わずか5枚の「PT1」に150人が殺到――深夜のアキバで“一瞬の祭”古田雄介のアキバPickUp!(1/2 ページ)

» 2008年10月25日 11時12分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「バカなの?」PT1深夜販売に驚きと冷笑

三月兎一号店のPOP。当初は同店で深夜販売を行う予定だったが、住宅がある近隣への迷惑を考え、二号店での開催に変更した

 10月24日ごろ、複数のショップにアースソフトのチューナーカード「PT1」が入荷した。価格は2万円弱だが、ほとんどが予約分に当てられ、店頭に出回るのがごく少数という状況となっている。

 予約なしの店頭販売は10月25日開始ということで、ドスパラ秋葉原本店は25枚、T-ZONE.PC DIY SHOPは10枚を、それぞれ通常開店時から売り出すと告知。その中で、PCパーツや雑貨を扱う三月兎は、確保した5枚のPT1を深夜0時から抽選形式で販売すると決定した。一号店は「25日朝から販売すると周囲のお店に迷惑をかける心配があるのと、ネタ的な意味合いもあって深夜販売を決めました。まあ、コアなアイテムなので、終電見送りもいとわない強者に買ってほしいですね」と語っていた。

 PT1は地デジ/衛星放送チューナーを搭載したPCIカード。アースソフトがこれまでにリリースした「PV3」や「PV4」と異なり、直接放送波を受信できるが、対応ソフトウェアやB-CASカードは付属していない。その代わりに、開発者向けのSDK(ソフト開発に必要なツールセット)を公開している。つまり、利用するには、ユーザーが独自にソフトを作成して、B-CASカード関連の問題をクリアしなければならない(ちなみに、ほかの機器のカードを使うのはB-CASの使用契約違反となる)。

 アースソフトの新製品が登場するときは、品数の少なさも手伝って、アキバ中を探し回るコアなユーザーが多数発生することで知られている。深夜販売を決行すれば、それなりに人が集まると思われるが、PT1は従来品以上にマニアックなパーツとあって、三月兎の深夜販売決行に驚く声が多かった。

 あるショップは「バカじゃないの。たくさん集まったとしても5枚しかないんでしょ」とそっけなく語り、また別のショップも「抽選にもれても次回入荷の予約が入れられるらしいけど、お店としてはそれが目的かもしれないですね。でも、目論見どおり人が集まるんでしょうか。かなり思い切った選択をしましたよね」とあきれていた。

 決行会場である三月兎二号店の店長自身も「やることになっちゃいました。まあ、10人以上集まってくれればうれしいです」と、やや不安そうに語っていた。しかし、8月30日にクレバリー2号店でのみ行われたWindows Home Server日本語版深夜販売で、嵐の影響から9人しかユーザーが集まらなかったことを伝えると、「それには勝ちたいです!」と多少の自信をのぞかせた(関連記事:「それなんて罰ゲーム?」クレバリー2号店が深夜販売を強行)。

アースソフト「PT1」(写真=左)。深夜販売会場となる三月兎二号店(写真=中央)。クレバリー2号店が英断したWindows Home Server日本語版の深夜販売(写真=右)

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