続いて仕様面を見てみよう。薄型の液晶一体型ボディを実現するために、基本スペックはIntel GM45 ExpressチップセットとCore 2 Duo P8400(2.26GHz)を組み合わせたモバイル向けのCentrino 2プラットフォームがベースとなっている。メインメモリは1GバイトのDDR3 SDRAM(PC3-8500対応)が2枚、合計2Gバイトがデュアルチャネル構成で装着されている。グラフィックス機能はチップセット内蔵のIntel GMA 4500MHDを利用する。
HDDは2.5インチSerial ATAで容量が500Gバイト(7200rpm)、光学ドライブはスロットインタイプのDVDスーパーマルチドライブが搭載されている。OSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、Office Personal 2007(SP1)もプリインストールされている。
ネットワーク機能は1000BASE-Tの有線LANと、IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠)の無線LANを装備。インタフェースは5基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応スロットなどを備えている。このほか、F/B70Tのみの新機能として、液晶ディスプレイ上部中央に130万画素のWebカメラが搭載されたのも見逃せない。
なお、WEB MART直販モデルでは、地上デジタルテレビチューナーや無線LANの有無、メモリやHDD容量の変更といったカスタマイズが可能となっていて、最小構成の選択時は15万9800円と店頭モデルの実売価格である17万円前後(発売時は20万円前後)と比較して、ぐっと求めやすい価格になる。不定期で行われるキャンペーンを利用すれば、より低価格になる場合も少なくない。年末に向けて店頭モデルの価格もだいぶ値下がりしてきたが、WEB MART直販モデルをカスタマイズして必要な機能を取捨選択してみると、より値ごろ感がある価格で手に入るだろう。
実際のパフォーマンスについてだが、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは、メモリとプライマリハードディスクが最高点となる「5.9」を獲得し、プロセッサも「5.2」と良好だ。
チップセット内蔵グラフィックス機能を利用しているため、ゲーム用グラフィックスは「3.8」、グラフィックスは「4.1」とやや低いスコアになっているが、Centrino 2世代に進化したスペックがパフォーマンスに十分反映されている。3DMark06の結果を見ると、最新の3Dゲームをプレイするには荷が重いことが分かるが、世代が古いファイナルファンタジーXI程度のゲームであれば無理なくプレイ可能だろう。
一方、PCMark05ではデュアルチャネルDDR3メモリの採用など、グラフィックス以外のパフォーマンスが生かされ、十分なスコアをたたき出していて、Windows Vista Home Premium(SP1)を十分快適に利用できるだけのパフォーマンスが得られている。地上デジタル放送の視聴やドキュメントの作成、Webブラウズといった日常の操作でもたつきを感じることはほとんどなかった。
なお、モバイル向けプラットフォームによる静音設計を採用しているだけあって、動作音はDVD-Video再生時でも「ささやき声」程度の公称23.6デシベルをうたう。背面と底面の通風口から吸排気が行われているが、底面にある排気口の前に手をかざしてみても、ほとんど空気の流れを感じられないほど排気の勢いは弱く、地デジの視聴やベンチマークテストなど負荷をかけた時でも排気音が耳につくことはなかった。
寝室に置いて、テレビ番組を録画したままの状態で画面のみを消灯して放置したり、常時電源オンの状態で枕元に置いていても、就寝時に特にうるさいと感じることはなかった。生活騒音が少ない寝室や書斎向けのサブPCにも適している。
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