オープンで合理的で完璧主義なMacBookユーザーに──TargusがMacBook専用周辺機器を発表

» 2009年01月21日 11時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

光学式のスクロールセンサーを採用したマウス

 今回、Targusが発表した周辺機器は、ワイヤレスマウスの「AMW43AP」、Bluetooth接続のレーザーマウス「AMB08AP」、USBハブの「ACH105AP」、USB接続のファイル共有ケーブル「ACC9602AP」、クーラーファンを組み込んだチルマットの「AWE41AP」だ。

 ワイヤレスマウスのAMW43APは、通常のマウスで搭載されているスクロールホイールの代わりに光学式のタッチセンサーを採用する。Targus Asia Pacificのプロダクトマネージャーを務めるクリス・フー氏は、多くのマウスで搭載しているホイールでは、Macでよく使われる横方向のスクロールがスムーズに行えないと指摘したうえで、光学式のタッチセンサーで指を左右にタッチすることで、横方向にもスムーズにスクロールできると説明している。光学式タッチセンサーの「窓」は、マウスが搭載しているバッテリーが少なくなると赤く光る警告灯の役割も果たす。このほか、フー氏は光学式タッチセンサーを実装することで、マウス上面の密閉度が高まり故障が減らせるといったメリットも紹介した。

 マウスの左側面には、2つのボタンが用意されていて、ボリュームの増減などのシステムで提供されている機能やWebブラウザなどの起動プログラムをユーザーがカスタマイズできる。また、USB接続レシーバのサイズが小さいおかげで、ノートPCに接続したままでも携帯利用が気にならないほか、マウスの上面カバー内側に設けられたスロットに収納することも可能だ。

 サイズは118(長さ)×64(幅)×37(高さ)ミリで、重さは133グラム。無線接続はRF方式2.4GHz。マウスセンサーは光学式で感度は1200dpi。電池の寿命は約6カ月とされている。

 Bluetooth接続のレーザーマウスのAMB08APは、マウスのセンサーをレーザー方式にしたモデルで、ほかの機能はAMW43APと同じだ。光学式のタッチセンサーによるスクロール機能や、カスタマイズできる2つのボタンをAMB08APでも搭載する。サイズもAMW43APと同じだが、重さは125グラムとわずかに軽くなった。また、MacBookではほとんどのモデルでBluetoothに対応しているという理由から、PC側に接続するBluetoothレシーバーは用意されていない。

ワイヤレスマウスのAMW43AP(写真=左)とBluetoothレーザーマウスのAMB08AP(写真=右)

AMB08APを右横(写真=左)と前(写真=中央)から見る。説明会で紹介された開発中のラフデザイン(写真=右)

つなぐだけでファイル転送がすぐできる

 ファイル共有ケーブルのACC9602APは、USBメモリの形状をしたモジュールのお尻にUSB接続ケーブルが取り付けられており、これで、2台のMacbook、もしくは、MacBookとPCを接続すると、2台のシステム間でファイルの転送が可能になる。USBメモリの形状をした本体にはMacOS、Windows XP/Windows Vista対応のファイル操作ユーティリティが収録されており、ケーブルを差してデスクトップに表示されるドライブのアイコンをクリックするとユーティリティが起動して、自分のローカルフォルダと接続したリモートフォルダが操作できる。

 フォー氏は、ドライバの導入もユーティリティのインストールもいらず、ケーブルを接続しただけでファイルを転送できる簡単な使い勝手を最大のメリットとしてアピールしている。

ファイル共有ケーブルのACC9602AP(写真=左)。2台のMacBookシリーズ、または、MacBookとWindowsを導入したノートPCを接続するだけでファイル転送が可能になる(写真=中央)。ケーブルを接続するとデスクトップにアイコンが表示されて、ファームウェアに収録された転送用ユーティリティが起動できるようになる(写真=右)

 チルマットのAWE41WPには冷却用のクーラーが2基組み込まれている。フォー氏は、製品説明の中で、MacBook Air、MacBook、15型ワイド液晶ディスプレイ搭載のMacBook Proと17型ワイド液晶ディスプレイ搭載のMacBook Proとでボディ表面の温度を測定した結果を示し、それぞれの機種で底面が熱くなる「ホットスポット」が底面中央奥に共通していたことから、同じ場所に冷却用のファンを設置したチルマットを用意したと説明した。ファンの回転数は固定で、電源はMacBookのUSBから供給される。サイズは385(幅)×285(奥行き)×37(厚さ)ミリで重さは720グラム。USBポートを1つ搭載する。

MacBookに敷いて使うチルマットのAWE41WP(写真=左)は、冷却用のファンを2つ搭載している(写真=中央)。その場所は多くのMacBookシリーズのホットスポットを調べて決定された(写真=右)

 USBハブのACH105APは、ボディに用意されたUSBが少ないMacBook Airなどでも、USB接続の周辺機器を十分使えるように企画されたもので、4つのUSBポートを備えている。PC側と接続するUSBケーブルは帯状のラバーになっていて、使わないときはボディの周りにぐるりと巻きつけて収納する。ラバー製のカバーで密着して覆われたようになるため、USBポートへのホコリの侵入も防げるとフー氏は説明している。重さは51グラム、サイズは89(幅)×44(奥行き)×19(厚さ)ミリ。ケーブルの長さは23センチ。USB 2.0に対応する。

USBハブのACH105APは4つのUSB 2.0ポートを搭載する。ベルト上のUSBケーブルをボディに巻きつけることで収納とポートの保護を可能にしている(写真=中央、右)

1年にわたるユーザー調査を踏まえたデザイン

 フー氏は、TargusがMacBook用の周辺機器を開発するために2007年から2008年にかけて行ったユーザー調査の内容を紹介している。Targusが調査したMacユーザーの特性によると、(1)オープンな志向で新製品を積極的に受け入れる姿勢を持ち、(2)独断的でなく、多くの意見を参考にすることで、偏見を持たずに合理的な判断ができ、(3)新しいものを受け入れやすく、そのことで優越感を意識することが多く、(4)それゆえ、ほかの人よりも優れたモノを欲する気持ちが強く、(5)かつ、完璧主義であるため、リテール製品を重視する、と分析する。

 Targusは調査したユーザーの属性傾向も明らかにしているが、Macユーザーは、高学歴が多く収入も平均以上であったという。また、PCユーザーとの比較では、オンラインで利用している時間がより長いという傾向も見られた。

 Targusでは、今回Mac向け周辺機器を投入するにあたって、ほかのメーカーで経験を積んできたメンバーを中心に専用のデザインチームを編成した。先に紹介したユーザー調査を踏まえたうえで、デザインチームは「フラットでない形状」を提案し、色も、新製品のMacBookシリーズで多いメタリックカラーだけでなく、その前の世代で多かった、白、黒ともマッチするように、「ルナグレー」を採用したと説明している。

 Targusは、日本でもノートPC用バックのメーカーとして12年にわたって活動しており、その認知度は高い。ワールドワイドではPC用周辺機器のベンダーとしてもトップクラスのシェアを確立しているが、これまでPC向けだけだったTargusが、今回Mac向けの製品を投入した理由について、Targus Asia Pacific Managing Directorのステーブ・ノーマン氏は、MacBookは年率50%で成長していて今後も期待できることを挙げる。また、ターガス・ジャパンのシニアセールスマネージャーの長谷川広巳氏は、具体的な製品は不明としながらも、MacBook向けの製品を今後も続けて投入する予定であることを明らかにした。

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