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» 2008年12月10日 16時00分 UPDATE

国産モバイルノートは低価格ノートに対抗できるか?──NEC「UltraLite タイプVC」「UltraLite タイプVM」 (1/2)

NECが発表したUltraLiteの新製品は超低電圧版のCore 2 Duoを搭載した「正統派」のモバイルノートPCだ。イマドキのNetbookとは別次元の使い勝手を紹介しよう。

[芝田隆広,ITmedia]

PCもユーザーも安易に妥協するべからず

 このところ、国内海外入り乱れ、各PCベンダーからNetbookやミニノートPCの新製品が相次いで発表されている。軽量、低価格ということで「そろそろ自分も1台買ってみようか」と考えている人も多いだろう。ただこれらの製品は、ほとんどの製品がCPUにAtom N270(1.6GHz)を採用するなど、スペック面ではほぼ横並びで、あまり強力とはいえない。また低価格化・小型化のために、液晶ディスプレイの解像度やキーボード配列など、使い勝手でどこかしらを犠牲にしている。そのため、長時間利用するとなると、ユーザー側に慣れを求めてくるモデルも少なからずある。

 慣れてしまえば快適に感じるのかもしれないが、買ってすぐにノートPCを持ち運び、ストレスなく使いこなしたい場合は、Netbookではややパワー不足ではないだろうか。もう少し性能の高い製品を選んだほうがいいだろう。NECのビジネス向けモバイルPCとしては3代目となる「UltraLite」シリーズは、そういった用途に最適なノートPCだ。

 「UltraLite」シリーズは、12.1型ワイドで1280×800ドットの液晶ディスプレイを搭載する。最軽量構成で1キロを切る持ち運びやすい軽さでありながら、堅牢性に優れた薄型ボディを採用した製品だ。光学ドライブを搭載しない「タイプVC」と、DVDドライブを搭載する「タイプVM」がラインアップされている。この記事では、ワンスピンドルのタイプVC(VC-6)を中心に、タイプVM(VM-6)についても紹介したい。

kn_vcm6_01.jpgkn_vcm6_02.jpg フラットな天板を採用して従来のモデルからスリムな印象になった新しいUltraLiteはワンスピンドルの「VC-6」と2スピンドルの「VM-6」が登場する

最軽量時868グラムと軽量ながら堅牢性の高いボディを採用

 VC-6シリーズは最安構成で14万9100円(NEC得選街で12月10日から2009年1月26日まで行われる1万円引きキャンペーンの価格)と、Atom搭載のNetbookと比べると割高になる。そこで、UltraLiteが、価格に値する使い勝手とパフォーマンスを示せるか検証してみた。

 VC-6の特徴は、なんといってもその軽さだ。最軽量構成(SSD搭載)で約868グラムと、常時持ち運んでも苦にならない軽さを実現している。それでありながらバッテリー駆動時間は標準バッテリーで約8.3時間、大容量バッテリーでは約12.5時間と長時間の動作を実現している。

 VM-6も最軽量構成で約1080グラムと1キロをわずかに超えるものの、光学ドライブ内蔵ノートPCとしては非常に軽い。バッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約7.8時間、大容量バッテリーで約12時間とされている。

 評価機を実際に見てみると、12.1型ワイドの液晶ディスプレイを搭載しているだけあって、「ものすごく小さい」という印象はない。また、厚さが最薄部で25ミリ(VC-6の場合)、最厚部で29.8ミリなので、「Eee PC S101」の最薄部18ミリと比べると、さほど薄いという印象もない。天板がフラットになったおかげで、従来のUltraLiteで採用していたボンネット天板よりはスリムになっているが、12.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCとしては普通のサイズだ。しかし、手にとってみると見た目の印象よりもかなり軽く感じる。重量バランスもいいので、軽々と持ち運べるのも携帯利用を重視するユーザーにはプラスと感じるだろう。

