性能も色も堅さも“リアル”な「HP EliteBook 8730w Mobile Workstation」夢色は何色!?(3/3 ページ)

» 2009年01月22日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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ハイエンドデスクトップPCに迫る高い性能を発揮

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 ノートPCとして最高峰のハードウェアスペックを備えるだけにベンチマークテストの結果も気になるところだ。本機は64ビット版のWindows Vista Business(SP1)を搭載しているが、PCMark Vantage(x64)以外のベンチマークテストプログラムは32ビット版のアプリケーションであることを注意して見てほしい。

 Windowsエクスペリエンスインデックスでは、ハードディスクの5.7、メモリの5以外はすべて5.9と、ハイレベルのスコアをマーク。スコア通り全くストレスを感じない快適な操作感だ。PCMark05 1.2.0の総合スコアは8024、3DMark06 1.1.0は11071という値もハイエンドデスクトップPCに迫るもので、ノートPCとしては間違いなく最高レベルだ。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアも高く、高解像度環境で快適にプレイできるレベルにあることを示している。PCMark Vantageは32ビット/64ビットともにTV and Moviesの一部テストが実行できなかったが、それ以外ではすべて3000後半以上と、これもハイレベルのスコアをマークしている。32ビットと64ビットでは、Music Suites、HDD Test Suites以外はすべて64ビットのほうが5〜9%よいスコアとなっている。HDDは誤差レベルだが、Music Suitesでははっきりと落ち込んでいる。

PCMark05のスコア
3DMark06のスコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

PCMark Vantage(64ビット)のスコア
PCMark Vantage(32ビット)のスコア

 これだけの高い性能を備えているだけに発熱も気になるところだが、使用感を損なうほど熱を帯びることはない。室温26度の環境で実行に1時間30分以上かかるPCMark Vantageの終了直後に放射温度計で測定してみたところ、最も熱くなるボディの底面中央部で最高47度、手が触れる部分ではキーボードのYキー周辺を中心に暖かい感触があり、36度前後だ。パームレスト部分はどの部分も30度以下を保っていた。底面はそこそこ熱いが、ヒザの上に置いて使うような製品でもないので特に問題ないだろう。

 クアッドコアCPUを搭載しているだけにファンの回転速度および騒音は負荷に応じて変化する。暗騒音32dBの環境で本体左側面の排気口から20センチの距離に騒音計を置いて測定したところ、アイドル時で36dB前後、通常の負荷時で41dB前後となった。そして、ベンチマークテストなどで4つのコアにフルに負荷がかかるようなテスト実施中は46dBくらいまで上がる。このくらいになるとエアコンなどのある部屋で机の上に置いて使用しているような状況でもはっきりとファンの風切り音が聞こえるようになるが、それでも全体的に抑えの効いたトーンであり、それほど耳障りには感じなかった。


持ち運べる高機能ワークステーションとして貴重な存在

 同社直販チャンネル「HP Directplus」での販売価格は税込で52万2900円だ。さすがに安くはないが、プロユースのワークステーションとして通用する性能と機能を備えつつ、欠点らしい欠点がない完成度を持っているだけに貴重な存在といえるだろう。重量も約3.48キロと持ち運べる点も見逃せない。

 なお、ラインアップには21万8400円から買える下位モデルも用意されている。CPUがCore 2 Quad P8600(2.4GHz)に、GPUがQuadro FX2700M(グラフィックスメモリは512Mバイト)に、ディスプレイがDreamColor非対応/1680×1050ドットになるなど全体的にスペックがダウンし、クアッドコアCPUやDreamColorディスプレイはあきらめることになるが、プロユース向けならではの優れた基本設計に魅力を感じるなら下位モデルも検討するといいだろう。

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