基本的には、Core i7 965がほとんどの結果で1位になっており、間違いなく現時点で最高性能のCPUといっていいだろう。ただ、Productivity(Officeを多様している)系のベンチマークテストのスコアがCore 2 Extreme QX9650に比べてふるわないのが気になる。どうも、これにはHTテクノロジが有効になったことも影響しているようだ。
SYSmark 2007 Previewの詳細結果をHTテクノロジを有効、無効で測定した結果から分かるように、HTテクノロジをオフにするとProductivity系の結果が跳ね上がっている。そのかわり、ほかのテストではHTテクノロジを有効にしたほうが高いスコアを出しているので、トータルで見ると相殺されている、ということができる。
3Dレンダリングや動画エンコードのテストでHTテクノロジの有効無効を切り替えて測定した結果を見る限り、コンテンツ作成系のアプリケーションではHTテクノロジが有効になると性能が向上するため、HTテクノロジそのものの効果は大きい。従って、Productivity系で“副作用”があったとしても、現在、ユーザーが性能の不満を感じることが多いコンテンツ作成系のアプリケーションで効果が大きいのだから、HTテクノロジは効果があるといえるのではないだろうか。
Core i7の威力は、HTテクノロジが有効に活用できる3Dレンダリングや動画エンコードといったようなコンテンツ作成系アプリケーションで発揮されると考えていい。ユーザーがそうしたアプリケーションで不満を感じているなら、Core i7へ移行する恩恵は小さくない。
ただ、Core i7を導入するには、新しいマザーボードが必要になるし、メモリもDDR3が必要になる。そうした新しい投資が必要になるだけに、導入をためらうユーザーも少なくないだろう。そうしたユーザーに朗報なのがCore i7の価格設定だ。
現時点ではインテルは公式な価格を明らかにしていないため、正確な情報は不明だが、情報筋によれば上位の2モデルに関しては“それなりの価格帯”となりそうだが、下位モデルとなるCore i7 920は300ドルを切る価格帯に設定されているのだという。CPU以外にメモリやマザーボードにも投資が必要にはなるものの、パワーユーザーであれば手が届くのではないだろうか。
インテルによれば、11月中にはCore i7が正式に発表されるとのことで、一部情報によれば、秋葉原などのショップでは深夜販売を検討しているところもあるようだ。Core i7のパワーを誰よりも早く体感したい、というのであれば、11月の寒空に並ぶことを検討してみるのは大いに意義のあること……なのかもしれない。
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