう一度確認しておくことは大事だ。移り変わりが激しいこの業界では、最新の製品なら覚えていても1年前のモデルとなるとそのスペックを詳しく覚えているのは難しい。例えば、オークションで「程度のいいLet'snote LIGHT R3です!」と出品されていたとして、そのスペックがすべて同じとは限らない。特にLet'snote LIGHTはYであってもWであってもTであってもRであっても、派生モデルが多数用意されているので、CF-R3という型番だけで安心はできないのだ。CF-R3という型番でも「軽量バッテリーモデル」が限定モデルとして出荷されていたりするので、落札した「程度のいいLet'snote LIGHT R3」のバッテリー駆動時間がいきなり半分ということもある(これは、長時間バッテリー駆動が特徴のLet'snote LIGHT Tシリーズでも顕著)。
では、Let'snote LIGHT R3として登場したモデルの1つで、今回GENOから4万6990円で登場する「CF-R3FC5AXS」はどういうスペックを持っていたのだろうか。
CF-R3には、コンシューマー向けに「CF-R3FW1AXR」(2004年5月登場)「CF-R3EW1AXR」(2004年10月)「CF-R3DW1AXR」(2005年2月)という3世代のモデルが2004年の夏モデルから2005年の春モデルにかけて登場している。R3の第1世代と第2世代のCPUは動作クロック1.1GHzのULV Pentium Mで搭載するメモリ容量は256Mバイト(最大768Mバイト)であったが、第3世代では、CPUが動作クロック1.2GHzのULV Pentium M 753にアップグレードしている。
この第3世代の「CFーR3“F”」にはビジネス向けの派生モデルが用意されていた。それが「CF-R3FW1AXS」「CF-R3FC1AXS」「CF-R3FC5AXS」の3モデルだ。いずれもCPUはULV Pentium M 753と同じだが、搭載するメモリ容量において、「CF-R3FW1AXS」「CF-R3FC1AXS」はコンシューマーモデルと同じ256Mバイトであるが、唯一、今回取り上げる「CF-R3FC5AXS」だけは、512Mバイト搭載していたのだ。これは、すべてオンボード搭載で用意されていてメモリスロットは空いている。そのため、ほかのCF-R3モデルが最大容量768Mバイトであるところ、CF-R3FC5AXSだけが、最大容量1Gバイトとなっている。
「2008年のいまとなっては、512Mバイトや1Gバイトのメモリでは足りないでしょう」という意見もあるだろが、GENOが販売する中古再生品のLet'snote LIGHT R3(これは、この製品に限ったことではないが)のOSには、Windows XP Professional(SP2)が導入されているので、とくに問題はない。かえって、入手が困難になってきたWindows XPノートPCとして貴重な存在ということもできる。
ただし、その代わりといっては何だが、CF-R3FC5AXSは、無線LANに対応しないモデルであることに注意しておかなければならない。本体だけでは、いまやノートPCの必須機能で標準で搭載しているのが当たり前と思われている無線LANが利用できないのだ。ただ、モノは考えようで、無線LANの規格はこれからもドンドン進化していく。少なくとも、IEEE 802.11nがもうじき標準となるだろうし、2009年からはWiMAXの試験運用も開始される見込みだ。ならば、最新規格に対応したPCカードモジュールをアドオンして使えば別に問題ないじゃないか。
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