MSIの「P45 Platinum」でオーバークロックを遊ぶイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

» 2008年09月03日 17時00分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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8ポートのSerial ATA、eSATA、IEEE 1394など、基本機能も充実

 CPUは、45ナノメートルプロセスルールのPenryn世代をサポートしており、オーバークロック設定を利用すればFSB1600MHzにも対応できる。メモリも、定格対応はDDR2-800までだが、こちらもオーバークロック設定によって、DDR2-1066、DDR2-1200に対応可能だ。

 拡張スロットは、PCI Express 2.0 x16スロットとPCI Express x8を1基ずつ搭載しており、8レーン×2を使用するCross Fireを構築できる。そのほかに用意されたスロットはPCI Express x1が2基、PCIが2基という、標準的な構成だ。

 Serial ATAは、ICH10Rが制御する6ポートに加えて、オンボードで用意されたJMB363が制御するSerial ATAが2ポート、そして、こちらもオンボードで用意されたJMB362が制御するeSATAの1ポートをバックパネルに搭載している。そのほかに用意されたオンボード機能は、Realtek 8111Cで制御されるギガビットLAN、Realtek ALC888で制御されるサウンドCODEC、そして、IEEE1394を制御するJMicronのJMC831が実装されている。

拡張スロットは、PCI Express 2.0 x16が1基、PCI Express 2.0 x8が1基、PCI Express x1が2基、PCIが2基という構成。2枚差しのCrossFireに対応する(ただし、8レーンが2つの構成になる)
基板上に設けられたSerial ATAは、ICH10Rが制御する6ポート(紫)と、Jmicron JMB363が制御する2ポート(青)の合計8ポート
バックパネルは、一部が開放されて内部のヒートシンクが露出しているなど、特殊なレイアウトになっている

Jmicron製のSerial ATAコントロールチップはJMB363(写真=左)のほかに、バックパネル付近にJMB362(写真=右)が実装されている。こちらはeSATAの制御を行っている

Jmicron製のJMB381でIEEE 1394aを制御する
ギガビットLANの制御には採用例が非常に多いRealtekのRTL8111Cを利用している
サウンドCODECは、Realtekの ALC888を搭載する。なお、サウンド関連も含めて使用しているすべてのコンデンサは、固体コンデンサを採用している

メモリスロットの脇にある「ISC6336A」と刻印されたチップは、Intersil Corp製の電源回路コントローラだ
クロックジェネレータには、ICSの「9LPRS113」が確認された

オーバークロックとGreen Powerによる省電力の組み合わせで楽しむ

 P45 Platinumがオーバークロッカーなどのコアなユーザーに向けた製品であることはすでに紹介したが、イマドキのオーバーロックは高いFSBだけが重要というわけではない。CPUのコア電圧を定格より下げて消費電力を減らすことで発熱を抑えて運用するユーザーも多い。

 そういった視点で考えると、P45 Platinumの可変式5フェーズ電源回路は発熱を低く抑えることができるため扱いやすい。実際のところ、ほかのIntel P45 Express搭載マザーボードで、定格設定のアイドル状態で42度程度だったCPUの温度が、P45 Platinumでは36〜37度と、5〜6度も低くなっている。さらに、重い負荷をかけた状態では、13度近い差となるので、P45 Platinumの電源回路が発熱を抑えるのに大きく貢献していることは間違いなさそうだ。

 一方、オーバークロック耐性に関しては、評価に用いた機材に限っていうならば、飛びぬけて優れていたわけではなかった。別のマザーボードで行ったオーバークロック設定において3.5GHzで安定動作したCPUとそのほかのパーツで構成したシステムが、P45 Platinumでは3.36GHzあたりが限界となってしまった(電圧は定格設定のまま)。さらに、省電力化機能である「Green Power」を有効にして、電源回路のフェーズをコントロールさせると、安定動作となるオーバークロック設定は3.2GHz程度となる。

 P45 Platinumは、CPUの耐性ぎりぎりの高クロックで使用するほかに、低電圧化や省電力化の方向にチューニングを行って発熱を抑えたPCのマザーボードとして運用するのにも向いている。もちろん、採用しているパーツの高い信頼性を考慮すれば、実用的な省電力サーバなどの用途でもP45 Platinumの特徴は十分に生かされるだろう。

  MSI P45 Platinum MSI P45 Platinum 3.36GHz
PCMark05:PCMarks 6845 7740
PCMark05:CPU 6874 8656
PCMark05:Memory 6080 7022
PCMark05:Graphics 6863 7024
PCMark05:HDD 4998 4990
PCMark05:HDD-XP Startup 8.841 8.864
PCMark05:Video Encoding 482.96 605.744
PCMark05:Image Decompression 37.749 47.757
PCMark05:WMV Video Playback 70.676 84.411
3DMark05:3DMarks 10505 10913
3DMark06:3DMarks 5149 5365
Final Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0 :Low 7731 8052
Final Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0 :High 9948 10687

評価用システム構成
CPU Core 2 Duo E6750(2.66GHz)
Memory DDR2 PC2-1066 1GB×2
Graphics Radeon X1950 Pro(512MB)
HDD Seagate ST3160812AS (Serial ATA 160GB 7200rpm)
OS Windows XP Professional SP3

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