デルが放つ“Puma”な「Studio 1536」を間近に見たStudio×Puma(1/2 ページ)

» 2008年09月17日 11時00分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

 デルが個人向けに立ち上げた「Studio」ブランドは、家族共用のPCとは異なる「自分専用のパーソナルPC」がコンセプトだ。スタイリッシュなデザイン性やバリエーション豊富なオプションを取りそろえたカスタマイズ性を備えるのが特徴だ。ノートPCは3モデルが展開されているが、ここではAMDプラットフォームを採用した「Studio 1536」を取り上げる。なお、インテルプラットフォームを導入した「Studio 15」のレビュー記事はこちらを参照してほしい。

独特の存在感を放つ光沢感あふれるボディ

AMDプラットフォームを採用した「Studio 1536」

 ボディのサイズ、デザインなどの基本的な部分は、インテルプラットフォームを採用した「Studio 15」と共通である。ボディサイズは356(幅)×262(奥行き)×25.3〜33(高さ)ミリ、重量は約2.77キロだ。天板のカラーは、タンジェリン・オレンジ、チェリー・ピンク、インテリジェント・ブルー、クール・ブラック、グラファイト・グレー、オリーブ・グリーン、プラム・パープル、クラシック・レッドという8色のほか、ニューヨーク在住のアーティストであるマイク・ミン(Mike Ming)氏による「Red Swirl」(レッド・スワール)、「Sea Sky」(シー・スカイ)、「Seaweed」(シーウィード)、「Sunburst」(サンバースト)、「Bunch O Surfers」(バンチ・オー・サーファー、北海道限定)という5つのデザインカバーも選べる。

 今回使用した評価機はタンジェリン・オレンジだったが、しっとりとしたラバー系の素材で質感が高く、大柄なボディでありながら上品な曲線で構成されたフォルムとあいまって、独特の存在感を醸し出している。起動時にキーボード奥のLEDが流れるように点灯していくなど、ビジネス向けのノートPCとはひと味違う演出も楽しい。

評価機が採用していたタンジェリン・オレンジ(写真=左)。8色の単色カラーバリエーションが用意されるほか、マイク・ミン氏が手がけたデザインカバーも選択可能だ。中央が「Red Swirl」(レッド・スワール)、右が「Sea Sky」(シー・スカイ)

こちらもマイク・ミン氏が手がけたもので、左から「Seaweed」(シーウィード)、「Sunburst」(サンバースト)、「Bunch O Surfers」(バンチ・オー・サーファー)となる。Bunch O Surfersは北海道地区限定で販売される

 端子類の構成もStudio 15と共通だ。4基のUSB 2.0にIEEE1394(4ピン)、ExpressCard/54スロット、8in1(SDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカードなどに対応)のメモリカードスロットに加え、アナログRGB出力、HDMI(Ver.1.2a準拠)出力も用意する充実した内容だ。USB 2.0を左右に2基ずつ振り分けていたり、カードスロットやオーディオ端子を手前側に配置するなど使い勝手への配慮も見られる。

ラッチレスのため前面はすっきりとしたデザインになっている(写真=左)。背面はバッテリーと排気口がある(写真=右)

拡張端子は両側面にまとまっている。左側面には無線LANの電源スイッチやHDMI、アナログRGB出力、eSATA、USB 2.0、ギガビット対応の有線LAN、マイク、ラインイン、ラインアウト、ExpressCardスロット、SDメモリーカード/メモリースティックPRO/MMC対応のメモリカードスロットがある(写真=左)。右側面に4ピンのIEEE1394、2基のUSB 2.0、スロットインタイプの光学ドライブ、ACアダプタ接続端子が並ぶ(写真=右)

AMDの“Puma”プラットフォームを採用

 Studio 1536の大きな特徴は、システムに開発コードネーム「Puma」の名で呼ばれていたAMDの新しいモバイルプラットフォームを採用していることだ。インテルのCentrino/Centrino 2のように正式にプラットフォーム単位でブランドを展開しているわけではないが、CPU、システムバス、チップセットといった中核部分が新世代にリニューアルされ、従来のAMDモバイルプラットフォームに比べて、チップセットに統合されたグラフィックスやデータ転送速度、省電力関連機能が強化されている。