 ボディの素材にはマグネシウムダイカストを使っている。デザイン重視のノートPCと比べるといくぶん武骨な印象だが、その代わり堅牢性は高い。150キロ耐圧、76センチ落下試験クリアがうたわれているほか、HDDを衝撃から守る「Shock absorber」構造を採用する。さらに水滴がPCに進入しにくい防適キーボードが今回のモデルから新たに採用された。このあたりの堅牢性は、低価格機にはない特徴として評価できるだろう。

kn_vcm6_15.jpgkn_vcm6_16.jpg VC-6(写真=左)とVM-6(写真=左)の底面。ともにメモリスロットにアクセスできるカバーを中央部に設けているほか、VM-6はminiPCI Expressスロットにアクセスできるカバーも用意されている

軽量ながら充実したスペックを実装

 小型軽量とはいえ、マシンパワーを犠牲にしているわけではない。CPUはCore 2 Duo SU9300(1.20GHz)、VC-6ではCeleon 723(1.20GHz)も選べる。メモリはオンボードで1Gバイトを積んでいるほか、メモリスロットにメモリモジュールを装着することで、3Gバイトまで実装可能だ。ストレージドライブには、80G/120G/160GバイトのHDD以外に、64GバイトのSSDを選択できる。OSはWindows Vista Business(SP1)か、Windows XP Professional(SP3)が選べる。今回の評価では、VC-6、VM-6ともに、Core 2 Duo SU9300、メモリ2Gバイト、HDD容量160Gバイト、Windows Vista Business(SP1)という構成で試用している。

 続いて、本体に搭載されたインタフェース類を見ていこう。VC-6の左側面には、電源コネクタ、アナログRGBのディプレイ出力、ギガビット対応LAN、USB 2.0、オーディオ入出力がある。また右側面には、Type I/II対応のPCカードスロット、USB 2.0×3、SDメモリーカードスロットが用意されている。このほか、無線LANは、なしにするか、IEEE 802.11a/b/gにするかの選択可能だ。

kn_vcm6_11.jpgkn_vcm6_12.jpg VC-6の前面にはインタフェースが配置されていない。背面には幅一杯にバッテリーパックが装着されている

kn_vcm6_13.jpgkn_vcm6_14.jpg VC-6の左側面にはアナログRGBと有線LAN、USB 2.0が用意され、右側面にはPCカードスロット、SDメモリーカードスロット、3つのUSB 2.0が配置されている。USB 2.0が左右側面にあるため、USB接続機器の使い勝手が従来モデルから向上した

 USB 2.0が左右両側面に配置されていて、どちらからでも周辺機器が接続しやすい。また小型のボディながらUSB 2.0が合計で4ポートも用意されているのも注目に値する。PCカードスロットは最近では使用頻度が低くなりつつあるものの、すでに所有しているハードウェアを継続して使えるのは便利だ(旧モデルではOSに対応したドライバを用意しなければならないが)。気がつきにくい工夫だが、アナログRGB用のD-Sub15ピンコネクタには、固定ネジも装備されていて、プレゼン中におけるディスプレイケーブルの抜け落ちを防げるようになっている。

 VM-6はVC-6と配置が若干異なる。左側面に電源、アナログRGB、LAN、PCカードスロット、オーディオ入出力、SDメモリーカードスロットを、右側面にはUSB 2.0×2、光学式ドライブをそれぞれ装備する。光学ドライブを装備したためにカードスロットが左側面に移り、USBポートが右側面の2ポートだけとなっている。また、VM-6はD-Sub15ピンの固定ネジを用意していない。

kn_vcm6_07.jpgkn_vcm6_08.jpg 2スピンドルのVM-6も正面と背面のインタフェースはVC-6とほぼ同じだ。正面から見たスタイルがタッチパッド部分でくぼんでいるのに注意

kn_vcm6_09.jpgkn_vcm6_10.jpg VM-6は右側面に光学ドライブを搭載するため、VC-6で右側面にあったPCカードスロットとSDメモリーカードスロットが左側面に移り、その影響でUSB 2.0が左側面からなくなっている

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