Studio XPS 13は、チップセットにNVIDIAのGeForce 9400Mを採用している。このGeForce 9400Mは、DirectX 10に対応した3Dグラフィックス機能とHDビデオ再生支援、高画質化機能を持つPureVideo HDをサポートするほか、NVIDIA CUDAにも対応している。チップセットに統合されたグラフィックスコアの性能としては従来のモデルから大幅に向上したと考えていい。
CPUは引き続きCore 2 Duoを採用しているが、Studio XPS 13では45ナノメートルプロセスルールのCore 2 Duo Pシリーズが搭載される。このシリーズのTDPは25ワットと従来までのTシリーズと比べて10ワット近く引き下げられた。BTOで選択できるのは、Core 2 Duo P9500/P8600/P8400の3種類で。上位グレードのCore 2 Duo P9500では、動作クロックが2.53GHz、2次キャッシュメモリとして6Mバイトを搭載している。
また、Studio XPS 13では単体のGPUも搭載可能だ。評価機にもGeForce 9500Mが搭載されていた。従来までは、外部GPUを搭載すると常にそのGPUを利用することになるが、Studio XPS 13はGeForce 9400Mに統合されたグラフィックスコアと連携する「Hybrid SLI」をサポートしている。Hybrid SLIは、バッテリーの消費を抑えたいときにはチップセットに統合されたグラフィックスコアを用いる“HybridPower”と呼ばれる機能と、パフォーマンスが求められるときにはチップセット統合のグラフィックスコアと外部GPUを連動させる“GeForce Boost”と呼ばれる機能を利用できる技術で、外部GPUだけを搭載する場合よりもバッテリー駆動時間、パフォーマンスの両面でメリットがある。
性能を測定した評価機の構成は、CPUがCore 2 Duo P8600(2.40GHz)、メモリが2Gバイト、HDDは160Gバイト(7200rpm)、外部GPUにGeForce 9500Mを搭載している。この構成におけるWindows エクスペリエンス インデックス値は「5.3」となった。
PCMark 05で計測したスコアでは「Overall」が5107で、詳細を見てみると、CPUやメモリは同クラスの製品と同等であるものの、7200rpmドライブを搭載していたためかHDDスコアがやや高く、そしてGraphicsでは3019とかなりハイスコアな値を出している。
次にHybrid SLIの効果を調べるために3DMark 06とFINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3を、「高パフォーマンス」「省電力」の設定別に計測した。電源オプションの設定は、GPUだけを対象としたものではなく、CPUなどのシステム全体に対する電力設定を変更するため、厳密にはGPUのみの違いを測定した値ではないが、それでも、通常の統合型グラフィックスコアで測定したスコアを大幅に上回る結果となっている。
XPSというブランドが登場して以降、日本に投入されるデル製品のデザインはその方向性を大きく変え、コンシューマーユーザーに対する存在感も増している。デザインでPCを選ぶユーザーも、デルの動向が気になるのではないだろうか。Studio XPS 13はその期待に応えたPCと評価できる。
また、パフォーマンスも、Hybrid SLIへの対応でほかのノートPCに対して優位性を得たといえる。3Dゲームが楽しめるグラフィックス性能とバッテリー駆動時間を両立した13.3型ワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCというのは、ほかの同クラス製品にはない大きな訴求ポイントとなるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.