 本機の構成では、CPUの選択肢がTurion X2 Ultra ZM-82(2.2GHz)、Turion X2 Ultra ZM-80(2.1GHz)、Turion X2 RM-70(2.0GHz)、Athlon X2 QL-60(1.9GHz)と4種類が用意されている。いずれもシステムバスはHyperTransport 3.0(最大転送速度14.4Gバイト/秒)に対応し、Turion X2 Ultra/Turion X2では転送量によってバス幅を可変させることで消費電力を節約する機能も持つ。

 チップセットはAMD M780Gを採用する。グラフィックスはチップセット内蔵(Radeon HD 3200)のほか、Mobility Radeon HD 3450(グラフィックスメモリは256Mバイト)も選べる。DirectX 10(Mobility Radeon HD 3450はDirectX 10.1)に対応し、H.264/MPEG2/VC-1のハードウェアデコード機能を備える動画再生支援機能「UVD」(Universal Video Decoder)を内蔵するため、Blu-ray DiscなどのHDコンテンツも少ないCPU負荷で再生できる。もちろん、HD動画の外部出力に必要な著作権保護技術「HDCP」にも対応。内蔵ドライブにブルーレイコンボドライブ(Blu-rayメディアへの書き出しは不可)が選択でき、HDMI端子も標準装備しているので、大画面テレビなどにBlu-ray DiscなどのHDコンテンツを出力して楽しむことも可能だ。

 ちなみに、“Puma”プラットフォームの発表時には、AMD M780Gの内蔵グラフィックスとMobility Radeonを組み合わせることにより、両GPUを連携させることで3D描画性能をアップさせる「Hybrid CrossFireX」、シーンに応じて両GPUを切り替えて利用する「Hybrid Graphics」などの機能が紹介されたが、本機では残念ながらそれには対応していない。

CPU-Z 1.46の画面(写真=左)とGPU-Z 0.2.7の画面(写真=右)

 メモリはDDR2-800 SDRAMに対応しており、BTOでは4Gバイト(2Gバイト×2)、2Gバイト(1Gバイト×2)などの構成が選択できる。HDDはSerial ATAインタフェースの5400rpmモデルを採用しており、容量は320Gバイト、250Gバイト、160Gバイト、120Gバイトが選べる。4200円の追加でパーティション設定をしてもらうことも可能で、Cドライブの容量は40Gバイトと60Gバイトの2種類が選べる。

 ボディは底面カバーが大きく開く構造となっており、2基のSO-DIMMメモリスロットと2.5インチHDDベイにそこからアクセスできる。内蔵ドライブはスロットインタイプを採用しており、DVD+R DL対応DVD±RWドライブのほか、3万2550円の追加でブルーレイコンボドライブ(Blu-ray Discの再生のみ対応)も選べる。

 無線LAN機能は、IEEE802.11a/g/n(nはドラフト2.0準拠)かIEEE802.11b/gから選べ、Bluetooth 2.0+EDRの追加(2100円)も行える。OSの選択肢はWindows Vistaのみで、Ultimate/Home Premium/Home Basicの3種類のエディションが選べる。いずれも32ビット版でService Pack 1が適用済みである。

底面のカバーを外すことで2基のメモリスロットやHDDベイ、Mini PCI Expressスロットにアクセスできる(写真=左)。AMDの“Puma”プラットフォームを構成するCPUとAMD M780Gチップセット(写真=右)

ACアダプタのサイズは47(幅)×106(奥行き)×28(高さ)ミリで、重量は約340グラムある。電源ケーブルは3ピンタイプだ(写真=左)。バッテリーは6セル(11.1ボルト 56ワットアワー)と9セル(11.1ボルト 85ワットアワー)が選べ、後者を選ぶとバッテリーが底面に出っ張る(写真=中央)。OSにWindows Vista Ultimate(SP1)/Home Premium(SP1)を選ぶと、ExpressCardスロットに収納可能な赤外線リモコンが付属する(写真=右)

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