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» 2008年11月07日 11時11分 UPDATE

iMacとは異なる進化:フルHDになった新型「HP TouchSmart PC」にタッチした (1/2)

日本で人気に火がついた「ボードPC」こと液晶ディスプレイ一体型PC。25.5型の大画面でタッチ操作が可能な日本HPの新モデルをチェックした。

[都築航一,ITmedia]

地デジチューナーやBDドライブ搭載の上位モデルが追加

ht_0811hp01.jpg 新モデルの「HP TouchSmart PC IQ800」シリーズ

 タッチインタフェースによって独自の操作性を獲得した日本ヒューレット・パッカード(HP)の液晶一体型PC「HP TouchSmart PC」シリーズに新モデル「IQ800jp」が追加された。単体の液晶ディスプレイかと思うほどのスマートなデザインはそのままに、1920×1200ドット表示に対応した25.5型ワイド液晶ディスプレイ搭載モデルが新たに加わったほか、地上デジタルチューナー内蔵モデルが復活した。

 今回登場したIQ800シリーズは、店頭販売モデルの「IQ817jp」と直販サイト「HP Directplus」専用の「IQ811jp」で展開される。そのほか、22型ワイド液晶ディスプレイ(1680×1050ドット表示)搭載の「IQ500」シリーズもラインアップが拡張され、店頭販売モデルが2モデル、HP Directplusが4モデルとなり、こちらにもGPU(GeForce 9300M GS)搭載機や地上デジタルチューナー内蔵モデルが加わった。これまで採用されていた64ビットOSに加え、32ビットOS(いずれもWindows Vista Home Premium Service Pack 1)搭載モデルの登場もトピックといえるだろう。

 それでは、さらに完成度を高めた海外製「ボードPC」の見どころに迫っていこう。

大画面・高輝度化しても「輝点ゼロ保証」は健在

ht_0811hp02.jpg 25.5型ワイドに大型化して待望のフルHD表示に対応した。2ワット+2ワットのスピーカーを内蔵している

 まず、店頭モデル「IQ817jp」と直販モデル「IQ811jp」の違いだが、前者はCPUにCore 2 Duo T8100(2.1GHz/2次キャッシュ3Mバイト)、GPUにGeForce 9600M GS(ローカルグラフィックスメモリは512Mバイト)を内蔵し、光学ドライブがBlu-ray Discの読み出しに対応したDVDスーパーマルチドライブとなる。それに対し、後者はCPUがCore 2 Duo T7250(2.0GHz/2次キャッシュ2Mバイト)、GPUがGeForce 9300M GS(ローカルグラフィックスメモリは256Mバイト)、光学ドライブがDVDスーパーマルチにスペックダウンする。価格差は6万円前後あるが、量販店のポイント還元分を考えると、その差は思った以上に縮まるだろう。なお、HP TouchSmart PCシリーズはほかのPCシリーズと異なり、直販のHP Directplusでも仕様の変更は行えないので注意したい。

 基本スペックを見ていくと、Intel GM965 Expressチップセットを核に、4Gバイトのメモリ、640GバイトのHDD(7200rpm)という構成で、従来機と同じアーキテクチャを採用する。

 一方、大型化したワイド液晶ディスプレイは、25.5型で解像度が1920×1200ドットとフルHDに対応。BrightViewと呼ばれる光沢タイプゆえ、画面への映り込みは避けられないが、画面輝度は400カンデラ/平方メートル、色度域はNTSC比で92%と、これまでの22型ワイドの300カンデラ/平方メートル、同72%から引き上げられ、視野角も左右170度/上下160度と左右方向が10度広がっている。加えて、液晶パネルの大型化・高画素化を果たしたにもかかわらず、常時点灯が1つ以上、黒点6つ以上が保証期間内に発生した場合は無償で対応する「輝点ゼロ保証」は上位機でも健在だ。

ht_0811hp03.jpght_0811hp04.jpght_0811hp05.jpg Serial ATAタイプのHDDと2基のメモリスロットを背面に用意する(写真=左)。ボディサイズは大柄だが、ノートPCのアーキテクチャを最小しているためメモリはSO-DIMMタイプだ。ワイヤレス仕様の薄型キーボードとマウスが付属する(写真=中央)。キーボードはノートPCライクのキートップで、音量調節用のボタンは備えるが、メディア操作機能はFnキーとの組み合わせで提供される。キーボードとマウスのレシーバーは本体に内蔵されている(写真=右)

ht_0811hp06.jpght_0811hp07.jpght_0811hp08.jpg 光沢仕様のピアノブラックとエスプレッソブラウンというツートーンボディは従来機を受け継ぐ。右側面上部に電源ボタン、音量調節、メモリカードスロット、IEEE1394端子が並ぶ(写真=左)。スタンドは10度〜40度まで角度調整が行えるが、スイベル機構は備えていない。ケーブルは背面にまとめられるようになっているので、見た目はすっきりとした印象だ(写真=中央)。左側面のカバーを外したところ(写真=右)

