このほか、シェン氏は現在ASUSが開発を進めているいくつかのノートPCについても説明会で紹介した。一部にはコンセプトモデルも含まれているが、そのほとんどが実働するレベルまで開発が進んでいる。
その中の1つ、「Eee Keyboard」は、通常のデスクトップ向けフルキーボードの外見そのままスタイルだが、テンキーがあるはずの場所にタッチパネルを組み込んだ5型の縦長液晶ディスプレイ(解像度は800×480ドット)が搭載されているほか、“背面”にあたる部分には有線LANやUSB 2.0、SDメモリーカードなどに対応する4-in1 カードスロット、アナログRGB、そしてHDMIといったインタフェースが用意されている。
このことからも分かるように、Eee Keyboardは、“Eeeブランド”のキーボードユニットではなく、「キーボードも一体型PC」としてデザインされている。ボディの重さは約0.95キロで対衝撃性能を持たせている。
PCとしての構成は、CPUにAtom N270、またはデュアルコアのAtom N330が予定されており、メモリ容量はDDR2を1Gバイト、データストレージはSSDを16Gバイト、もしくは32Gバイト搭載する。また、無線接続のインタフェースとしてIEEE 802.11a/b/g/nとBluetooth V2.0にも対応する予定だ。OSはWindows XP Home Editoinが導入される。
ASUSでは、Eee Keyboadと大画面テレビやPC用ディスプレイとHDMIやアナログRGBを使って接続して使うことを想定している。
大画面液晶ディスプレイを搭載した大型ノートPCの「ASUS M50」は、パームレスト部分にも4.3型のサブディスプレイを搭載した「マルチスクリーンノートPC」として開発されている。サブディスプレイを含むシステムは「もう1台の端末」として機能する「2 in 1 PC」として構成されている(HTCの“HTC Shift”に近い)。
そのため、サブディスプレイの部分は先日発表された富士通の「FMV-BIBLO NW」のように、PCを操作するユーザーインタフェースとしても利用できるほか、インスタントインターネットアクセス機能も実現している。会場に展示されていたサンプル機材では、サブディスプレイでNVIDIAのAPXベースで動作するユーザーインタフェースが確認された。このユーザーインタフェースでは、NVIDIA APXで利用できる3Dを用いた画面デザインや、実装したWWANの電波状況を示すアンテナ、Bluetooth、無線LAN、バッテリー残量などを示すアイコンも表示されていた。
米Microsoftのフェスター氏は、“2 in 1”構成のメリットの1つとして、「高い性能を持ったノートPCとして重い処理をこなすことができるだけでなく、インターネットをすぐに利用したいときはサブディスプレイを利用してすぐにアクセスすることも可能になる。消費電力が少ないサブディスプレイのシステムを利用することでシステム全体のバッテリー駆動時間も長くできる」と説明している。
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