1月24日、インテルの廉価版デュアルコアCPU「Pentium Dual-Core」に最上位モデルの「E5400」が追加された。動作クロックは2.7GHzで、価格は1万円前後。在庫は潤沢だ。また、先々週にはデュアルコアCPU「Core 2 Duo E7000」シリーズの最上位モデル「E7500」も1万5000円弱で登場しており、インテル製CPUのラインアップ拡充が進んでいる。
とはいえ、現在最も勢いよく売れているCPUは、従来から出回っているクアッドコアCPUの「Core 2 Quad Q9650」だ。ソフマップ秋葉原本館は「Core 2 Quad価格改定から、一気に値ごろになって買いやすくなりました。長期的に見ると一番人気は下位のQ9550ですが、現在の価格なら追い越す可能性もありますね」と語る。現在、Q9650が3万2000円台、Q9550が2万8000円前後で出回っている。
Core 2 Quadの価格改定は新モデルの投入が背景にあったと語られている。某ショップは「新モデルの発売は2月に伸びたそうです。既存モデルの価格改定だけ先行して行ったようですね。そうすると、新モデルの人気に水を差すことにもなりますが、とりあえず今は好調に売れていますし、いいんじゃないですか」という。
こうした動きがあるなかで、現在のクアッドコアCPUのシェアを各ショップに聞いて回ったところ、大多数のショップが「Core i7、Core 2 Quad、Phenom IIで考えると、1対5.5対3.5といったところでしょう」と語っていた。ただし、「Phenom IIは発売当初に勢いがあったものの、最近は落ち着いています。シェアを上げるには、新しいラインアップが欲しいところ」(BLESS秋葉原本店)とのコメントも聞かれた。
しかし、AMD陣営もこの事態を静観していない。1月24日に、既存のPhenom II X4 940 Black EditionとPhenom II X4 920の価格改定を行った。従来2万8000円前後だったX4 940 BEは2万4000円前後に、2万4000円前後だったX4 920は2万円前後になっている。TSUKUMO eX.は「新ラインアップのウワサは聞きませんし、Core 2 Quadに対抗した値下げと思えますね。確かに魅力的な価格ですが、すでにPhenom IIを買ってしまったユーザーが不憫(ふびん)です……」と語る。
そこはAMDも配慮している様子。価格改定と時を同じくして「Phenom II 感謝祭」キャンペーンを発表。1月10日から23日までにPhenom IIを購入したユーザーを対象に、抽選で計20名に非売品の「兄貴も使う Dragonケース」(仮名称)をプレゼントするという。うち10台は「Phenom版」、残り10台は「ATI HD Radeon版」だ。応募期間は2月9日から2月27日。とりあえず、「発売当日に買った俺の気持ちをAMDは踏みにじるのか!?」と怒りにまかせて、レシートごとパッケージをゴミ箱に入れる行為は控えましょう。
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