タッチ操作でカラーを選べるダウンライト機能を装備

 液晶のサイズアップにともない、ボディサイズは662(幅)×238〜474(奥行き)×391〜493(高さ)ミリと大柄になったが、本体のデザインは前モデルを踏襲しており、設置時の奥行きは最小時で約24センチと、22型ワイドモデルのIQ500シリーズとほぼ同じレベルに収まる。本体の角度も従来どおり10度から40度までの間で調節でき、付属のワイヤレスキーボードを本体の下に滑りこませておけるようになっているのも同様だ。ただし、重量は約16キロと重いので取り扱いには注意したい。

 新たに、USB 2.0接続のポータブルHDD「HPポケット・メディア・ドライブ」の専用ベイを本体天面部に装備し、通常のバックアップドライブとしての利用はもちろん、地上デジタル放送の録画領域として使うこともできる。

 本体右側面にはSDHC対応のSDメモリーカード/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード/MMC対応のメモリーカードスロットや4ピンのIEEE1394ポートとスロットイン式の光学ドライブを備え、左側面には2基のUSB 2.0端子やヘットフォン、マイク、B-CASカードスロットを内蔵する。IEEE802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth V2.0+EDRの各機能を備えるほか、3基のUSB 2.0やギガビット対応の有線LAN、テレビアンテナ端子などは左側面のカバー内にあり、巨大なACアダプタを接続しなければならないことを除けば、ケーブルなどの配線や見た目はスマートにまとめられている。

 細かいところでは、キーボードの周辺を3段階の明るさで照らせるダウンライトの発色をコントロールパネルから自由に設定できるようになった。巨大なタッチクスリーンを生かして、好みの色を選べるギミックが心憎い。

ht_0811hp09.jpght_0811hp10.jpght_0811hp11.jpg 天面部分にオプションのポータブルHDD「HPポケット・メディア・ドライブ」を収納するベイが追加された(写真=左)。ポケット・メディア・ドライブは2.5インチHDDを内蔵しており、付属のUSBケーブルで外付けHDDとしても利用できる(写真=中央)。容量は160Gバイトと250Gバイトが用意されている。ACアダプタは非常に大型なので置き場所には気をつけたい(写真=右)

ht_0811hp12.jpght_0811hp13.jpght_0811hp14.jpg キーボード周辺を照らすダウンライトは、本体左側面のボタンで明るさを3段階に制御可能だ。コントロールパネルの「HP Ambient Light」では、ダウンライトの発色を自由に選ぶこともできる。気に入った色を指でタッチするとライトの色が自在に変わっていくさまを見ているだけでも面白い

地上デジタル放送の視聴・録画機能が復活

 今回のモデルチェンジでは、地上デジタルチューナー内蔵モデルが復活したことも大きなトピックとして挙げられる。IQ800シリーズは両モデルともに標準装備となっており、地上デジタル放送の視聴や録画をフルHD液晶ディスプレイで楽しめるようになった。パネルサイズが25.5型ワイドとかなり大きく、通常のオフィスアプリケーション利用時のような距離で画面に向かっていると全体をつかみにくいほどだ。テレビ機能の利用時は付属のリモコンを活用して、本機と少し距離をあけるのがいいだろう。また、IQ800シリーズは壁掛けでの利用にも対応しているので、設置スペースや環境が許せば検討してみるのも一興だが、VESA規格準拠のネジ穴が用意されているわけではなく、設置サービスなども提供予定はないとのことだ。

ht_0811hp15.jpght_0811hp16.jpg テレビ番組やWindows Media Centerを操作できる赤外線リモコンが付属する(写真=左)。テレビアンテナ入力や光デジタル音声出力端子は左側面背後のカバー内にある(写真=右)

 内蔵チューナーは地上デジタル放送専用で、BSやCS110度デジタル放送には対応していないものの、内部でチューナーを2基搭載しているため、2番組同時録画や裏番組録画などが楽しめる。テレビ番組の視聴・録画ソフトは以前と同じく、ダビング10に対応したピクセラの「Station TV for HP」がプリインストールされており、使い勝手は同ソフトウェアを導入ずみの他製品と基本的には変わらない。録画した番組はHDDに保存しておく以外に、解像度をSDに落とせばDVDメディアにダビングすることもできる(参考記事――メーカー製地デジPCの決定版か――「HP Pavilion Desktop PC m9380jp/CT」のダブル地デジモデルを検証する)。ちなみに、店頭モデルの817jpはBDドライブを内蔵しているが、Blu-ray Discへの書き込みは対応していない。

ht_0811hp17.jpght_0811hp18.jpght_0811hp19.jpg 「Station TV for HP」は、2基の地上デジタルチューナーを切り替えながらテレビ番組の視聴や録画を行う(写真=左)。放送波に含まれる番組表データをもとに、ジャンルやキーワードで番組を検索し、好みの番組をすばやく予約できる機能も備えている(写真=中央)。録画した番組の外部メディアへの書き出しは、解像度をSDに落としたうえでのDVD-VR形式での保存に限定される(写真=右)

 次のページでは、本機の目玉であるタッチソフトウェアの強化ポイントや、ベンチマークテストの結果について見ていこう。

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