6月初旬に登場したインテルのAtomオンボードモデル「D945GCLF」を皮切りに人気を集めたmini-ITXマザー。7月初旬にギガバイト「GA-GC230D」、7月下旬にMSI「Wind Board MS-7314」が出回りはじめ、選択肢が広がるとともに各モデルの流通量も潤沢となった。1万円前後の価格でCPUをオンボードしており、消費電力が低いというのが共通の特徴だ。
6月に加熱していた人気は、製品の潤沢化とともに落ち着いたとみるショップが多い。フェイス パーツ館は「mini-ITXマザーは拡張性が低く、用途が限られます。もともとニッチな製品なので、ヒットしてもその絶対数は多くない。サーバ用途だけでなく、リビングに置くAVマシン向けにも注目されていますが、購買層を広げるまでには至っていません。まあ、これから定番化して売れていけばいいなと考えています」という。
需要を増やすカギはAV用途にあるというのが、多くのショップで聞かれた意見だ。それを予見してか、7月後半からはハイパフォーマンスが期待できるmini-ITXマザーが出回り始めている。
7月25日にはTDP 95ワット以下のPhenom X4が搭載できるJ&W「MINIX 780G-SP128MB」が登場し、月末にはCore 2 Quad/Extremeが搭載可能なZOTAC「NF610I-D-E」が発売された。採用するチップセットは、MINIX 780G-SP128MBがAMD 780で、NF610I-D-EはGeForce 7050。それぞれ動画再生に強く、グラフィックスカードなしでも十分なAVマシンが組める性能を備えている。
TSUKUMO eX.は「最近はAVラックに置いて違和感がないデザインの小型ケースが増えています。それらを使って組むのにおすすめですね。正直、AtomでAVマシンを組むのはいろいろと厳しい面があります。用途によって無理のない範囲で消費電力を抑えて、その分性能を求めるという選び方ができるのはうれしいですね。どちらもロングヒットするんじゃないでしょうか」と期待を寄せていた。
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