S101の発表を広く世界に知らしめるため、ASUSは10月7日に台湾で大掛かりな発表会を行ったのは、すでにこちらやこちらやこちらの記事で紹介したとおりだ。「せっかくみんな集まったのだから、ASUSが何を考えているのか聞かせてください」というわけで、発表会翌日のASUS台湾本社は、世界中から集まった取材グループによるASUS幹部へのインタビューセッションが多数行われた。
ここでは、日本の関係者向けに用意されたグループインタビューセッションから、特にS101について興味深いコメントを述べてくれたASUS上級副社長ジョナサン・タン氏との一問一答を紹介しよう。
──S101はこれまでのEee PCと違って、ファッショナブルな要素を強調して、一般のユーザー層に訴求しているようだが、宣伝プロモーションも、CM展開やタレントを起用した手法を取り入れるのか。
ジョナサン S101は女性向けプロモーションを積極的に行っていきたいが、実際にCMを展開するか、タレントを起用するかは決まっていない(ここまで、日本市場を担当しているASUSスタッフが回答)。S101は、優れたデザインなどで一般のユーザーにも訴求していくが、Eee PCシリーズは、インターネット専用のデバイスなので、そういう需要があるユーザーに向けて訴求していくことになる。
──いま、Eee PCがインターネット専用のデバイスと発言されたが、S101では一般のユーザーもターゲットにしているように思える。Eee PCは初心者が最初に購入するノートPCとしても想定されているが、そのようなユーザーに、S101がインターネット専用デバイスであることをどのように理解してもらうのか。
ジョナサン 通常のコンプリートなノートPCとS101のようなEee PCは、パフォーマンスや容量などスペックが異なる。そのため、ユーザーの使い方も自然に違ってくるはずだ。両者の違いは、交通移動手段に例えて考えると分かりやすいだろう。通常タイプのコンプリートノートPCは自動車、Eee PCシリーズは自転車として考えることができる。自動車では走れない道を行きたいとき、または、自動車を運転できないユーザーでも、自転車なら走れるし、走らせることができる。自転車で事足りるユーザーにとって自動車はオーバースペックになる。
Eee PCは簡単に使えるので、米国にいる知人の5歳になる娘は、完全に使いこなしている。それから、台湾ではこれまでPCを使ったことがない高齢者がEee PCを使いこなして、若い世代とITの話をして世代間の交流が可能になったと聞いている。
──これまでのEee PCシリーズと比べてS101は価格が高いが。
ジョナサン Eee PCの「Eee」はイージー、エクセレント、エキサイティングであって、価格が安いという意味はまったくない。
──とはいえ、Eee PCが世界的なブームとなった背景には、価格の安さが少なからず影響していると思うが。
ジョナサン ASUSとしても、Eee PCが安いノートPCとして認識されることを望んでいなかった。そういう、「Eee PCは安いノートPC」というイメージをどのように変えていくかが、これから重要な課題になると認識している。価格で切り分けるのではなく、ノーマルな15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCとEee PCは、持ち歩くシチュエーションによって使い分けてもらえるのが、ユーザーにとってベストとなるだろう。
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