「AMDが予定通りだなんて……」順調なスタートを切ったPhenom II X4古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2009年01月12日 15時30分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

「ようやくインテルに対抗できる、かな」――Phenom II X4デビュー

TSUKUMO eX.の「Phenom II X4 940 Black Edition」販売告知POP

 2009年初頭の登場が予定されていたAMDの新型CPU「Phenom II X4」が1月10日に発売された。出回っているのは「Phenom II X4 940 Black Edition」1モデルで、クロック倍率固定が解除された特別仕様タイプ。「AMDの初回入荷としては十分に潤沢」(ソフマップ秋葉原本館)という数量が確保されたが、当日のうちに売り切れるショップがいくつもあった。価格は3万円前後。

 Phenom II X4 940 Black Editionは動作クロック3.0GHzのクアッドコアCPUで、512Kバイト×4個のL2キャッシュのほか、4コア共有のL3キャッシュを6Mバイト搭載する。従来からある「Phenom X4」のL3キャッシュ2Mバイトと比べて、大幅な増量となっている。そのほか、新型省電力機能「Cool'n'Quiet 3.0」を搭載し、製造プロセスが45ナノメートルにシュリンクされているのも特徴だ。TDPは125ワットで、対応ソケットはSocket AM2+。

 入荷した各ショップの反応は上々だ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「Phenom X4は省電力タイプだけが売れ、とても真正面からCore 2 QuadやCore i7に対抗できない状況でした。しかし、Phenom II X4でようやく同じ土俵に上がった印象ですね。まだ1モデルなので勝負はこれからですが、久々に期待できるモデルが出たと思います」と語る。

 また、ツートップ秋葉原本店も「発売時期を延期したり、初回入荷はごく少数だったりと、AMDは新モデル投入時に下手なことばかりしていました。だけど、今回は違います。どれだけ売れるかは未知数ですが、少なくともCore 2 Quadは凌駕(りょうが)する存在になるのでは」と予想する。

 各ショップがヒットを予感するもう1つの特徴に、オーバークロック耐性の高さがある。某ショップは「自己責任となりますが、個体によっては軽く4GHzまでは上げられる性能があるようです。これまでのBlack Editionにくらべて圧倒的に上積みが期待できるので、ベンチマーカーだけでなく、実用レベルでパワーアップを期待する人にも価値あるモデルといえます」と話していた。

 ほかのラインアップについては、下位の「Phenom II X4 920」がまもなく登場するとウワサされている。価格は2万5000円前後と予想され、「940の再入荷が一回あって、その次に一緒に入荷するみたいですね」(某ショップ)とのことだ。920もSocket AM2+対応モデルとなるが、Phenom II X4は新ソケット「Socket AM3」やDDR3メモリにも対応する予定がある。

 今後の展開について、TSKUMO eX.は「春ごろにはSocket AM3対応マザーと併せて出てくるんじゃないでしょうか? 近々に新プラットフォームが出てくるということで、待ちに徹するユーザーが増えないといいのですが……」と教えてくれた。

 なお、新モデル投入による、既存ラインアップの価格改定は行われない様子だ。ただし、一部ショップでは既存モデルの特価放出が行われていた。Phenom X4 9750を数量限定で1万2800円で販売するソフマップ秋葉原本館は、「従来のPhenom X4もクアッドコア最安なので、その存在感を示せれば少しは注目されると思います」と、連動したブレイクに期待していた。

Phenom II X4 940 Black Edition(写真=左/中央)。ソフマップ秋葉原本館の特価POP(写真=右)

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