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» 2009年01月15日 11時00分 UPDATE

真の実力が明らかに:これは理想の低価格ミニノートPCなのか!?――「VAIO type P」徹底検証(後編) (5/6)

[前橋豪,ITmedia]

バッテリー駆動時間を2パターンで検証

tm_0901pre2_50.jpg バッテリーパックLを装着すると、重量は約118グラム増え、本体後部が約11ミリ盛り上がり、キーボードに角度が付く

 携帯利用時の要となるバッテリー駆動時間もチェックした。レビュー前編でも取り上げたが、VAIO type Pは本体を薄く仕上げるためにリチウムイオンポリマーバッテリーを採用。店頭モデルの場合、標準バッテリーは容量が7.4ボルト 2100mAh(重量約145グラム)で駆動時間が約4.5時間、別売のバッテリーパックLは容量が7.4ボルト 4200mAh(重量約263グラム)で駆動時間が約9時間をうたっており、小型軽量の割に長時間駆動が期待できる。

 テストは2パターンで実施した。1つは無線LANでインターネットを利用する状況を想定し、「BBench 1.01」(海人氏作)を利用して、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストした。もう1つはVAIO type PならではのHD動画再生テストで、1080pのWMV9ファイルを連続再生するというものだ。電源プランはいずれも「VAIO標準設定」、ワイヤレス通信機能はオン、ディスプレイの輝度は最大、音量は半分(ヘッドフォン装着)といった状態で、バッテリー残量がなくなり休止状態に入るまで(残量7〜8%程度)の時間を計測した。また、店頭モデルにバッテリーパックLを装着した状態でもテストしている。

tm_0901pre2_45.jpg バッテリー駆動時間のテスト結果

 BBench 1.01のテスト結果は店頭モデルで2時間34分だった。カタログに記載されるJEITA規格のバッテリー駆動時間は、実際より2倍程度長い時間になることもあり、テスト結果は想定内の数値といえる。輝度を下げてより省電力効果の高い設定にすれば、3時間近く使うこともできそうだ。Atom Z540(1.86GHz)と128GバイトSSD搭載のハイエンドな直販モデルの結果は、2時間26分とあまり差がない。

 一方、店頭モデルのストレージを64GバイトSSDに変更した構成では2時間11分となぜか1番短い結果となり、システムリカバリやバッテリーを交換するなどして何度やり直しても傾向は変わらなかった。これは個体差や試作機固有の現象で、実際はハイエンドな構成より長時間の駆動が行えると予想される。

 HD動画の連続再生はほとんど差が付かず、店頭モデルが1時間41分、ハイエンドな構成の直販モデルが1時間37分という結果だ。こちらも64GバイトSSDを搭載した構成がわずかに駆動時間が短い結果となっているが、試作機ゆえに参考程度に見てほしい。

 なお、店頭モデルにバッテリーパックLを装着した状態では、いずれも期待通りの長時間駆動が行えた。外出先で長時間駆動を行う必要があるならば、バッテリーパックLの導入を検討してほしい。厚さと重さが少し増える代わりに、モバイルでの安心感が大きく変わる。

ファンレス設計がボディの発熱に与える影響

tm_0901pre2_51.jpg 右側面には放熱用の通風口が設けられているが、冷却ファンは内蔵しないファンレス設計だ

 VAIO type Pはファンレス設計の採用によって非常に静粛に動作し、SSD搭載モデルではユーザーがキーボードやボタンを押す操作音以外はほぼ無音だ。これは大きなメリットだが、ファンがないぶん、放熱はボディ全体に拡散して行うことになる。省電力のプラットフォームを用いているとはいえ、ボディの発熱は気になるところだ。

 そこで、ボディ各部の表面温度を放射温度計で計測してみた。計測したのは、ACアダプタに接続し、起動から30分間アイドル状態で放置した状態、そこからシステムに高い負荷がかかる3DMark05のデモを30分間実施し続けた状態の2パターンだ。電源プランは「VAIO標準設定」、液晶ディスプレイの輝度は最大、ワイヤレス通信機能はオン、音量は半分(ヘッドフォン接続)の状態とした。また、スクリーンセーバーはオフにし、アイドル状態から一定時間経過してもディスプレイの表示やストレージの電源がオフにならないように設定している。

 計測したボディの位置は、キーボードの左半分/右半分、スティック型ポインティングデバイス、クリックボタン、ボディ底面の左半分/右半分だ。各部で最も高温になる部分を探して、温度を計測した。テスト時の室温は約23度と低めだ。

tm_0901pre2_46.jpgtm_0901pre2_47.jpg 動作時の発熱。左が起動後20分間アイドル状態にした場合、右が3DMarkのデモを30分間実施してシステムに負荷をかけた場合

 ボディの発熱は店頭モデルと比較して、ハイエンドな構成の直販モデルのほうがやや高い結果となった。Atom Z540(1.86GHz)のTDP(熱設計消費電力)が2.4ワットと店頭モデルのAtom Z520(1.33GHz)より0.4ワット高く設定され、フラッシュメモリ両面実装の128GバイトSSDを備えているため、当然の結果といえる。64GバイトSSDを搭載した構成がわずかの差で最も高温になったが、これはバッテリー駆動時間のテストと同様、試作機固有の問題と考えられる(省電力機能が最適に働いていないのかもしれない)。

 VAIO type Pは冷却ファンがないだけに、やはり通常時でもボディ全体が温まりやすく、システムの高負荷時にはキーボードの左手前から中央部にかけてと、底面の左側から中央部が高温になる。幸いパームレストを省いたデザインなので、常時手のひらに熱さを感じて不快になることはないが、長時間の作業ではキートップやボタンに触れた指に熱が伝わってくるのが気になるかもしれない。

 また、ファンレス設計ということは周囲の温度がボディの発熱に大きな影響を与えることを意味する。今回は室温が低めの環境でテストしたが、エアコンで暖まった28度くらいの部屋では底面の温度が50度前後に達することもあった。夏場や室温が高い環境で使う場合、周囲の気温と、本体を置くテーブルやデスクの放熱性(熱がこもりやすい素材ではないかなど)を確認したほうがよいだろう。

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