ポメラについて知っておくべき、いくつかのこと(後編)もっと好きになるために(3/3 ページ)

» 2008年11月28日 12時10分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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競合・後継機の登場はあるのか

 今回のレビューは、前編と中編でかなり評価が異なっているが、これはポメラの特質を如実に表している。つまり、「ハードウェア/コンセプトはすばらしいけれど、ソフトウェアには改善すべき点が見られる」ということだ。もちろん、ソフトウェアの仕様がハードウェアスペックに制限されたところも多いだろう。良くも悪くも「PCメーカーではない、文具メーカーの製品」といった印象がある。

 事実、発売前から非常に話題になったということは、実際に触らずとも分かるところに共感し、物欲をそそられた人たちが大多数いたということにほかならない。

 「テキスト入力に特化し、フルキーボード搭載で乾電池20時間駆動、しかもATOK搭載」という情報だけでも、魅力を感じる人にはたまらなく魅力的な内容だ。では、搭載されているテキストエディタがexやed、edlinだったとしてもそれは魅力的な製品だろうか。もちろん、ポメラのテキストエディタはきちんとしたフルスクリーンエディタ(この言葉自体レトロだが)ではあるが、それに満足できるかどうかは使う人、そして用途によるだろう。

 ポメラの初代機はマーケットのニーズから生まれたものではなかったが、結果としてニーズのすぐそばに着地した。そのため、メーカーが想定した使い方とユーザーの実際の使い方には多かれ少なかれ隔たりがある。これは仕方のないことだ。その最たるものはテキストの量だろう。メーカーが「メモ」と言っているにも関わらず、筆者を含め多くの購入者/購入希望者は「ノート」としての利用を期待してしまったのではないだろうか。

 だが、今すでに実際のユーザーからフィードバックが多く寄せられている。後継機が登場するとしたらそれは明確にニーズを捉えたものになるはずだ。そのために例えば、電池を単四から単三に変更し、内蔵メモリへのファイル保存ができなくなってmicroSDカードが必須となったとしても、それはポメラの魅力をいささかもかすませるものではないはずだ。

 初代機では「シンプルなコンセプトを貫き通すことが大変だった」という開発者のコメントがあったが、後継機では「シンプルなコンセプトのブラッシュアップ」を望みたい。

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