SanDiskが調べた「NewYorkとTokyoで一番求められるSSD」の容量と価格

» 2009年01月23日 09時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

性能だけでなく価格でもHDDを抜いたSSD

米SanDiskでSSD プロダクトマーケティングディレクターを務めるドリー・オレン氏。以前、Vaulter Diskの担当者として来日したときにもPC USERではインタビューを紹介している(写真=左)

 2008 International CESでは「Vaulter Disk」という、フラッシュメモリとHDDを組み合わせて「SSDよりも安価なノートPCで使うデータストレージの新しい技術」を紹介していたSanDiskは、1年後のCESで第3世代のSSDやNetbook向けの「P-SSD」を発表している。安価なNetbookへの採用によって低価格化が一気に進み、それにつれてSSDが急速に普及する時代に、SanDiskが投入した新製品について、SSDのプロダクトマーケティングディレクターのドリー・オレン氏が語った。

 SanDiskは、現在、SSDのラインアップを通常のノートPC向けとNetbook向けといった2つのカテゴリーに分類している。Netbook向けのSSDでは、第1世代のSSDをHPのMini-Note PC向けなどに投入しており、2009年のCESでは第2世代となるP-SSDを発表している。P-SSDでは、Serial ATAコネクタを持ったモデルとZIFコネクタを持つモデルが用意されるが、それぞれの性能については現在測定中で2月に公表するとしている。

 また、第1世代のSSDでは16Gから32Gバイト、64GバイトというラインアップだったNetbook向けSSDでも、第2世代では容量を増やすことになっている。この理由としてオレン氏は、Netbookが、先進国ではインターネットサービスの利用を前提とした小型軽量「端末」という認識をされているのに対して、当初Netbookの主なターゲットとされていた発展途上国では、通常のノートPCとして使われており、容量の増加に対する要求がとても強いと説明する。

 Netbook向けSSDでは低価格化も進んでおり、例えば2008年の初頭には8Gバイトや16GバイトのモデルでSSDとHDDは価格を競っていたが、2009年の現時点では32GバイトのSSDでもHDDより価格が安くなっている。2009年のSSDでは、従来の耐衝撃性に強いというメリットだけでなく、価格面においてもHDDより優位であるとオレン氏は主張している。

求められるSSDのバランスは「512Gバイト」でない

2009年のCESに合わせて発表されたNetbook向け第2世代SSDの「P-SSD」と通常ノートPC向け第3世代SSDの「G3-SSD」

 その一方で、通常のノートPC向けに開発しているSSDでは、第3世代のSSDとなる「G3-SSD」も2009年のCESに合わせて発表されている。オレン氏が「2009年のSSD市場を大きく変える」と述べるこの新世代のSSDには、最大240Gバイトのモデルが用意され、性能は、SanDiskが提唱するvirtualRPMで4万vRPMに達する。HDDに置き換えると4万rpmに相当することになるため、HDDの主流となっている7200rpmのドライブと比べると約5倍以上の性能に相当する、というのがSanDiskの主張だ。

 SanDiskでは、ニューヨークと東京の企業でIT担当の役員などにたいして、クライアントマシンにおける望ましいデータストレージの容量と適切と思う価格に関するリサーチを行っている。それによると、 100Gバイト程度の容量で価格が250ドル程度のデータストレージが最も求められているという結論を得たという。競合他社が2009年のCESで発表した512GバイトのSSDは、SanDiskのリサーチからいうと「オーバースペックで求められる容量と価格のバランスが悪い」(オレン氏)ということになる。

  そこで、SanDiskが発表した第3世代のSSDでは、60Gバイトのモデルで149ドル、120Gバイトのモデルで249ドル、240GバイトのSSDで499ドルの価格を設定したとオレン氏は説明している。60GバイトのSSDは、企業が所有している、やや旧式となったノートPCを延命するために供給されている。SSDへの換装によって性能も向上することから、通常なら4年ペースといわれているノートPCのリプレースをさらに2年間延長できるというのが、オレン氏が示したSanDiskの見通した。

  なお、オレン氏は2009年の中頃に、SanDiskがWeb直販サービスを行うことを明らかにした。エンドユーザーもこの直販サイトから購入可能でワールドワイドでサービスを提供するという。ドライブの換装はユーザー自身が行うが、購入者に対するサポートサービスも米国から開始される予定だ。なお、日本におけるサポートサービスについては開始時期や内容について確定していないとしている。

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