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EIZOディスプレイ08-09年ガイド:目的別に最適なワイド液晶ディスプレイを選び出そう! (2/4)

目的2 「写真を観賞・編集する」

広色域とsRGBの対応状況をチェックする

 デジタルカメラの普及を背景に、プロ/アマを問わず、撮影した写真データを自分が意図した通りの色で観賞・編集したいというニーズが高まっている。こうした用途に最適な液晶ディスプレイを選びたいときに、注目すべきポイントをまとめよう。

tm_0811eizo1_09.jpg CIE XYZ表色系のxy色度図。点線で囲まれた部分が、人間が肉眼で視認できる色の範囲を示す。sRGBに比べて、Adobe RGB、NTSCの再現できる色の範囲は広い。写真ではAdobe RGBの対応状況が重要だ

 まずは「広色域」であることだ。液晶ディスプレイの色域が広ければ、高彩度な色と階調を画面上で再現(表示)できる。PC環境の標準的な色域は「sRGB」だが、現在のデジタルカメラはsRGBを上回る色域で撮影できる。sRGBより広い色域で事実上の業界標準になっている「Adobe RGB」での撮影に対応したデジタルカメラもすでに一般化している状況だ。Adobe RGB色域で撮影した写真は、sRGB色域の写真と比べて、はるかに鮮やかな緑や青、赤を表現できる。こうした発色を画面上で再現して編集するには、広色域な液晶ディスプレイが必要になる。

 広色域の液晶ディスプレイは、スペックの「Adobe RGBカバー率」に注目しよう。だいたい「Adobe RGBカバー率95%」以上であれば、デジタルカメラのAdobe RGB色域で撮影した写真データの色を、画面上でほぼ忠実に再現できる。理想はAdobe RGBカバー率100%だが、Adobe RGB色域におけるピークレベルの色まで記録されることはほとんどないので(色飽和やトーンジャンプが発生しやすくなるため)、Adobe RGBカバー率が95%以上であれば十分なのだ。

 sRGB色域を正確に再現する機能も大切である。Webで公開したり、一般的なディスプレイで観賞する写真の場合、Adobe RGB色域のままで仕上げるのは危険だ。sRGB色域では、Adobe RGB色域の高彩度な色と階調を再現できないため、色が飽和したり、色あせたような、くすんだような発色になってしまう。そこで、デジタルカメラを設定して最初からsRGB色域で撮影したり、Adobe RGB色域の写真をsRGB色域に変換して仕上げることになる。

 広色域対応の液晶ディスプレイでsRGB色域を正確に再現するには「sRGB色域変換」機能が欠かせない。これは、液晶ディスプレイの広色域をあえて狭めて、sRGB色域に収まるように発色する機能だ。この機能がないと、sRGB色域の写真を表示したときに、不自然に高彩度で表示されてしまうことがあるので注意してほしい。もともとナナオの液晶ディスプレイはsRGB色域の再現性が高いのだが、sRGB色域変換機能があれば、広色域ディスプレイでも正確な再現性が見込める。

tm_0811eizo1_10.jpgtm_0811eizo1_11.jpg 色空間変換機能を搭載したナナオの広色域ワイド液晶ディスプレイは、前面のボタンなどで再現する色域を手軽に切り替えられる。「Custom」などの画質モードを選択しているときはAdobe RGBに近い発色だが、「sRGB」を選択すると表示する発色がsRGB色域に狭まる

 色域に関しては、こちらの記事(大事なのは“正しい色”を表示できること――液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう)でより詳しく解説しているので参照してほしい。

 なお、写真を快適に編集するためには、画面の縦回転機能もあるとよいだろう。液晶ディスプレイの画面部分を90度回転させて、縦長で使用する機能だ。こうして使うことで、カメラの縦位置で撮影した写真を大きく表示でき、観賞も編集も快適になる。PC画面を縦表示にするには、グラフィックスドライバの機能を使えばよい。通常の横表示の解像度が1920×1200ドットなら、縦表示にすると1200×1920ドットになるわけだ。

キャリブレーション機能のグレードも要確認

 色再現性を突き詰めるなら、キャリブレーションに対応していることも重要だ。ディスプレイにおけるキャリブレーションとは、専用のソフトウェアとセンサー(キャリブレーターや測色器とも呼ばれる)を使い、発色を最適な状態に保つ機能や操作を指す。

 キャリブレーションでは、センサーで画面の発色を測定し、目的に合わせて輝度/コントラスト/色温度などを調整する。その結果をICCプロファイルに書き出してOSに登録することで、ICCプロファイル対応のアプリケーションから正確な発色で作業できるようになるのだ。デジタル写真を正確な色で観賞・編集したい場合、液晶ディスプレイのキャリブレーション対応は必須といえるだろう。

 キャリブレーションには、ハードウェアキャリブレーションとソフトウェアキャリブレーションの2種類がある。前者は、センサーで計測した発色データをもとに、液晶ディスプレイ内部のルックアップテーブルを直接編集して発色を整えるため、高精度な調整が可能だ。ハードウェアキャリブレーションを行うには、対応した液晶ディスプレイが必要となる。

