実力派の省スペースデスクトップPC「Endeavor MR3500」を試すスリムなのにすごいんです(1/2 ページ)

» 2008年10月20日 16時50分 公開
[兼子忍,ITmedia]
MR3500。前モデルと比較して、前面のアクセントカラーがやや濃くなった

 エプソンダイレクトの「Endeavor MR3500」は、コンパクトに設置できるスリムタイプの筐体に、高性能タワー型PCに並ぶ強力なパフォーマンスを搭載できる省スペース型PCだ。従来モデルからの最大の変更点となるのが、チップセットにIntel 4シリーズのデスクトップPC向けチップセット「Inte G45 Express」を採用した点。これにともなってチップセット内蔵グラフィックス機能はGMA X4500HDに強化された。さらに、メインメモリには今モデルよりDDR3 SDRAMが標準搭載となり、安価なパーツを多く取り入れた低価格構成でも、従来モデルより優れた性能を実現している。

 BTOで選べるパーツは基本的に従来モデルのEndeavor MR3300を踏襲したものだが、CPUのラインアップは、低価格構成向けとしてCeleron 430(1.8GHz)とPentium Dual-Core E2200(2.2GHz)を、ミドルレンジ向けとしてFSBクロック1066MHzのCore 2 Duo E7200(2.53GHz)とFSBクロック1333MHzに対応したCore 2 Duo E8400(3GHz)/E8500(3.16GHz)/E8600(3.33GHz)を、ハイエンドユーザー向けとしてFSBクロック1066MHzのCore 2 Quad Q6600(2.4GHz)とFSBクロック1333MHzのQ9400(2.66GHz)/Q9550(2.83GHz)/Q9650(3GHz)を用意する。10種類もの豊富な選択肢から、用途や予算に応じて自分にあった構成を選ぶことが可能だ。

マザーボードはInte G45 Expressチップセットを搭載した

 メインメモリにはPC3-8500 DDR3 SDRAMを採用し、容量は512Mバイト、1〜4Gバイトのいずれかを選択できる(1Gバイト以上では標準でデュアルチャネル構成が採用される)。ストレージデバイスでの注目ポイントは、省スペース性に優れたスリム筐体ながら2基のHDDを内蔵できる点だ。容量は、それぞれのドライブで80Gバイトから750Gバイトまでの5段階で容量を選択可能で、最大で合計1.5Tバイトという大容量の記録領域を入手できるのは、本機の大きな特色といえるだろう。さらに、RAIDをあらかじめ設定した状態で購入できるのもポイントだ。選択可能なRAID構成は、全容量を単一ドライブとして利用する高速なRAID 0と、ユーザーが利用可能なディスク容量は半減するものの、高い信頼性を確保できるRAID 1の2種類が用意される。

 光学ドライブは、DVDの読み込みとCD-R/RWへの書き込みに対応したコンボドライブと、すべての記録型DVDメディアへの書き込みに対応したDVDスーパーマルチドライブからの2択。グラフィックス機能は、Intel G45チップセット内蔵のGMA X4500 HD のほか、ロープロファイル仕様のGeForce 8500 GT搭載カードも選択できる。後者を選べば(ハイエンドゲームPCには及ばないものの)、3Dオンラインゲームも十分に楽しめる で固定だ。

※記事初出時、グラフィックスカードのBTOオプションの記述に誤りがありました。現在、GeForce 8500 GTを選択することはできません。おわびして訂正いたします。

 さらに、BTOではシリアルポートと2ポートのUSB 2.0インタフェースカード、eSATAインタフェースカードを追加して、拡張コネクタ類を増設することもできる。本体に標準装備される端子類に不足を感じるなら、こちらを選択して拡張性の増強を図るといいだろう。なお、OSにはWindows Vista Home Basic/Home Premium/Business/Ultimateの各エディション(いずれもSP1適用済み)を選べるほか、Windows XP Professionalへのダウングレードを利用することも可能だ。

自由な設置性と高いメンテナンス性を兼ね備えたスリム筐体

 従来モデルから引き続き採用される筐体は、同社が用意するスリム型デスクトップPCの中では最も大柄ながら、横幅は98ミリ(スタンド装着時は154ミリ)、奥行きは401ミリと、机上に無理なく設置できるサイズに収まっている。また、本機を横置きで利用するためのゴム足も付属しており、十分なスペースがあれば、より安定した状態で設置することもできる(上にものをのせられるのも利点だ)。

スリムデスクトップPCながらHDDの交換などを簡単に行える

 筐体内部には、背面の2カ所を手回しネジで固定した左サイドパネルを外し、内部を横断する補強用のバーを取り外すだけと、比較的簡単にアクセスできる。またHDDと光学ドライブは、ドライブに取り付けたビスをガイドレールに沿って通し、正しく押し込むことでストッパーにより固定される仕組みで、工具を使わずにドライブを交換することが可能だ。

 拡張スロットは、PCI Express x16および同x1が各1基、PCIスロットが2基という構成で、搭載可能な拡張カードはロープロファイル仕様のものに限定される。なお、拡張スロットの周囲には十分な作業用空間が用意されるほか、拡張カードを固定する金具も工具を使わずに取り外し可能と、徹底したツールフリー化が図られており、メンテナンスが必要になった場合でもスムーズに作業を進めることができる。

 ただし、4基のメモリスロットのうち1基は、光学ドライブと干渉してしまうため、メモリモジュールを着脱する際には、フロントベゼルを取り外し、光学ドライブを少し前方にずらす必要があった(この工程にも工具類は一切不要だが)。

本体前面/背面/左側面

 なお、起動中の騒音は、アイドリング状態であればまったくと言っていいほどファンノイズは聞こえず、CPUとグラフィックス機能に負荷をかけた状態でも騒音レベルに変化はほとんど見られなかった。ユーザーの耳に騒音が届きやすい机上にも置いても問題はないし、騒音が特に目立つ深夜でも、家族に気兼ねすることなく利用できるはずだ。

充実した前面端子によりコネクティビティを確保

 端子類は、フロントベゼルの右半分を占める大型カバーの中に、メモリースティック、スマートメディア、SDカード/MMC、CFカード対応スロットがそれぞれ搭載されるほか、ヘッドフォン出力とマイク入力、IEEE1394(4ピン)、2基のUSB 2.0が用意され、メモリカード類や携帯オーディオプレーヤー、DVカメラといった周辺機器を簡単に接続することができる。さらに、付属のUSBキーボードには、左右に1基ずつのUSB 2.0端子を搭載したUSBハブ機能が内蔵されるので、USBメモリとのデータのやりとりを、すぐ手元で行なえるのがうれしい。

 背面端子は、4基のUSB 2.0のほか、IEEE1394(6ピン)、1000BASE-T対応Ethernet端子と、スリム型PCとしては数、質ともに満足できる構成だ。なお、映像出力端子は、GMA X4500 HDを選択した場合にはHDMI出力とアナログRGB出力、GeForce 8500 GTを選択した場合にはDVI-IとアナログRGB、Sビデオを利用可能で、いずれの場合もデュアルディスプレイ環境を構築できる。さらにPS/2端子やパラレルポートといった、いわゆるレガシーポートを装備しているため、オフィスに残った旧式の周辺機器を接続することも可能だ。

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