16:9液晶×ダブル地デジ×BDドライブの美しき調和――「VAIO type F(FW)」を楽しみ尽くす1600×900表示で画面も広大(3/4 ページ)

» 2008年08月01日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

地デジは2番組同時録画、ダビング10によるBD-RE書き出しが可能

VGN-FW70DBは地デジチューナー2基と赤外線リモコン、ダビング10で録画番組を書き出せるBlu-ray Discドライブを装備

 最上位モデルとなるVGN-FW70DBは、黒くて円いVAIO「VGX-TP1DQ/B」と同様、ソニーオリジナルの地デジダブルチューナーユニットと録画・管理ソフトウェア「Giga Pocket Digital」を搭載しているのが目玉だ。

 このGiga Pocket Digitalは、2番組同時録画、裏番組録画、録画した番組の再生といった基本的な機能のほかに、ユニークな機能を豊富に備え、PCでも家電ライクに地デジを楽しんでいきたいユーザーには必見のソフトに仕上がっている。操作画面は、マウスやキーボード用の詳細表示UIに加えて、付属のリモコン用に10フィートUIも持つ。

 地デジの視聴や予約録画については、番組表から任意の番組をダブルクリックして選択し、「視聴」または「予約」ボタンをクリックするだけという直感的な操作で行える。視聴時は全画面表示、ウィンドウ表示に加え、サイドバー表示にして作業をしながらの「ながら見」にも対応している。ウィンドウ表示ではウィンドウのサイズを自由に変更することもできる。

左がウィンドウ表示、右がサイドバー表示の例

予約録画は、番組表から目的の番組をダブルクリックして設定すればよい(写真=左、中央)。スポーツ番組の延長などによる録画時間の自動追従や、繰り返し録画の設定も可能だ(写真=右)

 録画した番組の再生については、シーン別のサムネイルを自動生成して視聴画面の下に並べて、見たい部分を探しやすくする「フィルムロール」や、音声の変化量を分析して音声レベルの高い場面のみを検出し、指定した時間(5/10/20/30分に設定可能)で連続再生する「ダイジェスト再生」が行える。

フィルムロール再生では画面下にサムネイルが、ダイジェスト再生では画面下に音声レベルのグラフが表示される

 さらに番組表上部の「おまかせ・まる録」アイコンをクリックすると、任意のキーワードを登録して、キーワードに合致する番組を自動的に録画してくれる「おまかせ・まる録」機能が利用できる。単に興味があるキーワードを登録するという使い方だけなく、好きな俳優の名前を登録して、その俳優が出演する番組をバラエティからドラマまでジャンルを問わず網羅したり、番組名を登録することで放送時間が不規則な深夜ドラマなどをすべて押さえたりということが可能だ。

 ただし、VGN-FW70DBは放送データをそのままMPEG-2 TS形式で録画する仕様なのに、HDD容量が250Gバイトとデジタル放送を録画するには少ないため、キーワードをたくさん登録して手当たり次第録画し、週末にまとめてチェックするという使い方は難しい。

 例えば、「グルメ」というキーワードを登録したところ、たった2日半でHDD容量が上限に達してしまい、それ以上録画できなくなってしまった。キーワードを登録するだけという手軽さに加え、番組の抽出能力そのものはなかなかに高いと思われる機能なだけに、HDD容量によって自由度が制限されるのは残念だ。

 なお、HDD容量による制限を回避するために一定期間が経過した古い番組を自動的に削除する自動削除機能も用意されている。最短で1日から設定できるので、手当たり次第に録画する方式でも、とりためた番組をこまめにチェックできるのならば、特に問題はないだろう。

「おまかせ・まる録」では、あらかじめ「グルメ」などのキーワードを指定しておくと、それに当てはまる番組を自動録画する(写真=左)。キーワードによって、どのような番組が録画されるのかをプレビューできるのは便利だ(写真=右)。放送時間が変則的な教育番組などを毎回録画したい場合、番組名を追跡して自動録画できる「シリーズ録画」機能が役立つ

 また、無償アップデートを適用すれば、Giga Pocket Digitalで録画した番組をさまざまなメディアに書き出せるようになる。まずは「ダビング10」に対応し、録画した番組をそのままの画質でBD-REメディアに、SD画質にダウンコンバートしてCPRM対応の録画用DVD-RW/-RAMメディアに書き出せる。次に、録画した番組からワンセグのデータを抽出し(ワンセグがサイマル放送時のみ)、メモリースティックやSDメモリーカードに録画番組を書き出すことも可能だ(SDメモリーカードへの書き出しは有償アップデート扱いで500円かかる)。同機能で書き出した番組は、PSPやワンセグ対応携帯電話で視聴できる。

録画した番組の詳細情報が得られるカタログビュー機能

 このほか、外部のオンラインデータベースとの連携によるデータ解析・表示機能「カタログビュー」も搭載されていて、ジャンル、企業名、出演者ごとにCMを分類したり、番組内で紹介された店舗や製品の情報を地域やジャンルごとにカテゴリ分けしたりして、自動的に一覧表示できる。店舗情報についてはFeliCaポートを利用して、店舗の地図や電話番号をドコモとauのおサイフケータイに書き出す機能も用意している。

 「テレビを見ていて、番組内で紹介されるショップやCMの出演者に興味を持ったが、わざわざメモしたり自分で調べるのは面倒なので、それっきりになってしまった」ということはありがちだが、カタログビュー機能を活用すれば、最小の手間で簡単に詳細な情報が得られ、さらには外部に持ち出しまでできる。かゆいところに手が届くうまい機能だと思わずヒザを打つ人も多いだろう。

 さらに、DLNAサーバ/クライアントとしての機能も備えていて、付属ソフトの「VAIO Media plus」を使えば、ホームネットワークに接続された、ほかのDLNA機器内に保存された写真、動画、音楽のコンテンツをVAIOで再生したり、VAIO内のコンテンツを他機器で視聴したりといった使い方も可能だ。

 DTCP-IP再生もサポートし、ソニーのBDレコーダーで録画したMPEG-4 AVC/H.264の番組をVAIOで表示することもできるが、VAIOで録画したデジタル放送は配信できないので注意してほしい。

記事初出時、録画した番組をBD-R/REに書き出せるとの記述がありましたが、BD-REの誤りです。ディスクへの書き出しは、BD-RE、CPRM対応の録画用DVD-RW/-RAMに対応しています。おわびして訂正させていただきます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー