“PCで地デジ編集”は2008年の冬に実現!?――Vistaイベントで地デジの明日を知る古田雄介のアキバPickUp!(1/2 ページ)

» 2008年07月22日 17時08分 公開
[古田雄介,ITmedia]
Windows Vista de Digital Life会場

 7月21日、Vistaマニア事務局主催イベント「Windows Vista de Digital Life」が、カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店で開催された。今回スポットを当てたのは自作PC用のデジタルチューナー。アイ・オー・データ機器とバッファロー、ピクセラの各担当者が壇上に立ち、名物ライターの高橋敏也氏が鋭い質問をぶつける形で、地上デジタルチューナーの現状と今後を明らかにしていった。

会場内の様子(写真=左)。高橋敏也氏(写真=中央)。高橋氏を司会に、セッションの最後に観客からの質問を受け付ける各担当者。右からピクセラの大寺一弘氏、バッファローの中村智仁氏、アイ・オー・データー機器の加藤光兼氏(写真=右)

現行製品のままで、冬には“PCらしい地デジ活用”を実現か

 最初に壇上に上がったのは、アイ・オー・データー機器の加藤氏。同社の地デジチューナー「GV-MVP」シリーズについて、今後のアップデート情報を説明した。まず、7月下旬までにダビング10とリモコン操作に対応し、8月下旬をめどにマルチチューナー構成とBDコピー/ムーブをサポートするという。

 加藤氏は「現在、機能面において家電に追いついていませんが、できるだけ早くキャッチアップしていきます。PCの魅力はわずかな予算でレコーダー機能を追加できること。そして、マルチチューナー構成などを好みに合わせて作れることです」と、自社製品の特徴を含めてアピールした。

 目玉となるマルチチューナー構成は、最大8チューナーの併用が可能になるという。視聴できるのは1チューナーのみで、同時録画数を増やす方向で改良される。

GV-MVPシリーズのアップデート予定(写真=左)。8チャンネル同時録画が可能なメディアサーバーマシンが構築できる(写真=中央)。アイ・オー・データ機器の展示ブース(写真=右)

 バッファローは、最初に同社独自のトランスコード機能を説明した。「ViXS社製のXcodeHD圧縮技術を使うことで、500GバイトHDDに最大550時間の地デジ番組を録画することができます。専用ハードウェアを搭載するため、“ちょい古”パソコンやAtomマシンを使うなど、幅広いスタイルが可能ですよ」(バッファロー・中村氏)とのこと。

 今後のアップデートについては、同社上位の「DT-H50」シリーズに関してホームネットワーク配信に対応していくという。また、CMカットなどの編集機能も今年冬をめどに全機種無料アップデートでサポートする予定だ。ダビング10についてはすでに7月8日に対応を済ませ、BDへのムーブもDT-H50シリーズが標準対応を果たしている。なお、AVC形式での録画については、今後リリース予定の最上位クラスで実現するという。

自社独自の強みとして、トランスコード専用チップの搭載を挙げる(写真=左)。バッファローの地デジ製品一覧。各モデルのアップデート情報を掲載している(写真=中央)。バッファローの展示ブース(写真=右)

 最後のピクセラは、自社独自の強みを詳しく解説していた。ダビング10の対応について「コピーとムーブともにBD-RE/Rに両対応しています。BD-Rは国内製が1枚500円以下で買えるようになっているので、経済的にもかなり助けになるでしょう」(ピクセラ・大寺氏)と語る。

 また、チューナーを修理に出した際、IDが変わることで既存の録画データが視聴できなくなる問題もクリア。「修理したあとにIDを元に戻す作業をすでに行っているので、安心してお使いください」と強調していた。

 また、PC用デジタルチューナーのネックとなっている“編集不可”の状態について、大寺氏はバッファローと同じく「早くて冬頃の対応」を明言した。「PCで地デジデータを編集する場合、カットしたそれぞれの動画に、新たな著作権保護をかけなければいけません。家電はそれが不要なのですぐに対応したわけですが、PCはコンテンツ操作の自由度が高いゆえにもうひと手間がかかるわけです。この作業を迅速に行う技術を開発するのに、早くても冬までかかります。これは、権利や政治的な問題ではなく技術的な問題なので、いずれは自由度の高い活用が実現するようになるでしょう」とのことだ。

ピクセラチューナーの特徴一覧(写真=左)。ピクセラの展示ブース(写真=中央)。ダビング10は、ダビング10アップデート後に録画したデータにのみ適用される。同社製品の場合、「ダビング10」「コピーワンス」などのアイコンが録画一覧で確認できる(写真=右)

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