MSIの「P45 Platinum」でオーバークロックを遊ぶイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

» 2008年09月03日 17時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]

オンボードのスイッチやLEDで仮組みテストも手軽にできる

 ゲームユーザーやオーバークロッカーを意識したP45 Platinumは、電源スイッチとリセットスイッチをオンボードで搭載しているほか、バックパネルにはCMOSクリアスイッチが用意されている。同社の「X38 Platinum」や「X38 Diamond」世代のハイエンドモデルから装備されるようになったこれらのスイッチは、PCパーツをケースに入れずに仮組みのままでテストを行うオーバークロッカーに支持されている装備だ。ただし、ASUSのMaxius II Formulaほどサイズは大きくなく、意匠的なデザインも施されていない。従来からの小さなマイクロスイッチであるが、小さくても普通に押せるので機能的な問題はない。

 電源やスタンバイ、拡張スロットに組み込んだカードの動作状態、BIOSのPOSTコードなどを表示するLEDが、合計で25個も装備されているのもパワーユーザーに評価されるだろう。このようなオンボードのスイッチやLEDのおかげで、仮組み状態でもシステムのステータスが容易に把握できるので、オーバークロックのチューニング中に異常が発生しても原因究明が行いやすい。

オンボードで電源スイッチ(画像右下寄り)とリセットスイッチ(画像左上寄り)が実装されている。スイッチのサイズは小さい
バックパネルには、CMOSクリアスイッチが配置されている。ケースを開けずに手軽にCMOSのクリアが可能だが、小さいスイッチなのでちょっと目立たないし押しにくい

動作している電源回路のフェーズ数をLEDで表示している。「GreenPower」機能をオフにした状態では省電力機能は働かず、5フェーズがフルに動作する(写真=左)。GreenPowerをオンにしておくと、アイドル時や軽負荷時には1フェーズ動作となり(写真=右)、負荷が高くなると2〜3フェーズの動作となる(写真=中)

FSBとPCIなどの外部クロックを分離して設定するためのジャンパスイッチを装備する。オーバークロックでうまく動作しなくなるような拡張カードを利用するときに役立つ
P45 Platinumの動作状態を確認できるLEDがオンボードで搭載されているので、仮組みのテストでもシステムの挙動が分かりやすい。右側にある緑色のLEDがPOST表示で、奥の青LEDはパワーオン、左の赤LEDは電源ユニットの状態を示している

 オーバークロッカー仕様なのは、スイッチ類だけではない。BIOSに設けられた「Cell Menu」にオーバークロックのための各種調整項目が多数用意されている。

 「D.O.T Control」は、自動的にオーバークロックを行う機能で、3段階のオーバークロック比率をユーザーが設定しておけば、負荷に応じて段階的に動作クロックが上がっていく。ただ、すべての動作を保証するわけではなく、評価作業でも、最高段階のオーバークロックを15%に設定して機能を有効にしたところ、重負荷状態で動作クロックが上がったと同時にリセットしてしまうという現象が発生した。同じ機材を使ってマニュアルで設定すれば、25%程度のオーバークロックが可能であったので、マザーボードの耐性を超えたためにリセットしたのではないと思われる。

 「Multi-step OC Booster」という機能は、設定した値まで動作クロックが徐々に上昇していく。CPUの限界を超えるとリセットがかかってしまうので、Multi-step OC Boosterを応用すれば、FSBを上昇できるおおよそのラインが調べるだろう。そのほか、オーバークロックで腕の見せどころとなるFSBとメモリクロックの比率も細かい設定が可能となっているなど、オーバークロックにチャレンジするユーザーを本気にさせてくれる機能が多数用意されている。

オーバークロック関連の設定は、すべてこの「Cell Menu」で行う
D.O.Tを有効にしておくと、CPUの負荷に応じて、自動的にオーバークロックが行われる。アップする動作クロックの比率は3段階設定でき、最大20%まで指定可能だ

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