 一方のソフトウェアキャリブレーションは、センサーの測定値を頼りに液晶ディスプレイのOSDやグラフィックスカードの機能をユーザーが操作し、目標の発色へと目視で合わせていく。低コストで導入でき、どんな液晶ディスプレイでもキャリブレーションできるのがメリットだが、ユーザー個々の目の感覚やキャリブレーションの実行ごとで調整結果がブレる可能性があり、操作も面倒だ。精度の面でも手間の面でも、ハードウェアキャリブレーションに対応した液晶ディスプレイをおすすめしたい。

tm_0811eizo1_12.jpgtm_0811eizo1_13.jpg 左がソフトウェアキャリブレーション、右がハードウェアキャリブレーションによるガンマカーブとディスプレイ表示のイメージ。実際はソフトウェア処理でもこれほど階調が崩れることはないが、PC側の出力を手動調整して色合わせをすることから、原理的に中間階調のトーンジャンプや色かぶりが発生しやすい

 さて、液晶ディスプレイをキャリブレーションするには、キャリブレーションソフトウェアの機能と使い勝手も大切だ。ナナオの液晶ディスプレイに対応したキャリブレーションソフトウェアには、「ColorNavigator」(以下、CN)とカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」(以下、EasyPIX)に付属する「EIZO EasyPIX Software」(以下、EasyPIX Software)の2種類があり、搭載する機能が大きく異なる。

ColorNavigatorとEIZO EasyPIX Softwareの違い
ツール名 ColorNavigator EIZO EasyPIX Software
プリセットモード マニュアル(「印刷用」設定)、「写真/デザイン用」設定も選択可 マッチング 写真鑑賞 Webなど一般用途
対応センサー 主要なセンサーに対応(X-Rite i1シリーズ、Monaco OPTIXシリーズ、Munkiシリーズ、Datacolor Spyder2シリーズ、Spyder3シリーズ) 専用品のみ(EX1)
明るさ 任意の値に自動調整、環境光に調整 目視で手動調整
色温度(ゲイン) 任意の値に自動調整、環境光に調整 目視で手動調整 固定 固定
ガンマ調整 任意の値に自動調整
黒レベル調整 任意の値に自動調整
環境光測定
エミュレーション
プロファイル作成 無制限 ディスプレイあたり最大3つ

 CNは高度なキャリブレーションソフトウェアで、ハードウェアキャリブレーション対応のColorEdgeシリーズに付属する。CNの詳細はこちらの記事(究極の色再現を目指したキャリブレーションソフト――「ColorNavigator 5.0」)が詳しい。

 目標とする輝度や色温度を指定したり、印刷用紙や環境光の色温度を測定してキャリブレーションの目標値にする機能、ICCプロファイルを活用した異なる色域のエミュレーション機能などを網羅し、プロの厳しい要求にも耐える。

 もう1つのEasyPIX Softwareは、専用センサー(EX1)とセットで、入門用のディスプレイ表示調整キットEasyPIXとして販売されている。EasyPIXも原理的にはハードウェアキャリブレーションなので階調性が崩れることはない。FlexScan SXシリーズと、FlexScan Sシリーズの一部に対応しており、CNと比較して、低価格で導入できるのがありがたい。

 EasyPIXでは、カラーマネジメントに関する専門知識がなくても、目標の輝度や印刷用紙の白色点を目視で指定するだけで、簡単にディスプレイの色調整を実行できる。上の表に示した通り、CNほどの高機能は持たないが、「液晶ディスプレイの表示と印刷結果のカラーマッチング」「写真観賞用の最適な発色」「Web表示など一般的な用途向けの発色」という3種類の目的に合わせた手軽なディスプレイ色調整が可能だ。

tm_0811eizo1_14.jpgtm_0811eizo1_15.jpg 11月28日に発売されたばかりの新型ディスプレイ色調整キット「EIZO EasyPIX」。付属の専用センサー(写真=左)とディスプレイ調整中のイメージ(写真=右)。ColorNavigatorに比べて操作は簡略化されている

 以上、写真の観賞と編集という視点でディスプレイ選びのポイントを挙げてきたが、やはり最高品質を求めるプロや中・上級者にはColorEdgeシリーズをおすすめしたい。現在のColorEdgeシリーズは予算に応じて複数のラインアップがそろっているため、数年間に比べてかなり導入コストが下がっている点も注目だ。

 画質にこだわりつつも、より手軽に最適な写真表示環境を整えたいというユーザーは、ColorEdgeベースの高画質化機能を備えたFlexScan SXシリーズとEasyPIXをセットにしたFlexScan SX2761W-PX/SX2461W-PXを検討してみるといいだろう。

「写真を観賞・編集する」おすすめモデル
モデル名 概要
ColorEdge CG301WCG242WCG241WCG222W ColorNavigatorでの高度なキャリブレーションに対応し、厳密な色再現性を求めるユーザーに向けたカラーマネジメント対応モデル
FlexScan SX2461W-PXSX2761W-PX ColorEdgeシリーズに迫る高画質化機能を備えたFlexScan SXシリーズに、簡単ディスプレイ色調整ツールのEIZO EasyPIXを付属したセットモデル
※モデル名をクリックすると、各製品情報へジャンプする


提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年3月31日

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