MDT243WGとMDT243WG-SBは、2007年12月に発売された「MDT242WG」の後継モデル。黒挿入、バックライトスキャニング、オーバードライブ回路の各技術を最適化して動画ボケを低減する独自技術「MP ENGINE」が「MP ENGINE II」に強化された。MP ENGINE IIではバックライトシステムを改善することで、黒挿入とバックライトスキャニングによる明るさの低下を抑えており、MP MODE時の輝度を従来比で約20%向上した。
また、従来は表示モードや入力ソースごとに輝度の差が生じていたが、新たにMP MODEやDV MODEといった画質設定モードと入力ソースごとに輝度調整が可能になった。これにより、モードやソースを切り替えても輝度が変わらないため、実使用時のストレスが軽減されたという。
音声面では従来からの「DIATONEリニアフェイズ」技術に新採用の「低共振スピーカー」を組み合わせた振幅制御により、従来よりゆがみの少ない低音を実現。また、中高音を増強するエフェクターや余韻成分をオーディオ信号に付加する技術によって、音の明瞭(めいりょう)度と臨場感も高めたとしている。
そのほかの基本スペックはMDT242WGと変わらない。液晶パネルは従来と同じA-MVA方式のノングレアタイプで、解像度は1920×1200ドット(WUXGA)、表示色は約1677万色(RGB各10ビット中)、色域はNTSC比で72%だ。輝度は500カンデラ/平方メートル、コントラスト比1000:1(CRO動作時2000:1)、応答速度は中間調で6ms、MPRT(動画応答時間)は10ms、視野角は上下/左右ともに178度となっている。
インタフェースは、映像入力にDVI-D(HDCP対応)、アナログRGBのD-Sub、HDMI×2、D5、S-Video/コンポジット、音声入力にRCAステレオ×2、ステレオミニ、音声出力に光デジタル(2チャンネル/HDMI入力時)、ステレオミニ×2(1つはヘッドフォン出力)を用意するほか、出力5ワット+5ワットのステレオスピーカーを内蔵する。
本体サイズは558.5(幅)×270(奥行き)×460.3(高さ)ミリ、重量は約11.2キロ。スタンドは上25度/下10度のチルト、90度のスイベル、60ミリの高さ調整に対応する。
発表と同日に開催された製品説明会では、同社役員理事 リビング・デジタルメディア事業本部 副事業本部長の梅村博之氏が登壇。ディスプレイ事業について「今回は自信作ができた。今後も国内トップシェアのメーカーとして、オンリーワン商品での新市場開拓に注力していく」と力説した。
具体的な戦略としては、PCに接続して使うディスプレイから、ゲーム機、AV機器へと接続対象を広げ、各用途に最適な映像を1台で表示するマルチメディアディスプレイを積極的に展開していくという。今回発表したMDT221WTF(BK)はその一環であり、「PCで十分使える高解像度に加えて、通常の液晶テレビと同じ使い勝手や画質、多彩な入力に対応し、用途に応じた最適な画質を提供する製品」とアピールした。
同社役員理事 デジタルメディア事業部 事業部長の中島均氏はディスプレイ市場の現状と同社のビジョンを説明。同社の予測では、2009年度にはスクエアタイプの液晶とワイド液晶の構成比が逆転し、HDMI対応モデルの構成比が45%になるという。こうした中で同社は液晶ディスプレイのワイド化やHDMI対応を一層強化し、マルチメディアディスプレイ市場で40%のシェア獲得を狙う。
続いて、デジタルメディア事業部 モニター事業センターの長峯卓氏は、同社のディスプレイ事業展開について述べた。2008年下期の事業展開は「PCを使いながらテレビを“ながら視聴”する使い方など、ユーザーニーズの多様化を踏まえ、今回発表した製品群で動画対応ラインアップを強化した」とし、2009年以降は「さらに動画の画質を向上させるため、テレビのトレンドである“超解像”“階調拡張”“倍速スキャン”といった技術の投入も目指す」とした。
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