Atom搭載「LOOX U」の進化ぶりを写真でじっくり解説する富士通謹製UMPC再び(2/3 ページ)

» 2008年08月22日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

自由なスタイルで使える独特のボディは健在

 液晶ディスプレイを反転させてタブレットPCのスタイルで利用できるのは、前モデルから継承したLOOX Uの大きな特徴だ。液晶ディスプレイのヒンジ左右にポインティングデバイスを設けたデザインは、机上に本体を置いて両手のすべての指でキー入力しつつ、マウスカーソルを動かすといった作業は少し面倒だが、両手で本体を抱えて操作する場合は便利に扱える。

液晶ディスプレイのヒンジ左に、マウスの左右クリックボタンを配置(写真=左)。液晶ディスプレイの下に、解像度切り替え/キーボードライト点灯、電子辞書ソフト起動、縦画面表示切り替えのボタンを備えている(写真=中央)。右2つのボタンは液晶ディスプレイのヒンジ右に用意された「Fn」ボタンと同時押しすることで、省電力設定の切り替え、「Jounal」の起動が行える。液晶ディスプレイのヒンジ右には、「Fn」ボタンと上下のスクロールボタン、そしてマウスカーソルを動かすスティックポイントが並ぶ(写真=右)。「Fn」ボタンは2回押すとランチャーの「Fujitsu Menu」が立ち上がる

右手の親指でマウスカーソルの移動、左手の親指でクリックを行なう(写真=左)。右手の親指で扱うスティックポイントを押し込むことでも左クリックができる。液晶ディスプレイを反転させて閉じると、タブレットPCのフォルムに変形し、自動的に画面の表示方向も180度回転するので、液晶ディスプレイを開いた状態と同じスタイルでマウスカーソルを操作できる(写真=中央、右)

細かいところだが、液晶ディスプレイが水平に近い角度まで開くようになったため、ヒザの上に置いての作業や、液晶ディスプレイを開いたまま両手で抱えてポインティングデバイスを扱う作業がしやすくなった

 タッチパネル式の液晶ディスプレイは、付属のスタイラスや指で直接画面に触れて操作することが可能だ。その場合、片手で本体を支え、片手で画面に触れるスタイルになる。スタイラスを使った手書き入力機能については、予測変換機能を持つ手書き入力補助ソフト「らくらく手書き入力」が搭載され、より使いやすくなった。ソフトウェアキーボードを利用した文字入力も行える。

スタイラスは液晶ディスプレイの右上に収納(写真=左)。OS標準の手書き認識機能に加えて、予測変換機能を持つ手書き入力補助ソフト「らくらく手書き入力」が搭載されている(写真=中央)。縦画面表示にした状態ではポインティングデバイスが上下に位置するため、タッチパネルでの操作が基本だ(写真=右)

バッテリー性能や拡張性はどうなっている?

 Centrino Atomの採用やバッテリーパックの増量などにより、バッテリー駆動時間も強化された。標準バッテリーでの駆動時間は約1.5時間増の約5.3時間、別売のバッテリーパックLでの駆動時間は約3.4時間増の約11.1時間をうたう。これらの数値はJEITA測定法1.0による公称値なので、実際に利用する際のバッテリー駆動時間はもっと短くなるだろうが、ここまで小型軽量のノートPCとしては十分なスタミナといえる。

標準バッテリーの容量は7.2ボルト 2900mAh、別売のバッテリーパックLの容量は7.2ボルト 5800mAhでサイズも大きい(写真=左)。標準バッテリーはボディからはみ出さず、キレイにおさまる(写真=中央)。バッテリーパックL装着時は、奥行きが20ミリ増の155ミリに、重量が約105グラム増の約670グラムになる(写真=右)

付属のACアダプタはサイズが39(幅)×88(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が255グラムと小型軽量だ(写真=左)。本体の底面は、バッテリーパック装着部の下に内蔵ファンの通気口があるので、利用時はここをふさがないように注意したい(写真=中央)。背面のカバーを開くと、Ultra ATA/100の1.8インチHDDやファン、Mini PCI Expressスロットが露出する(写真=右)。店頭向けモデルが搭載するHDDは60Gバイトだが、WEB MART直販モデルでは、60G/100G/120Gバイトの1.8インチHDDに加えて、64GバイトのSSDも選択できる。写真のMini PCI Expressスロットは空いた状態だが、WEB MART直販モデルでワンセグチューナーや無線WANモジュールを追加した場合に利用される。ちなみにメインメモリは1Gバイトオンボード(DDR2-533)で増設には対応しない

 本体の拡張性については、USB 2.0が1基しかない点は物足りないが、TypeIIのCFカードスロットとSDメモリーカードスロット(SDHC対応)、有効約130万画素のWebカメラ、指紋センサといった機能を持つ。前モデルと同様、製品には有線LANとアナログRGB出力を接続する変換ケーブルが付属する。ちなみに、Webカメラは新モデルで追加された機能だ。

 ネットワーク機能はIEEE802.11nとBluetoothを新たに標準搭載した。100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを備えるほか、WEB MART直販モデルでは無線WANモジュール(NTTドコモのFOMA HIGH-SPEEDに対応)の内蔵が可能だ。WEB MART直販モデルではFMトランスミッターが搭載され、無線WANモジュールと排他でワンセグチューナーを内蔵することもできる。

前面には有線LAN/アナログRGB出力変換ケーブルを接続する専用コネクタ、インジケータを用意(写真=左)。背面はバッテリーパックで占有される(写真=右)

左側面にヘッドフォン、マイク、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、音量調節用ダイヤル、盗難防止用ロック取り付け穴、ストラップホルダーを配置(写真=左)。右側面にはワイヤレス通信用スイッチ、TypeIIのCFカードスロット、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ(写真=右)

液晶ディスプレイの右側にスライド式の指紋センサを用意(写真=左)。指紋センサの下には、「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーのショートカットボタンがある。右側面のCFカードスロットにはダミーカードが装着されている(写真=中央)。SDメモリーカードスロットは空いた状態で、何も装着されていない。有線LAN/アナログRGB出力用の変換ケーブルは本体の前面につなぐ仕組みで、利用時はキーボードやポインティングデバイスが少し使いにくくなる(写真=右)

 WEB MARTではスタンド型の専用ポートリプリケータ(1万500円)も用意されている。ポートリプリケータには4基のUSB 2.0、アナログRGB出力、有線LANのポートが内蔵されており、机上で使う機会が多いならば、標準で添付される有線LAN/アナログRGB出力用の変換ケーブルよりもこちらを使ったほうが便利だ。

スタンド型の専用ポートリプリケータは右側面にUSB 2.0を1基用意(写真=左)。背面に3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、有線LANを備えている(写真=中央)。本体を立てた状態でセットできるため、動画コンテンツの視聴などにも適している(写真=右)

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